ミリタリー“ファッション”の起源とは? 名画や著名人で有名になったアイテム6選
名画で印象的なシーンに使われたり、著名人が洒脱に着こなす姿を披露し続けたりした結果、軍用品は今やすっかり日常の洒落着へと転身。ここではミリタリーをワークやアウトドアと並ぶファッションの一大派閥へと昇華する契機になった作品&人物を紹介します。
1.モッズの象徴たるM-51パーカ
『さらば青春の光』
モッズとは50年代後半から60年代中頃にかけて、英国ロンドンの若者たちの間で流行したファッションスタイルのこと。それを正確に描写した教科書的存在が、79年に公開された同作だ。タイトなアイテムの上に米軍の名作M-51パーカ、通称“モッズパーカ”を羽織るという、モッズの模範コーディネートが存分に拝める。
2.反戦の意味を込めた、あえてのユーティリティシャツ
ジョン・レノン
愛と平和の伝道師は反戦の意思表示のため、あえて公の場で軍用品を着用。とくに著名なのが、ビートルズを解散して米国に移住後、72年にオノ・ヨーコとともにNYのマディソン・スクエア・ガーデンで行ったライブでの装い。ポピュラーな米軍のユーティリティシャツを着用しながら平和を歌う姿に多くの人が心揺さぶられた。
3.M-65フィールドジャケットで戦闘モードに入る
『タクシードライバー』
名優ロバート・デ・ニーロが不眠症に悩むベトナム戦争帰りのタクシードライバーを熱演した、76年公開作品。血で血を洗うクライマックスのシーンで見せたモヒカンヘアー×M-65の狂気的スタイルは、主人公のやり場のない衝動を見事に体現。M-65をタウンユースのファッションアイテムに浸透させた立役者的存在だ。
4.日本においてもミリジャケブームを巻き起こしたG-1
『トップガン』
今年36年ぶりに続編が公開されることでも話題になっている、86年公開の名画。当時トム・クルーズ扮する主人公マーヴェリックのG-1スタイルに憧れるメンズが続出。ただレザーのG-1が高価だったことから、比較的購入しやすいナイロン製のMA-1にも人気が飛び火。まさに日本にミリタリージャケットを広めた草分け的存在。
5.ミリジャケonスーツに普及させたM-51パーカスタイル
『踊る大捜査線』
97年にテレビで放映されて以降、スピンオフも含めてたびたび映画化された、人気刑事ドラマ。既存の刑事モノにはない独特のユルさで話題を呼んだが、織田裕二扮する主人公・青島俊作が見せた、スーツ×米軍のM-51パーカというスタイルは、まさにその象徴! 通勤時に真似するビジネスマン、多かったよねぇ~(苦笑)。
6.ECWCS人気は菅田主導!?
菅田将暉
ひと昔前まではごく一部のマニアの間でしか通じなかった“ECWCS(通称エクワックス)”なんて言葉も、今や服好きの若者なら誰もが知る公用語に。そのキッカケは今をときめく菅田将暉さんとの説が有力。現代のカリスマがECWCSのプリマロフトジャケットをプライベートで着用し、その目撃談から若者に広く伝播したそうな。
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[ビギン2022年7月号の記事を再構成]文/黒澤正人 イラスト/TOMOYA