特集・連載
これを知ればアート通に。半歩先の日本画ワード&変わり種グッズ
アートのある生活 最近のミュージアムグッズは、単なるお土産品にあらず。そのこだわりやセンスの高さは秀逸で、生活に取り入れれば知的な雰囲気も漂います。今こそアートの世界に触れるべく、ここで基礎教養&ビギン目線のウンチクも交えてアイテムをご紹介! この記事は特集・連載「アートのある生活」#05です。
有名所もいいけど、この人知ってるとちょっと通。いま推したい日本画キーワードがこちら! ちょっと変わり種のグッズとあわせてどうぞ。
300年越しに人気爆発
若冲の動物画
まずはこの手ぬぐいをご覧あれ。水墨画でお馴染みの黒鳥、叭々鳥(ははちょう)ひとつとってもこの表現力。江戸の世に生まれて300年、現代において知る人が少なかった若冲は、2000年に京都で開かれた展覧会を機にブレイクし、いまをときめく画家と言っても過言ではない。
彼の優れた観察眼は、庭でニワトリ数十羽を飼うとひたすら眺め続け、1年後にやっと絵筆を握ったという逸話もあるほど。墨の濃淡で鳥を繊細に表現したこちらは、若冲と美術館の共同制作ともいえるでしょう。
若冲のヒラメキ力にあやかれる!?
手ぬぐい
勢いのある水墨画を手拭いにするにあたり、筆のかすれ、くちばしから覗く舌先、頭の毛並みを繊細に表現。鮮やかに染めた月もポップでタペストリーにする人も。W35×H91.5cm。1200円(岡田美術館)
伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)
1716~1800年。京都生まれのおぼっちゃま絵師にして、酒も女も興味なしの日本画オタク。代表作に生きものに宿る魂“神気”を生涯描き続けた《動植綵絵》など。
実物が観られる展示があり!
『若冲と一村―時を越えてつながる―』
《月に叭々鳥図》(部分)伊藤若冲 江戸時代中期 18世紀後半岡田美術館蔵
6月4日(日)まで岡田美術館にて開催中。
住所.神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
☎ 0460-87-3931
※開館時間は直接お問い合わせください。
もうひとつの東海道シリーズ!?
東海道五十三次之内
つぶらなお目々のこの子は虎子石。歌川広重作《東海道五十三次》とよく似たタイトルの、歌川芳員作《東海道五十三次之内》に登場するゆるキャラです。この連作は各宿場の伝説をキモカワに表現した変わり種。
なかでも出色は、大磯宿のシーンに登場する虎子石。お寺に祀られている石をUMAのように描いたものです。そんなキモカワな虎子石、リアルすぎるソフビで愛らしさを味わえます。「ナニコレ!」と突っ込まれること不可避!
こう見えてじつは守り石
中空工房 虎子石 ソフビ
ソフビの雄、東京の中空工房によって、金型に樹脂を流し込みひとつずつ手作業で制作。真夜中に動き出しそうなほど、愛嬌たっぷりな顔カタチに。W6×H6.6×D14.1cm。4950円(スーベニアフロムトーキョー)
珍獣の出現に、青ひげ男はおったまげー! それに吹き出すお姉さんの図は、漫画のようにユーモラス。石のモデルは大磯の延台寺に現存する“虎御石”で、古典『曽我物語』にも登場。厄除けなどにご利益があるとされています。
ひと目でわかる[歌川派相関図 feat.笑点メンバー]
「表富士」が半歩先の技術で蘇る!
富嶽三十六景 神奈川沖浪裏
レゴ®アート 葛飾北斎
〈富嶽三十六景 神奈川沖浪裏〉
ダイナミックな構図をレゴ®セット1810ピースで新解釈した3Dアート。約W52.7×H39.9×D2.6cm。1万3980円(レゴ®コンシューマーサービス)。また一昨年には、英・大英博物館では保有する北斎の作品をNFT化して販売。今や最先端のデジタル界隈でも傑作を手に入れられる時代なのです。『神奈川沖浪浦』は既に完売。
NFTアートなら、名作が約5万円!?
※表示価格は税込み
[ビギン2023年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。