2022年に売れた「ジャケット&ブルゾン」ベスト6
円安云々の強固な厳しぃ~ディフェンスに屈せず、昨年もビギンは皆さまに賢く&楽しい買い物得ネタを届けてきました。「本当にいるものしかいらない」ってな時代だからこそ、我々の声に耳を傾けてもらいたい。ってことで「ジャケット&ブルゾン」をランキングにまとめてみました。イイトコどりの情報をギュッと凝縮しております!!
1位:ポストオーバーオールズのフレンチチャイナ ジャケット
小粒でも旨みたっぷりな本格中華のワザに痺れた
シップス 銀座店の雨宮パイセン(上)をはじめ、服好き玄人がこぞって“フレンチチャイナ”に熱視線。オリジンは仏在住の中華系移民が着用したワーク服で、その一翼を担ったのがポストオーバーオールズ。オリエンタル味を抑えた着やすいフレンチチャイナジャケットを新定番に据えています。
しかも2022年からは生産を本場上海近郊に移し、良質なヴィンテージでしか見られなかった華奢で美しい手作りのトグルを再現。中国秘伝のワザが甦ったのです。
子曰く、現行のほうが小也
黄金期のヴィンテージ特有の、ステッチを隠し、断面を丸く仕上げた華奢で美しいトグルボタンを縫える職人を上海で探し当て、見事製品化。3万9600円(ポストオーバーオールズ)
先の春夏から、より小粋なトグルボタンに
2位:ヒステリックグラマーのニットストップジャケット
ニットが特殊な編み方でまさかのリップストップに!
定番をひとヒネリするセンスのよさじゃ右に出るものなしのヒス。このコーチジャケットもその例に漏れず、よく見りゃ生地には細かな格子が! そう、ほっこりしがちなニットで無骨なリップストップを表現するという、まさかまさかのアプローチ!
聞けばニットの聖地、和歌山の技術と機械によって実現したワザありの一着でして、その熱意が届きジャケットは発売後1か月で完売。その反響はノンストップだったと、そういうワケです。
ニットでわざワザ!?
ミリタリー発祥の定番素材を大胆アレンジ!
同素材のオーバーオールも完売御礼!?
ニットの柔らかな風合いと、ポップなグラフィックの相性も◎。オーバーオールも人気を集めた。
3位:セトアウトのウォーム コーチジャケット
瀬戸内・岡山の技術で高機能がリーズナブルに
突然ですがこのジャケット、いくらに見えます? なんと5940円! 太陽光を熱に変換する“HINATABOCCO”という機能を備えた生地は、ストレッチも利いた耐久撥水仕様。ハイスペック&クリーンな見栄えでこの価格というから驚愕です……。
母体は繊維生産業を生業とする岡山の「カイタック トレーディング」。改めて、瀬戸内のアツさを実感させられた一年でございました!
堅実買いの新潮流
スポーツショップ、「ヒマラヤ」との協業で生まれた都会的なコーチジャケット。型崩れしにくい伸縮性の生地には極小のセラミック粒子が練り込まれていて、体感温度がグッと高まる。5940円(ヒマラヤ お客様相談窓口)
4位:モヒート×いであつしの文豪ジャケット
こだわりを突き詰めた圧巻の仕上がりに脱帽
釣りと文学の蜜月の象徴、ヘミングウェイに着想を得たモヒートのシャツに、ビギンお馴染みのコラムニスト いであつしさんが大胆別注。やはり釣り好きの文豪、開高 健をイメージし、バッファロープレイドのウール地で3シーズン活躍する和製ヘミングウェイに。
ちなみに本企画は、山下さんといでさんの居酒屋での会話から発展。かの格言「酔っ払って書き、しらふで編集せよ」の通り、酔いで生まれた閃きを、しらふでこれほどのクオリティにするとはまさにへミング道!
居酒屋で意気投合♡
左/コラムニスト いであつしさん 右/モヒート デザイナー 山下裕文さん
ヘミング道
美しさと着心地を徹底追求した渾身の日本製
“文豪”らしく胸元にはペンポケ付き。エルボーパッチや衿にステッチ補強、裾から脇裏まで縫い代にはパイピングを施した特別版。ビギンマーケットの限定で、残念ながらすでに完売。いで先生の次回作にご期待ください!
5位:ザ・スーツカンパニーのプルネル生地スーツ
今どきのスーツの理想が全部入り!
もはやスーツ1着に大金を費やす時代ではありませんが、とはいえ貧相に見えるのは論外。で、コスパよくても高見えするザ・スーツカンパニーの代表作がランクイン。
こちらは伊の名門生地メーカー、ヴィターレ・バルベリス・カノニコ社のウール生地プルネルを、モダンクラシックな人気型紙にのせた英国調スーツ。2022年のザ・スーツカンパニー スーツ売上ランキングで第1位にも輝きました。ネイビースーツだけに、紺グラッチュレーション!
コスパスーツ界の英久欠番!
毎年発売即品薄になるのが恒例の人気定番。物価高騰の折、名門生地メーカーのスーパー110’sウールを使ってこの価格とは驚き! 4万2900円(ザ・スーツカンパニー新宿本店)
6位:オーベルジュのGジャン
妥協なきこだわりに感服いたしました!
Gジャンのファーストやセカンドはカッコいいけど、着丈が短すぎるのが難点。で、単純に大きめサイズを提案するブランドが多いなか、大きくする根拠にこだわったのがオーベルジュでした。
デザイナーの小林さんは、デッドストックを参考に洗濯縮みの寸法を前もって計算に入れ、洗った後も洗濯前の寸法になるGジャンを設計。見事、根拠のあるオーバーサイズを完成させました! マジ大変なG難度の工程、よくぞやり遂げてくれました(感服)。
型紙のベースとなっているのは、リーバイスが90年代に米国バレンシア工場で製作していた復刻セカンド。しかもその超大型48サイズのデッドストックだ。オーベルジュでは「ドゥーズィエム」と命名。5万2800円(オーベルジュ)
ただのビッグウェーブに乗るつもりはない
デザイナー 小林 学さん
※販売状況は22年12月時点の情報です。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年2・3月月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。