特集・連載
エコへの探求心が生んだフリースの現在最高形! パタゴニアのシンチラアノラック
秋の傑作モノLIST ここ一年の読者アンケートで人気上位となったブランドから“今欲しい”目線で傑作モノを抽出し、厳選してご紹介いたします! 今、Beginの考える“傑作モノ”の条件とは、①グッドデザイン、②グッドクオリティ、そして③グッドプライス。さ~て、アナタがこの秋“欲しい”ナンバー1は何ですか? この記事は特集・連載「秋の傑作モノLIST」#03です。
新チラ出没!
パタゴニアのシンチラアノラック
毎年、肌寒くなる頃にはもう売り切れ……(涙)なパタゴニアのフリース。いろんな種類がありますが、特に人気の高いフリースの元祖=シンチラの新作アノラックが出たんです! ……というだけでもすでに事件なんですが、今作は街着としてのIQが鬼高。
まずはこのヒネリの利いたデザインですよ。これは定番シンチラフリースの“端切れ”をうまく継いで形作られたもの。環境にやさしい思想もさることながら、パネリングの妙によって、定番フリースが新鮮に! 特にのツートーンやクレイジーは、“端切れ”だからこその斬新デザインです。
もちろん、軽くて肌触りもフワフワで、保温性も十二分。しかも、同ブランドの他のフリース製品よりゆったりめに設計されているから、ざっくり着られて今っぽい! ……と、機能も着こなしも弱点なし。人気モノゆえ他人とカブりやすい、という唯一の弱点も解消されています。
サステイナブルの旗手がその信念を貫いたがゆえに生み落とされた、かつてないシンチラ。暖冬の昨今なら真冬まで着られて、長〜く使える新傑作です。
“端切れ”から生まれたかつてないデザイン
patagonia[パタゴニア]
シンチラアノラック
お馴染みのタグは左胸ではなく、ジッパータブに。フロントサイドのポケットでハンドウォームできるのがさりげに便利で、フロント中央のポケットは携帯を入れるのにちょうどいい大きさだ。4色展開。各1万9800円(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)
ざっくり羽織るだけで今っぽいフリースの“元祖”
ジャクソン マティスのTシャツ7480円(ハンドイントゥリーショールーム) イカイのジーンズ3万800円、ユナイテッドアローズの帽子4950円(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)
[ところで…シンチラって何が凄いの?]
1976年、フリースを“発明”したのはパタゴニアなのだ
アラスカ・デナリ峰登頂を果たし、祝杯をあげる創業者のイヴォン・シュイナード氏(イラスト右)。シンチラフリースの起源となるパイルジャケットを自ら身に着けていた。
時は’70年代中頃。水に弱い天然素材で作られた衣類が主流だった当時、シュイナード氏が、北大西洋の漁師が着ている化学繊維のパイルセーターに着想を得て、便座カバーにも使われていたパイル素材でジャケットを製作。
上のイラストのとおり、本人もフィールドで身に着けていた。これを進化させて’85年に誕生したのが、柔らかくて保温&速乾性に優れ、毛玉にもなりにくいフリースの始祖、“シンチラ・フリース”なのだ。
ちなみに「シンチラ」とは、石油由来の化学繊維を表す“シンセティック”と、南米の山岳地帯に住む動物“チンチラ”を合わせた造語。
定番
patagonia[パタゴニア]
ライトウェイト・シンチラ・スナップT・プルオーバー
定番好きにとっては、やっぱりこのスナップTも外せない傑作。ライトウエイト版と言えども、持ち前の“暖かくて気持ちよくて丈夫”は不変。1万4300円(パタゴニア日本支社 カスタマーサービス)
※表示価格は税込み
[ビギン2021年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。