string(38) "https://www.e-begin.jp/article/363839/"
int(1)
int(1)
  

1972年に米国カリフォルニア州ベンチュラで、パタゴニアの前身であるアウトドアショップ、「グレート・パシフィック・アイアン・ワークス」がオープンしたとき、環境保護運動はまだ初声をあげたばかりでした。その契機の一端を担ったのは、1969年に米国カリフォルニア州サンタバーバラ郡の海域で発生した、大規模な原油流出事故。これに抗議し、海岸を守るために人々が起こした運動は、やがて拡大し、1970年4月22日に、今なお毎年開催されている環境保護への支援イベント、“アースデイ”が誕生するに至りました。パタゴニアはそれ以来、このイベントをはじめ環境保護に関するあらゆる活動を全力で支援し続けています。

【HISTORY】
GPIWの象徴
『葛飾北斎』と『アンデス地方の工房』って!?

グレート・パシフィック・アイアン・ワークスを象徴するキービジュアルといえば、やっぱりこの山と波が調和した荘厳なイラストでしょう。諸説あるんですが、実は創業者イヴォン・シュイナード氏は、1960年代に徴兵制度によって韓国に住んでいた経験があり、その頃日本にクライミング用品を販売していたこともあったそうな。
熱心なクライマーであると同時に、サーファーとしての顔も持ち合わせていた同氏は、その経験もあってか、山や海と等しく、日本のカルチャーも愛していたそう。葛飾北斎の富嶽三十六景のひとつ”神奈川沖浪裏”に描かれた山と波は、まさにそんな氏が思い描くショップのイメージにピッタリ。これをオマージュしてロゴに取り入れた背景には、そんな都市伝説的エピソードが潜んでいたんです。

ちなみに同氏が1957年に最初に立ち上げた「シュイナード・イクイップメント」は、1973年にこの「グレート・パシフィック・アイアン・ワークス」へと社名を変更したんですが、その名の由来もまたかなりユニーク。同氏はかつてクライミングの遠征目的で、南米チリのアンデス地方を訪れた際、工具を作っている小さな工房に足を運び、この記念写真をパシャリ。で、後日この写真を眺めていると、工房にスペイン語で“Ferreteria El Pacifico”と書かれていることに気づきます。これは英語で“パシフィック・アイアン・ワークス”という意味。
自分たちが山登りのためにギアを作っているのと等しい熱量をこの名に感じた氏は大感動。大好きだった前述の北斎の木版の大波、“グレート・ウェーブ”と、この“パシフィック・アイアン・ワークス”を組み合わせて、「グレート・パシフィック・アイアン・ワークス」という名前を思いついたんだそうな。

編集部マスイは、2010年にカリフォルニア州ベンチュラにあるパタゴニアの本店を訪れた経験が。「店舗の外観に『GREAT PACIFIC IRON WORKS』の文字が掲げられているのを見て、テンション爆上がり! 同店はパタゴニア好きの聖地として知られていますが、ここは環境保護を第一義として掲げるパタゴニアの理念が誕生した生地でもある。この文字を見た時、そう感じてなんだかウルッときちゃいましたね」。

【PRODUCTS】
パタゴニア50周年を目前に・・・
記念すべきコレクションがドドッと登場!

GPIWの象徴たる山と波のイラストをデデン!とプリントしたパーカは、全パタゴニア好きが萌えるはず。端切れ生地と回収されたペットボトルを利用したリサイクル素材を採用するなど、バージン素材への依存を削減しよう!という同社の意思が見事形に。1万2100円。

世にサーフテイストのTシャツは山ほどあれど、これほど威厳に満ちた逸品は他になし! なんたってあの北斎風の山と波がバックに付いててくれるわけですからね。一般的なコットンTに比べて、水の使用量と二酸化炭素の排出量を削減できる、オーガニックコットンを使用。Tシャツ5940円。ロンT7700円。

最強に楽チンだけど、このグレートなロゴのおかげで一気に品格UP! 海上がりや街穿きにも最高です。先のTシャツと同様に、一般的なコットン製スウェットに比べて、水の使用量と二酸化炭素の排出量を削減できる、オーガニックコットンを採用している。左/1月下旬入荷予定。右/2月下旬入荷予定。各1万1000円。

レトロなフラップトップ式デイパのトラッ度をさらに高めるのが、上下2か所に備えられた、デザイン違いのGPIWロゴ。オーガニックコットンに防水ラミネートを施した生地は、耐久性も水への耐性も抜群で、デイリーユースにもってこい。W27×H48×D13cm。28ℓ。1万3750円。

パッと見はGPIWロゴが配されただけのシンプルキャップ。ですが実はこれ、メッシュ部分はリサイクル・ポリエステル製。さらにツバにも漁網から100%リサイクルされたブレオ社の“ネットプラス”を使うなど、環境への貢献度は半端なし! 各4620円。

【EPILOGUE】
半世紀を経ても
受け継がれる哲学

今年2023年に創業50周年を迎えるパタゴニア。1969年にサンタバーバラで起きた石油流出事故に端を発し、1970年の第1回アースデイを導いた近代環境保護運動に敬意を表した。そのため50年の時を経た今、改めて当時を思わせるデザインを継承した製品が開発されました。
今なお地球上のあらゆる海で原油の流出は続いています。このGPIWコレクションは、今後もあらゆる環境保護運動に能動的に取り組み続けていく!というパタゴニアの決意表明なのかもしれません。

問い合わせ先/パタゴニア日本支社 カスタマーサービス☎0800-8887-447
写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人 編集/増井友則(Begin NEWS)

特集・連載「patagonia」の最新記事

パタゴニアの第0章『グレート・パシフィック・アイアン・ワークス』ってぶっちゃけナンナノ?解説

Begin Recommend

facebook facebook WEAR_ロゴ