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ブランドの名前は知っているし、キャンバス製ブーツのイメージもある。でも、パラディウムってどんなブランド?と聞かれるとあまり答えられないかも!? そんなアナタに唯一無二のその魅力を伝えたーい!! というわけで、来日していた社長・クリストフ氏を直撃。成り立ちや細部へのこだわり、オススメの一足に至るまで、ガッツリ聞いてきました!

教えてくれたのは…?


パラディウム社長
クリストフ・モルテムスクさん

建築企業でマーケティングマネージャーを務めた後、ファンとして興味を抱いていたパラディウムへ1998年に移籍。専門であるマーケティングや企画を担当し、2001年より現職を務める。過去10回ほど来日経験がある親日家。

フレンチDNAが息づく靴作りを徹底!まずはブランド70年の歴史を振り返る!


フランス軍の要請を受け、外国人部隊のためのブーツを製作したのが、シューズブランドとしての歴史の始まり。その頑丈なブーツはやがて、探検家やハイカーに愛されることとなり、カウンターカルチャーのアイコンとなったパラディウム。その70年の歴史を社長直々に聞いてきました!

最初はシューズブランドではなかった!?

──パラディウムのブランドの成り立ちを教えていただけますか?

「ルーツは飛行機のタイヤを生産していたメーカーです。資料が残っていないので伝聞になりますが、硫化・圧着のノウハウを活かしてブーツ作りを始めたと聞いています。フランス軍の要請を受けて1947年に初のモデルが誕生し、2年後には今もブランドを代表する存在である『パンパ』が誕生。これらはフランスの外国人部隊用に開発されたブーツであり、かつて部隊の本部があった北アフリカの砂漠地帯や、ジャングルなど過酷な環境下で兵士の足を守りました。余談ですがブランド75周年の折には、かつて外国人部隊にいた元将軍から連絡があり、周年を祝ってくれたのは感動的でしたね」

──ブーツはその後、どんなシーンでどんな人々に履かれたのでしょう?

「パラディウムのブーツは、クルマでいうジープのようなもの。極めてシンプルかつローテクなんですが、頑丈でさまざまな環境下に対応します。そのため、火山の溶岩湖を命がけで調査するような探検家から週末にハイキングやキャンプレジャーを楽しむ人々まで、60年代にはさまざまな場所、シーンで履かれる存在になりました」

──ギアとして重宝されたんですね。

「はい。そして60年代の終わりには、パリで五月革命が起こるなど反体制運動の機運が高まり、自由を求める若者がパラディウムのブーツを履くようになりました。80年代のNYアンダーグラウンドシーンでは、前衛派のファッションアイコンに。近年はケンゾーやヨウジヤマモト、ネイバーフッドなど、ファッションブランドとコラボレーションをする機会も増えていますね」

“都市探検”の相棒としてタフネスや快適性は不可欠

──近年は“都市探検”をコンセプトに掲げていますが、そのココロは?

「パラディウムのブーツは、そもそもが砂漠地帯やジャングルで履くために開発されたもの。ですが日々の生活が多様化しており、都市がジャングル化している。登山とまではいかなくても、週末は郊外で羽をのばし自然に親しむ人も多いでしょう。タフなブーツでありながらスニーカーのように快適、そしてスタイリッシュなパラディウムのシューズは、アクティブな暮らしを送る都市生活者のベストな相棒。好奇心の赴くまま都市探検へ出掛けるのにぴったりの靴との自負があります」

──シューズ作りにおいて大切にしていることは何ですか?

「第一にフレンチDNAを持っていること。言葉で言い表すのは難しいですが、フランスのプロダクトには色使いや風合いに独特のフレーバーがあります。エスプリと称されるものですね。製品開発では、ここへヒネりを加えて具現化することを常に心掛けています。ファッショナブルであることを大切にしていると言い換えてもいいでしょう。それからファンクショナブルであること。快適さや機能性の指標は時代によって変わるものと思っていて、たとえば『パンパ』の原型が生まれた当初は、過酷な環境下でいかに足を守るかが最も重要でしたが、履かれる場所が都市になった現在は、加えてクッション性や軽さが欠かせません。なのでパラディウムは、トラディショナルなモデルでもインソールをより衝撃吸収性に優れるものにアップデートするなど、快適性を高めるための努力を常に重ねているんですよ」

──パラディウムというとキャンバスのイメージがありますが、やはりこだわりがあるのでしょうか?

「フランス軍の外国人部隊に支給した最初のブーツにも、キャンバスが用いられていました。部隊の本部が北アフリカの砂漠地帯にあり、通気性のよいキャンバスが気候に適していたことや、ソールと強固に圧着するためには厚みを均一に保つ必要があったという歴史的背景が、キャンバスブーツを生んだものと理解しています。始まりの素材ですから、キャンバスはやはり特別な存在。原点である丈夫なコットンキャンバスから、軽快なナイロンのそれまで、スタイルに合わせて今もさまざまなキャンバスを用いています」

──今後のブランド展望は?

「じつは最近、バッグの取り扱いも始めたんです。ミリタリールーツが活きた、機能的なアイテムを展開するトータルブランドとして認知されたいですね。それから、サステナブルなモノ作りにもこれまで以上に注力したい。パラディウムはエコロジーへの意識がそう浸透していなかった90年代の初頭に、既にリサイクル素材を使用したブーツを作っていました。この伝統を推し進めるのが使命と感じています。あとは、とにかくパラディウムを広めたい! 他ブランド品を履いている人を見るたびに、一度でいいからウチのブーツを履いてほしいと思うんです。履けば絶対に違いがわかるから!ってね(笑)」

社長に聞いたPALLADIUM最初の一足は……?PAMPA HI ORIGINALE

自身がパラディウムの大ファンであるクリストフ社長。ブランドの魅力を誰よりも知る社長に、最初の一足の鉄板を聞きました。

 

 

「パンパ」は、1949年に誕生して以来、基本的なデザインを変えず今に至る、アイコニックな存在です。コンフォタブルな履き心地、トラディショナルなデザインといった多彩な魅力がありますが、3年にわたるバイク旅行を共にしたというある顧客からは、もはや体の一部となった感動をぜひ伝えたいという手紙を頂戴しました。パンパは、そういう特別な魅力のある靴。合わせるスタイルも選ばないので、最初の一足に申し分ないと思います。(クリストフ氏)

ルーツを大切にしながら常に進化を続ける「パラディウム」を購入するなら…


MARINE & WALK YOKOHAMAのセレクトショップ「S-Rush」。パラディウムを軸に世界中のさまざまな名靴、ウェアを展開する。
住所:〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港1-3-1 MARINE&WALK YOKOHAMA 1F
営業時間:11:00~20:00
☎045-225-8075

(問)
(株)エスエスケイお客様相談室
☎0120-50-7789
https://www.palladiumboots.jp/contact


 写真/SHUNSAKU HIRAI 文/秦 大輔

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