特集・連載
みんな大好きクラークスはストリートのUK文化財だ
クラークスが好きでたまらない スニーカーはちょっと飽きた。でも、すぐには革靴に戻れません(涙)。そんな気分の今、注目が集まるのが“元祖”カジュアル革靴のクラークス。代表モデルのデザートブーツが誕生したのは1950年。英国陸軍に従軍していた4代目のネイサン・クラーク氏が、非番の将校が履いていた、カイロのバザールで作られたラフなスエードブーツからヒントを得てデザイン。ドレス靴かワーク靴しかなかった当時、その中間を行くカジュアルな革靴は画期的だったんです。発売当初は“風変わり”なんて酷評されましたが、'60年代に北米でヒット。以来、世界中で2000万足超(!!)も売れているんです。さあ、みんな大好き♡なクラークスを、定番から最新作までレッツスタディ! この記事は特集・連載「クラークスが好きでたまらない」#01です。
古今東西、いったいどれだけの人々がクラークスの虜になったのだろう? 英国の不良やロックスターから米国トラッドな文化人、レゲエの新鋭まで、み~んなクラークスLOVE♡ こんなに懐の深い靴って他にある?
’60年代の英国モッズはデザートブーツがお好き
歴史を振り返ると、まず’60年代に英国のモッズたちに浸透。映画『さらば青春の光』でも、M-51にデザートブーツを合わせ、スクーターに跨るモッズの姿が描かれています。
Quadrophenia『さらば青春の光』
Clarks[クラークス]
Desert Boot
ドレス靴への反骨心からモッズが取り入れ、ダンスをする時も履いたデザートブーツ。映画でも登場人物の多くが着用。2万5300円。
’90年代を代表するUKロックスター御用達
次のブームは’90年代のブリットポップシーン発。オアシスのギャラガー兄弟やザ・ヴァーヴのアシュクロフトは、ベーシックな着こなしにクラークスがお好みでした。
oasis
Liam Gallagher(リアム・ギャラガー)
Clarks[クラークス]
Desert Trek
英国製だからイイ!と英・タイムズ紙の取材で答えるほどの溺愛っぷり。自身のブランドではコラボモデルも製作した。2万5300円。
The Verve
Richard Ashcroft(リチャード・アシュクロフト)
Clarks[クラークス]
Wallabee
1000万枚超の大ヒットとなったザ・ヴァーヴのアルバム『アーバン・ヒムス』。普段着で写ったボーカルの足元はワラビー。2万5300円。
お洒落カリスマのトラッドな足元はいつも……
最近だと、米国のお洒落カリスマ、ウェス・アンダーソン監督が有名。テーラーで仕立てたコーデュロイスーツにワラビーというスタイルが印象的です。
Wes Anderson(ウェス・アンダーソン)
Clarks[クラークス]
Wallabee
現代アメトラのカリスマでもある監督の足元にいつもワラビー。コーデュロイのスーツと合わせるのがトレードマークだ。2万5300円。
クラークスをテーマにした曲がジャマイカでヒット!
意外なところでは、ジャマイカのレゲエ界。2019年、クラークスへの愛を歌い上げたジャーヴィラーニの曲が大ヒット!
Jahvillani(ジャーヴィラーニ)
ジャマイカの新星は、MVでウィーバーなどを着用。英国統治下だったジャマイカでは新品のクラークスを履くのがステータスなのだ。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年10月号の記事を再構成]写真/木村武司 文/編集部 スタイリング/宮崎 司(CODE) イラスト/TOMOYA