日本の匠が生んだ、最高峰コーデュロイって?
前回のデナリに引き続き、ビギンマーケットがご紹介したい優良ブランドが「アナソルール」。人は見た目が9割と言ったりもしますが、ココは素材が9割。それほど素材へのこだわりが強く、その地域でしか生み出せない国産の素材を採用することに重きを置いているんです。ゆえに、語りドコロ満載なアイテムばかり。今回は、艶やかで上品なコーデュロイシャツにフォーカス! 静岡県・遠州地方産コーデュロイの知られざる生産工程を深掘りしつつ、その高い品質とアナソルールの素材へのこだわりをご紹介します。
永遠に愛したい
美しい光沢と端正な顔立ち
コーデュロイを使ったアナソルールのオープンカラーシャツ。光沢感のある上品な生地は、そこいらのコーデュロイとは一線を画しています。
1万5984円。 >>もっと画像を見る
手間隙かけ、熟練の技が成す
美しい畝と光沢
気が遠くなる作業も全て人の手で
遠州地方の綿織物産地「 福田織物 」にて、コーデュロイの生地を織ります。写真は「 経通(へどおし)」という織り機。4000〜10000本ある糸を1本ずつ丸いワイヤーに通し、さらに織り地に合わせて経糸を通すのですが、これらは全て手作業で行われています。
「水通し」で柔らかで弾力ある仕上がりに
コーデュロイの生地を織りあげ、パイルを切断して畝をつくる「 カッチング(剪毛) 」作業を行った後に、表面の余分な毛羽や汚れを落とし、生地を水に通す作業を行います。これは、豊富な軟水の水源に恵まれたこの地域だからこそできる工程。全ての生地に水通しを行うことで、柔らかく弾力がある仕上りになります。ちなみに、この技法は今ではほとんど行われていないんだとか。
国内で一社のみ! 光沢感を左右する「毛焼き」
「カッチング」、「水通し」を終えたら、最後に「毛焼き」という加工を施します。「毛焼き」とは、摂氏800度になるローラーの上で生地の表面を焼く作業。丈夫で光沢のある柔らかい生地の鍵となるのは、その“焼き加減”。気温や湿度によって左右されやすく、焼き加減によっては大事な光沢が出ない場合もあり、匠の技を要する難しい加工なんです。現在、日本では唯一「 磐田産業 」でしかこの加工は行われていないんだとか。職人たちが心血注いで作った生地には、毛焼きのできないナイロンやポリエステルにはない独自の風合いがあるのです。