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洒落者たちの愛用器をリサーチした結果、最大派閥だったのが民藝品。和を尊ぶ日本人の心に馴染む歴史ある器たちを、デイリーユースする。その魅力を熱弁していただきました。
 

愛用器を紹介してくれたのは

和田健二郎さん

ビームス スタイリング ディレクター 和田健二郎さん

アジアからアフリカまで幅広い民藝品を一緒に並べながら、ビームス得意のミックススタイルで調和させているセンスマン。九州帰省時は馴染みの窯元を巡り、特注品をオーダーすることも。

「毎日使うモノだけにやっぱり和柄が落ち着くんですよね」―和田さん

やちむんと小鹿田焼の器
小鹿田焼(左)、やちむん(右)の器(ビームス ジャパン/フェニカスタジオ)

結婚する約20年前までは「食べられれば器なんてなんでも同じ。正直まったく興味がありませんでしたね」と笑う和田さん。

「結婚した当初はフェニカなどに行っていろいろなジャンルの器を物色していたんですが、そのうちにどんどん和食器の奥深さにハマって、最近では窯元を訪れて直接作家さんから購入することも多くなりました」。

「とくに気に入っているのが、やちむんと小鹿田焼。僕も妻も九州出身なので、南の風土に郷愁を誘われたのかもしれません」。ともに歴史深い民藝品。共通点も多いそうで「やっぱりただ眺めるだけの骨董品としてではなく、日常生活でガシガシ使いやすい、厚手のものが多いのも魅力」。

癒しメシ 和田家の夕食の様子
インスタの“#癒しメシ”では、和田家の夕食の様子も公開中!

「あとはもちろん、ユニークな色使いや染色技法も惹かれるところ。やちむん特有の味わい深い色使いや、飛び鉋という技を駆使した小鹿田焼ならではの柄は、どちらもキレイすぎずほんのり土臭さを感じる。だから和食にも馴染むし、心が落ち着いて、毎日眺めても飽きないのかもしれませんね」(和田さん)

Yachimun[やちむん]

Yachimun やちむん

沖縄の言葉で“焼物”の意。その歴史は薩摩に招かれていた朝鮮の陶工から製陶法が伝わった1616年からスタートしたといわれている。普段使いに適したポッテリ厚手の器が特徴だ。

Onta-Yaki[小鹿田焼]

Onta-Yaki 小鹿田焼

1705年に小石原焼の陶工を、大分県日田市に招いて開窯。以来300年以上にわたって一子相伝で守り続ける技法は、重要無形文化財。飛び鉋や刷毛目といった装飾技法にファンも急増中。

Onta-Yaki 小鹿田焼
制作した作家の個人名は掲げないため、底には“小鹿田焼”の印が。共有の工芸品として継承されているのだ。

 

「伝統技法と素朴で温かみのある雰囲気にワタシも魅了されました」

柳 宗悦
柳 宗悦

無名の職人が作った民衆的工芸品に“用の美”を見出し、民藝運動を起こした思想家。1931年には小鹿田を訪れ「日田の皿山」という文章を著した。

好きが高じて……家中民藝だらけ(驚)!

やちむんと小鹿田焼の器

なんと大正末期から昭和初期にかけて作られた、年代物の水屋箪笥を食器棚として活用。数百枚ある器たちとも相性バツグン♡

やちむんと小鹿田焼の器 民藝ハウス

各地に伝わる焼物を広く愛用している和田さん。なんと洗面台のボウルまで、懇意にしている小鹿田焼の作家さんに特注! 薩摩切子のグラス類も山ほど収集している他、海外の工芸品まで広く網羅している、まさに民藝ハウス!

やちむんと小鹿田焼の器 民藝ハウス

やちむんと小鹿田焼の器 民藝ハウス
 
※表示価格は税込み


[ビギン2021年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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