さて、モチーフは何でしょう？ シチズン プロマスターの新作ダイバーズ

シャチの流線体形や斑点模様などを取り入れて、唯一無二の姿に結実

昨年5月に紹介したシチズン プロマスター（CITIZEN PROMASTER／高性能プロフェッショナルスポーツウォッチのブランド）のダイバーズは、ジンベイザメがモチーフのユニークなモデルでした。そしてこのたび、それに続くカタチで登場した「エコ・ドライブ ダイバー（Eco-Drive DIVER）200m」のモチーフは、やはり大型海洋生物であるオルカ（Orca／シャチ）。と、知ったのちに写真上を見ますと、何となく納得できますよね？

ちょっと意外な話なのですが、オルカとクジラ……。両種は姿カタチや棲息域は違えども、じつは近種の関係にあって、ともに鯨偶蹄目に分類されるのだそうです。ちょっとビックリですね？　で、そのうちで、アゴに歯をもつクジラはハクジラ亜目とされ（対して、シロナガスクジラなどの歯をもたないクジラはヒゲクジラ亜目）、その中でも各種イルカやゴンドウクジラなどはマイルカという科に分類されています。そしてオルカは、そのマイルカの中の最大種で、体長はオスが平均5.8～6.7m、メスが平均4.9～5.8m。冷水を好むものの世界中の海域に棲息し、知能は高く、肉食性。人間が襲われる例はほとんどないものの、ときにクジラも襲う海洋生態系の頂点立つ海の王者です。

体形はおよそ流線形で、大きく立ち上がった背びれをもち、体色は背面が漆黒、腹面、および目の上後方が白。一説に、このモノトーン＆ハイコントラストな体色には仲間同士の位置を確認する、自分のカラダを大きく見せる、獲物に進行方向を見誤らせるなどの役割があるのだそうです。そして、今回ご紹介する「エコ・ドライブ ダイバー200m」は、オルカのこうした大変特徴的な体形や体色などをデザインのモチーフにしたことで、他に類を見ない個性的なダイバーズに仕上がっているのです。

具体的には……、①水の抵抗を抑えた体形のオルカを思わせる、ふっくら丸みのある流線型のケース、②オルカが水面に顔を出した際のシルエットを取り入れた12時インデックス＆奇数時インデックス、③その体表に見られる白い斑点模様をイメージした偶数時インデックス、④同じく、その斑点模様を凹部分に取り入れて指がかりの良さを高めた逆回転防止ベゼル、⑤オルカの背中をイメージしたウレタンバンド……といったところ。そして、こうしたオルカのさまざまなエッセンスがあい合わさって、誰もが一見してオルカをイメージできるたたずまいになっているワケです。

ところで、じつはコレ、2006年に海外で販売され、その見た目ゆえに各国のシチズン・ファンから「Orca」の愛称が付されて人気を呼んだモデルのリニューアル版なんです。そのときのモノは日本では展開されなかったのですが、今回、12時位置のインデックスが、よりオルカの頭部の形状に近いシルエットになるなどのデザイン変更が施され、さらにオルカ度を深めたうえで、めでたく日本初上陸とあいなった次第です。

夏に向かう、この季節。時計はやっぱりダイバーズが気分でしょう。そこでイマ、選びたいのは斬新で個性的ながらも、決して違和感＆ムリ感のない手元に見せてくれる、そんなお洒落ダイバーズ。ってことで、このシチズン プロマスターのコレなんですね！　ちなみに日本では古来より、オルカ、すなわちシャチは建物が火事になると、口から水を吐き出して消してくれる生き物とされ、鯱（しゃちほこ）として城郭などの屋根に上げられてきた歴史があります。ということで、この時計、「火災の護符としてもいいのでは？」などと個人的に思いました。

「CITIZEN」ロゴや「ECO-DRIVE」（定期的な電池交換を不要とする、シチズン独自の光発電技術）、「DIVER’S WATCH 200M」（本品ではISO規格をクリアした200m潜水用防水仕様）、「MAGNETIC RESISTANT」（耐磁性）などとともにオルカの姿を刻印。

じつは2022年のグッドデザイン賞も受賞しているシチズン プロマスター「エコ・ドライブ ダイバー200m」。カラーはトップ写真の「BN0230-04E」に加え、ブルーの文字盤＆ベゼルに秒針のレッドがアクセントになって、さらに夏っぽい「BN0231-01L」（左）、オールブラックのシックな「BN0235-01E」（右）の全3色展開。いずれもドレスすぎず＆カジュアルすぎずのデザインバランスが秀逸だ。

問い合わせ先／シチズンお客様時計相談室　☎0120-78-4807
https://citizen.jp/promaster/special/marine/eco_drive_diver_200m_BN0230-04E/index.html

※表示価格は税込み

文/山田純貴