特集・連載
そもそもジャパンブルージーンズってなんでこんなにコスパがいいの!?
JAPAN BLUE JEANS[ジャパンブルージーンズ]の教科書 この記事は特集・連載「JAPAN BLUE JEANS[ジャパンブルージーンズ]の教科書」#11です。
岡山県の児島地区。瀬戸内海にほど近い土地は塩分を多く含むため稲作に向かず、その代わりに綿花栽培、繊維産業が発達したといわれています。今や日本が世界に誇るデニムの名産地となった児島で、デニムの新たな可能性を模索し続け、ひときわ注目を集めるのがジャパンブルージーンズです。世界一エシカルなデニムへの挑戦、コートジボワールコットンへの取り組み等、e-Beginでもこれまでさまざまお伝えしてきましたが、今回はそんなジャパンブルージーンズのルーツを紹介します。
1万5000円前後で手に入る無骨で今どきな看板シリーズ
ジャパンブルージーンズの定番といえば、「カーブベルト」によって腰回りのフィット感を飛躍的にアップさせた「サークル」シリーズ(以前の紹介した記事はこちら)。「クラシックストレート」「ストレート」「テーパード」「スキニー」の4つのシルエットから選べる同シリーズは名実ともにジャパンブルージーンズの顔。もちろん岡山デニム&岡山製。それでいて1万5000円前後って、ちょっとお得過ぎでは!? この抜群のコスパにもジャパンブルージーンズの生い立ちが関係していたんです。
児島クオリティを受け継ぐテキスタイルメーカーがルーツ
ジャパンブルージーンズが生まれるきっかけとなったのは2000年代後半に遡ります。当時、後にジャパンブルージーンズを手掛けるコレクト(現在の社名はジャパンブルー)は、旧式の力織機による児島クオリティのデニム生地を手掛けるテキスタイルメーカーでした。国内ではそれなりに人気でしたが、海外ではまだまだ認知されていなかった児島デニム。同社は、手掛ける日本製デニムの売り込むため、海外で行われる展示会に積極的に参加していたといいます。そんななか出展したフランス・パリでの展示会でイタリア人デザイナーから予想外の打診を受けます。
「これ、売ってくれない?」
日本生まれ、ヨーロッパ育ちの国産ジーンズ
それはテキスタイルメーカーとして出展していた同社が、デニム生地の参考商品として並べていたサンプルのジーンズでした。その後も同様の問い合わせが続き、それならばとテキスタイルメーカーとしてではなく、日本のデニムブランドとして、ヨーロッパで勝負することを決意します。そうして誕生したのがジャパンブルージーンズだったというワケ。とはいえ、そこはファッションの本場ヨーロッパ。それまで日本で展開していたクラシックなストレートシルエットよりも、ファッションコンシャスなスキニーやテーパードの利いたスタイリッシュなものが求められました。試行錯誤を繰り返し、日本のデニム作りとヨーロッパにハマるにシルエットやフィット感を追求していったのです。
ヨーロッパ市場でのニーズに応えるため、児島デニムに洗練デザインを掛け合わせたジャパンブルージーンズは、順調に人気を拡大。今では欧州各国の感度の高いセレクトショップを通じて多くのファンを獲得しています。
ブランドの立ち上げ、欧州市場への進出から1年後の2012年。ジャパンブルージーンズは、いわば逆輸入的に日本国内でも販売をスタートします。ヨーロッパ的なシルエットを備えた異色のジャパンデニムブランドとして、国内でもジワジワと人気を拡大。圧倒的なコスパのよさも支持を集め、今日では日本を代表するジーンズブランドの一つとなったというワケです。
岡山デニム&岡山製、なのに1万5000円前後の正体
コスパがいい理由は、単にもともとがテキスタイルメーカーだから、だけではありません。ジャパンブルージーンズは、ヨーロッパの人たちに日本の本格的なジーンズの良さを「まずは手にとって知ってもらいたい」という思いで立ち上げられたブランドです。そのため、そもそも欧州市場での価格設定もかなり攻めて(抑えて)いるんです。それが実現できたのは、地元・岡山の工場と職人さんたちがその思いに賛同し、一体となってジャパンブルージーンズのデニム作りに協力してくれたから。コレクトがスタートした1992年から、市況がいいときも悪いときも、常に一緒に考え、乗り越え、成長してきた、絆の証左とも言えるんです。そんなジャパンブルージーンズを、関税もなく、輸送コストもかからない国内で買えば、そりゃお得に決まってますよね。
「サークル」シリーズ
ウエスト部分のベルトを曲線に設定し、さまざまな動きに快適フィットする「カーブベルト」を採用した定番シリーズ。クラシックストレートやストレート、テーパードやスキニーと4種のシルエットをラインナップし、それぞれのシルエットにコートジボワール綿、アメリカ綿、アフリカ綿、アメリカ×オーストラリア綿の4種の素材を展開する(スキニーはアフリカ綿、アメリカ×オーストラリア綿のみ)。素材の特性を知り尽くしている同社ならではの看板商品だ。1万4000円~。詳しくはこちら。
問い合わせ先/ジャパンブルー
☎ 086-486-0002
https://www.denimlabo.com/c/japanbluejeans
※表示価格は税抜き
文/編集部