特集・連載
ネリーが曲にするほど愛した名作って? “あの人”のスニーカー裏話[2000s]
スニーカー 新・レトロ主義 コレクターや転バイヤーによる争奪戦が勃発! ネットフリマではショーゲキの高値で落札!? 著名人やハイブランドのコラボなど、スニーカー界のトレンドはプレミアものしか勝たん!状態なようで。もちろん、それが悪いとは言わないけど、前衛的なデザインはちょっと扱いづらいし、投機目的で買うのはロマンがないよなぁ、な〜んて思ったり。そこで、ビギンは誰もが安心して履ける"レトロ"に注目! だってスニーカーって毎日の歩みを支えてくれるものだし、何十年と愛され続ける定番やどこか懐かしい顔のスニーカーが、結局我らベーシック好きのワードローブには一番しっくりくるでしょ? え、レトロって古くさく見えない?的な心配も不要。たとえばレトロな要素をMIXしてモダンな顔つきにアップデートしたり、ソールだけ最新のエアに替えてみたり……。程よく"今っぽい"エッセンスが加えられた「新・レトロ」を選びの基準にすれば、時代も年齢も関係なくず〜っとカッコイイ♪ってわけで、ドドンっといっちゃいましょ! この記事は特集・連載「スニーカー 新・レトロ主義」#22です。
〈名場面登場モデルは今見てもやっぱりカッコイイ!〉
不朽の名機には時代を築いたカリスマとの蜜月エピソードが付き物。あの人は一体どんなスニーカーと寄り添っていたのか……。知られざる逸話を紐解けば、レトロもフレッシュに愛し抜けるはず。本人たちに直撃取材(※史実に基づいた妄想)してみました!
[2001年]フィデル・カストロ
×アディダス スーパーノヴァ
それまで軍服ひと筋だったキューバの革命家は、2008年に引退するとスポーツ好きが高じ、一転してジャージー愛を加速。とくにキューバの五輪チームの衣装をアディダスがスポンサードしたことから、同社の製品を身に着けて公の場に現れる姿が何度も目撃された。
A.大のスポーツ好きだから!
晩年は軍服も脱ぎ、ジャージ姿に
adidas[アディダス]
スーパーノヴァ
中足部のねじれをコントロールして安定性を向上させるために搭載された“トルションシステム”。カストロ氏は主にランシュー等に用いられるこの機能を備えたモデルを溺愛、演説の際にも着用。
[2003年]ネリー
×ナイキ エア フォース 1
2000年代にグラミーをはじめとする数々の賞を受賞して一斉を風靡した、アメリカ人ラッパー。ネリーのエア フォース 1愛は相当なもので、2002年には同作の名を冠した曲も発表。“店にあるすべてのAF 1を2足ずつ買って、お前を踏み付けにいくぞ”という歌詞をしたためるなど、公私ともに溺愛。AF 1好きなら絶対に聴いとくべし!
A.曲にするくらい!
エア フォース 1への愛を歌った「AIR FORCE ONES」
買える!
NIKE[ナイキ]
エア フォース 1
82年に誕生したナイキ エア初搭載モデル。ベーシックを極めたデザインで時代を超えて愛されている。1万2100円(ナイキ カスタマーサービス)
[2003年]スティーブ・ジョブズ
×ニューバランス 991
ジョブズといえばな、お決まりコーデ
意思決定からくる疲労を軽減するため、なんて合理的思考で、いつしか毎日同じ服装に身を包むようになったジョブズ氏。イッセイミヤケの黒タートルやリーバイス501と並んで、ニューバランスの900番台モデルを愛していたのは有名な話。天才も楽チン好きだったのかも。
A.服装を考えるのがストレスだったから
New Balance[ニューバランス]
991
2001年に発表された900番台屈指の人気モデル。ジョブズ氏は他にも990v2(1998年登場)や992(2006年登場)など、ニューバランスのフラッグシップたる900番台の機能派モデルを、晩年まで愛し抜いていた模様。参考商品。
[2004年]『アイ,ロボット』デル・スプーナー刑事
×コンバース LEA オールスター HI
2035年の近未来を舞台にしたSF映画の冒頭で、ウィル・スミス扮するスプーナー刑事のもとに通販で買ったレザーのオールスターが到着。祖母からそれを小バカにされた際、同作が公開されたのと同じ“2004年製のヴィンテージだぜ”、と誇らしげに語る姿に萌えたレトロ好きも少なくないはず。
A.2022年時点で中古価格2倍くらい
買える!
2035年には激レアヴィンテージ!?
CONVERSE[コンバース]
LEA オールスター HI
同年代のレザー製オールスターは、状態次第だけど現時点で古着市場では倍近い価格。2035年にはマジでヴィンテージに位置付けられるかも。1万450円(コンバースインフォメーションセンター)
[2005年]『ロード・オブ・ドッグタウン』トニー・アルヴァ
×ヴァンズ オーセンティック
70年代に米国西海岸のドッグタウンで結成された伝説的スケートチーム“Z-BOYS”。そのメンバーのなかでも随一のテクを誇るトニー・アルヴァは、水の抜かれたプールの壁から飛び上がり、スケートを平面から立体の世界へと進化させた。彼らの活躍を描いた2005年公開の映画でも、その革命的シーンがしっかりと描かれている。
A.俺が“飛んだ”のさ!
一世を風靡したZ-BOYS
買える!
VANS[ヴァンズ]
オーセンティック
トニーはこの最定番を溺愛。劇中でもトニー役のヴィクター・ラサックが、その蜜月関係をしっかり再現すべく、オーセンティックを履いた姿を披露している。6050円(ヴァンズ ジャパン)
※表示価格は税込み
[ビギン2022年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。