特集・連載
トーネット革命によるインテリア史の幕開け
インテリア傑作家具のB面年表 家で過ごす時間が増えた今、置いとくだけでサマになる傑作インテリアが気になる!って、どうやって生まれたの? 誰が作ったの? そもそも傑作たる所以は? 傑作インテリアの裏側にあった、知られざるエピソードにフォーカス。今欲しい正統が学べる、裏話年表をとくとご覧あれ! この記事は特集・連載「インテリア傑作家具のB面年表」#01です。
産業革命以降、工業の発達進むヨーロッパでは人々が都市に集中して住むように。そこで大量に必要とされたのが家具でした。それまで地元の木工職人が細々と手作業で作っていましたが、それでは供給が追いつかず大量生産の時代へとシフトしていったのです。
[1859]現代に通じる世界初の曲木技術が家具作りを変えた!
THONET[トーネット]
No.214
ビーチ材を高温で6時間蒸し、職人が手作業で型にはめて成形。トーネットが生涯をかけて発明した曲木技術は、大量生産を可能にし、組み立て式ゆえ長距離輸送もOK。家具作りを飛躍的に進歩させた革命的一脚なのだ。W43×H84×D52cm。13万1000円。(ヤマギワ)
Country:ドイツ
トーネットが生涯をかけて発明した曲木技術
ミヒャエル・トーネット
[1902]座るためではなくガウンを掛けるための寝室チェア
Cassina[カッシーナ]
ヒルハウス,1
スコットランド出身デザイナーの作は、高い背もたれが特徴。W41×H140×D35cm。35万2000円。(カッシーナ・イクスシー青山本店)
Country:イタリア
チャールズ・レニー・マッキントッシュ
[1907]カメラ三脚や舞台照明を家用に大胆アレンジ!?
Pallucco[パルッコ]
フォルチュニ
斬新な形状の照明は写真家や舞台演出家の顔も持つスペイン人デザイナーの作。W93.5×H190~240×D82cm。79万円。(ルミナベッラ)
Country:イタリア
マリアノ・フォルチュニ
[1914]モダンデザインの父による美術鑑賞のための傑作チェア
CARL HANSEN & SØN[カール・ハンセン&サン]
KK96620 フォーボーチェア
美術館の鑑賞用チェアは18脚が現役。W70×H73×D55cm。36万5000円~。(カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストア東京)
Country:デンマーク
コーア・クリント
[1925]意外な発想で世界初を成し遂げたモダンチェアの源流
Knoll[ノル]
チェスカチェア(上)
ワシリーチェア(下)
まだ木製家具が主流だった当時、バウハウス出身のハンガリー人デザイナーがスチールパイプに着目。曲木と同じくらい革新的なパイプ曲げの元ネタは、当時最新鋭だったアドラー社製自転車のハンドルなんだとか! W79×H73×D69cm。32万9000円。(ノルジャパン)
Country:アメリカ
元ネタは、当時最新鋭だったアドラー社製自転車のハンドル
マルセル・ブロイヤー
[1926]“近代照明の父”が苦労を重ねデザインし続けた名シリーズ
Louis Poulsen[ルイスポールセン]
PHランプ
技術の日進月歩著しい時代、次々発明される電球の形に苦心し、ヘニングセンは生涯で200超えの光源が眩しくないランプを考案。最高傑作「PH5」への架け橋となった。写真は「PH3/2ペンダント」。Φ29×H24.2cm。9万1000円~。(ルイスポールセンジャパン)
Country:デンマーク
ヘニングセンは生涯で200超えの光源が眩しくないランプを考案
ポール・ヘニングセン
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年12月号の記事を再構成]文/編集部 イラスト/TOMOYA