特集・連載
現代を担う前線アーティストの名作が「手持ちアート」になった!
アートのある生活 最近のミュージアムグッズは、単なるお土産品にあらず。そのこだわりやセンスの高さは秀逸で、生活に取り入れれば知的な雰囲気も漂います。今こそアートの世界に触れるべく、ここで基礎教養&ビギン目線のウンチクも交えてアイテムをご紹介! この記事は特集・連載「アートのある生活」#07です。
現役で活躍中の作家にフィーチャーすると、名作が“手持ちアート”になったグッズが多数。愛でて使って楽しいグッズから、アートの今を学ぼう。
“影絵”を定着させたレジェンド
藤城清治
片刃のカミソリと数百枚のカラーフィルターで切り描く、美しい影絵で愛される藤城清治。1960年代にテレビ放映された着ぐるみ人形劇『木馬座アワー』で、国民的アイドルになったケロヨンの生みの親でもあります。そんな光と影の世界のキャラたちがフィギュアに!
手掛けたのはフィギュア制作で定評のある海洋堂だけに、ケロヨンの決めゼリフ「バハハーイ」が聞こえてきそうなほど表情はイキイキ!
60年代のユーモアが令和によみがえる!
海洋堂
藤城清治 光と影のファンタジー FIGURE COLLECTION
ケロヨンをはじめとするキャラクター5体を、海洋堂の造形&彩色技術で命を吹き込みながら立体化。高さ約6.5cm(ケロヨン)。単品1320円、6個入BOX 7920円(海洋堂)
ファッション界からも引っ張りだこ
奈良美智
今季ステラ マッカートニーとコラボするなど、奈良美智はファッション界でも長きにわたり注目の的。故郷・青森の県立美術館に佇む《あおもり犬》もまた、代表作のひとつです。半分埋まった体は、同館に隣接する三内丸山遺跡に着想を得た美術館の建築空間からイメージしているそう。
そんな郷土愛あふれる作品をそのまま貯金箱に! 可愛がりながら、これで作品を観に行くための軍資金、貯めてみる?
本物を観に行く資金を貯める?
どこか切ない表情?
あおもり犬貯金箱
ソフビ製の貯金箱は、ドローイングを基に国内でひとつずつ手作り。4月以降入荷予定。約W8.4×H19.3×D15.7cm。4950円(青森県立美術館ミュージアムショップ)© Yoshitomo Nara
「青森県立美術館」で見れる!
住所.青森県青森市安田近野185
☎ 017-783-3000
※開館時間は直接お問い合わせください。
“イルミネーション” もこんなアートに
宮島達男
幼い頃、液晶テレビを通電させたら変わり続ける画像がモンドリアン作品に見えた宮島達男。そこから、変化し続けるもの、万物と関係を結ぶもの、永遠に続くものを制作のコンセプトにしています。
なかでもLEDの光が1から9までの数字を刻む、デジタルカウンターを使った作品で知られ、文字が浮かぶこちらのグラスも作風に通じるものが。まずはイルミネーション感覚で食卓に取り入れてみては?
作品の感動を食卓で再現
宮島達男 | グラス
デジタル数字をちりばめたグラスは、冷水を入れると青と緑の数字が浮かんでくる仕掛け。これからの季節、晩酌にいかが? Φ8.3×H8.5cm。1980円(森美術館 ショップ)©Tatsuo Miyajima
冷たい水を入れると数字に色がつく!
上〈生粋の甘党とくにチョコ派〉藤城清治
1924年生まれ。御年99歳の影絵作家。戦後、物がないなかでも表現できる影絵に注目。独自手法を編み出し、アートやエンタメに昇華させた。
左下〈好きな食べ物は即答で「餃子」〉宮島達男
1957年生まれ。現代美術作家。LEDで時間や生命を表現したインスタレーションなどを手掛ける。イッセイ ミヤケとのコラボも話題。
右下〈“ココイチ”大好きカレー党〉奈良美智
1959年生まれ。画家・彫刻家として日本の現代アートを牽引。代表作の鋭い眼差しの少女の絵は、ニューヨーク近代美術館にも所蔵されている。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。