特集・連載
真夜中の太陽と呼ばれたコールマンのランタン
傑作アウトドア事典 Ato Z 老舗から新鋭まで読めばゼッタイ欲しくなるアウトドアブランドの傑作を一挙にご紹介! おまけにチルタイムのネタになりそうな傑作のウラ話もたっぷり♪だから、休日前に頭に叩き込めば「 そんなコト知ってるの?」な〜んて尊敬の眼差しもゲットできるかも!? この記事は特集・連載「傑作アウトドア事典 Ato Z」#03です。
Coleman(コールマン)
米軍も最重要物資に指定した明るさの圧倒的正義!
ヒトと灯りの歴史は古く、発祥ははるか紀元前まで遡ります。でも、太陽と並び称されるまでになったのはコールマンが有史上初めてでしょう。
1914年に同社が「アーク・ランタン」を発明するまで、行灯の主流は比較的取り扱いの楽な灯油のランプだったそう。電気の普及が遅れていた地方の農家のために開発されたこのランタンは、灯油より点火しやすいホワイトガソリンを燃料に採用。そのうえで農家を安心させたのが、ランタンが倒れてもガソリンがこぼれない安全な構造だったこと。
従来品とは比べものにならない明るさで日没後も作業がはかどり、「真夜中の太陽」と称されたのです。ちなみに、この構造には米軍も驚き、第一次大戦中には約7万個も供給されたとか。明るいは正義!!
往年の“赤”を纏った定番モデル
Coleman[コールマン]
286A ワンマントル ランタン(レッド)
’80年代からの定番品。本品番以前は琺瑯部が赤だったが、塗装液が禁止となり286Aからは緑に。近年、技術の進化で当時と近い色の再現が可能となり、待望の赤が復活! Φ16×H31cm。1万7800円(コールマン カスタマーサービス)
電気が普及していない地方の農作業に重宝された
目が悪くても文字がくっきり見える♪
W.C.コールマン
弱視に悩んでいたコールマン青年が、とある店先で大光量のランプに出会い、感動。光明を見出して貸ランプ業からスタート。
初の全天候型アーク・ランタン
1914年、「燃料タンク・光源部が雨風の影響を受けない」「取っ手付き」の屋外用ランプ=ランタンを考案!
全米のアウトドアで大ヒット!
第一次大戦後、クルマで移動する屋外レジャーがブームに。そこでもコールマンが大活躍。
ランタンマニアに聞いた!
人気のヴィンテージランタン3選
ガソリンランタンは完成度の高い構造ゆえ、何十年を経ても明るく灯る。そこがモノ好きの心をくすぐるのだ!
ランタンマニア
ビブラント二子玉川店 店長
中村優汰さん
①200A
1951~’83年に製造された名作。同じ誕生年月に製造されたバースデーランタンを愛でる文化の火つけ役。4万3780円(ビブラント二子玉川店)
②275A
ファンからチョコレートカラーと呼ばれる茶色が特徴。今日のキャンプシーンで人気の色ゆえ、注目度も高い。3万9600円(ビブラント二子玉川店)
③242B
200Aの1世代前で、同社初のシングルマントルランタン。スタイリッシュな真鍮×緑のコンビが人気だ。4万6200円(ビブラント名古屋店)
ガソリンだけじゃないぞ! 進化と多様化がスゴイ!
LED戦国時代のハイライト
ガソリンランタン以降の最大のエポックは、省電力で明るい白色LEDの普及! その足跡も照らしてみよう。
2008年
LED界の草分け的存在
Black Diamond[ブラックダイヤモンド]
アポロ
光束が広がりにくいLEDを拡散照射し、かつ地面から離して自立させるため宇宙船型を採用。写真は現行品。7920円(ロストアロー)
2010年
自然と馴染む暖色がヒット
Snow Peak[スノーピーク]
ほおずき
キャンドルのようなゆらぎと色調をあえて再現。くつろぎを求めるキャンパーの需要にマッチした。1万1000円(スノーピーク)
パネルをバラして単体で使える珍機構
Coleman[コールマン]
クアッド マルチパネル ランタン
光源を4つに分割でき「トイレまでの夜道、暗くて難儀問題」を解決。1万1800円(コールマンカスタマーサービス)
2016年
手のひらLEDをカスタムする人続出!
GOAL ZERO[ゴールゼロ]
ライトハウス マイクロフラッシュライト
サイズと明るさのバランスが最強で、シェード等をカスタムするトレンドが自然発生。4290円(アンバイ ジェネラルグッズストア)
2017年
大光量時代の新ヒーロー
LUMENA[ルーメナー]
ルーメナー7
200ルーメン程度だった照度を、メイン照明に足る1300ルーメンに引き上げた立役者。1万2100円(KMコーポレーション)
2018年
音と灯りの饗宴を実現
MoriMori[モリモリ]
LEDスピーカー
ガス缶ランタンを模しつつ、じつはスピーカーも兼備。小洒落たサイトを演出する。写真は現行品。1万4080円(フォレスト)
2020年
アンティーク風ランタンの真骨頂
Barebones Living[ベアボーンズ・リビング]
レイルロードランタンLED
レトロな外観が、これまた洒落たキャンパーに大評判。毎年、人気色は早めに完売してしまう。9680円(エイアンドエフ)
※表示価格は税込み
[ビギン2022年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。