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BULOVA ブローバのアーカイブスシリーズ ミルシップ

60年以上の時を経てアンダー9万円のカジュアルプライスで復活!

ダイバーズウォッチには数々の名品がありますが、このほどブローバ(1875年、ジョセフ・ブローバ氏により米・ニューヨークにて創業)の「アーカイブスシリーズ」から登場したコチラは、「幻の」とか「伝説の」と冠するにふさわしい名ダイバーズといえましょう。

ブローバは第二次世界大戦中、(他の米国時計メーカーと同様に)ミルスペック(米・国防総省が調達物資に対して定める品質基準のこと)の時計を製造し、自国軍に供給したのですが、その実績を買われ、戦後の1955年12月、NEDU(米海軍潜水実験隊)の潜水士が使用するダイビングウォッチの製作を依頼されました。そこで米海軍艦船局による水中時計用の契約仕様書「MIL-SHIPS-W-2181潜水用」に基づき開発されたプロトタイプを1957年5月に3本、翌年にさらに数本を完成させて納入。これらはNEDUによる実地テストにおいて、当時としてはかなり深い392フィート(約119.5m)までの深度テストをクリアし、「このような時計は見たことがない」と絶賛されたのです。

BULOVA ブローバのダイバーズウォッチ オリジナルモデル
写真は1957~’58年にNEDUに納入されたオリジナルモデル。独自の2ピース防水ケースバック、厚手の真鍮製耐磁ケースホルダー、17石の手巻きムーブメント、巻き過ぎ防止の独自クラッチ機構などを備えていた。

ところが、そのプロトタイプの最終承認を待つ間、なぜかブローバはこの時計の開発を中断し、別の開発を進行させてしまうのです。結果、プロトタイプはわずか数本のみの製作に留まったのですが、すでに納入されていた数本は海軍のダイバーらに支給され、実地で常用されたそうです。

と、そんな知られざる歴史をもつ伝説的プロトタイプが、ついに製品化されて現代に降臨。それが、ここにご紹介の「ミルシップ(MIL-SHIPS)」です。

本品の一番の特長は、6時位置に装備された「モイスチャーインジケーター」です。オリジナルモデル(写真下)にも搭載されていたこれは、ケース内部で高湿度が検知されると、色がライトブラウンからブルーへ変化するというユニークな機能です。また、ダイビンググローブを装着したままでも操作可能なプッシュロック式両回転トップリングも忠実に再現。いっぽう、ムーブメントは手巻きから自動巻きに変更され、日常でもより使いやすい仕様となりました。

ダイバーズウォッチ黎明期だった1950年代を彷彿させるレトロでクラシカルなデザインはイマの視点からとても新鮮でカッコよく、誕生秘話など語れるウンチクもあり、かつ実用的という、時計好きにとって美味しすぎるエッセンスがギュウ詰めされたブローバの、この新作。機械式でありながら、お値段は税込みで8万8000円という良心設定も加わって、ウレシさもギュウ詰めです!

BULOVA ブローバのアーカイブスシリーズ ミルシップ 裏ブタ

裏ブタに「BULOVA」のロゴや「PROTOTYPE 1957」などの刻印とともに送気式潜水(Surface-supplied diving)用ヘルメットのレリーフが描かれている。ちなみに送気式潜水は19世紀前半に開発され、古くから行われてきた潜水法で、船舶などに設置された水上のコンプレッサー、あるいはタンクからホースを通じて供給される空気を利用して潜水を行うというものだ。

ブローバの
「アーカイブスシリーズ ミルシップ」

駆動方式:自動巻き
防水性能:20気圧
ケース径:41mm
ケース素材:ステンレススチール
バンド素材:ナイロン(NATOストラップ)
価格:8万8000円

問い合わせ先/ブローバ相談室 ☎ 0570-03-1390
https://bulova.jp/

※表示価格は税込


文/山田純貴

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