ネイティブアクセサリーの世界では、技法や作風が子孫や親族に伝承されることがしばしば。もちろん憧れの巨匠もいいけど、視点を変えて2世アーティストを狙うのも賢明な選択です。価格も手頃な場合が多いしね!

JENNIFER CURTIS ジェニファー・カーティス バングル、リング TRENT LEE ANDERSON トレント・リー・アンダーソン ブレスレット ORVILLE TSINNIE オーヴィル・ツィニー バングル

伝統に、新しい色がのぞくのも面白い!

例えばジェニファー・カーティス。父の故・トーマスは、力強く芸術的なスタンプを打ち込むナバホの巨匠。スタンプを打つたがねは彼が自作したもので、ジェニファーはそうした工具を受け継いで製作しています。つまり彼女の作品にも巨匠の魂が宿るってこと。

また女性らしい繊細な色もあり、すでにネイティブ好きを虜にするスタイルを確立。先代の作風を土台にしつつ、そんな自分らしさが加わった作品が魅力なのです!

一方でトレント・リーのように、伝統の技をアレンジして、モダンなデザインに昇華させる気鋭の若手も大注目。また息子や親族が一丸となり、巨匠オーヴィル・ツィニーの名を残してジュエリーを継承するパターンも。ファンにとっては、胸アツな嬉しい話っス。

そして作品の受賞歴が浅いことから、まだリーズナブルな傾向も。未来の巨匠を指名買いして、先々に鼻を高〜くしちゃいましょ!

女性らしい繊細かつ芸術的なデザイン

JENNIFER CURTIS ジェニファー・カーティス バングル、リング

JENNIFER CURTIS[ジェニファー・カーティス]
バングル、リング

デザインはナバホラグからインスピレーションを得たもの。これも父・カーティスから踏襲したデザイン。ナバホの力強さと女性らしい繊細さが同居する作品だ。ともにビームスプラス別注。バングル3万2000円、リング2万5000円。(以上、ビームス プラス 原宿)
 

父から受け継いだナバホラグのモチーフ

ナバホラグのモチーフ
 

2世アーティスト ジェニファー・カーティス

ジェニファー・カーティス
 

先代 トーマス・カーティス

TRENT LEE ANDERSON トレント・リー・アンダーソン ブレスレット

かつてはロデオチャンピオンだったナバホの巨匠。深くはっきりしたスタンプワークと、美しい鏡面仕上げが真骨頂だった。娘のジェニファーがジュエラーになったことを、とても誇らしく思っていたそう。

若い感性が炸裂するダイスビーズ

TRENT LEE ANDERSON トレント・リー・アンダーソン ブレスレット

TRENT LEE ANDERSON[トレント・リー・アンダーソン]
ブレスレット

伝統のナバホパールを大胆にアレンジした、ダイスビーズのアクセサリーが代名詞。20代ながら2017年のアートマーケットで、ジュエリー部門1位に輝いた。パールよりもエッジの利いた、モダンな印象だ。ビーズは1つ1つ手作りしたものだ。8万円。(ロングブランチ)
 

丸型のナバホパールをモダンなダイスビーズに

ダイスビーズ
 

2世アーティスト トレント・リー・アンダーソン

トレント・リー・アンダーソン
 

先代 アリソン・リー・アンダーソン

アリソン・リー・アンダーソン

ナバホ族伝統のトラディショナルスタイルのアーティスト。息子のトレントに、12歳の頃よりジュエリー作りを教えていたそう。トレントが20代で一躍脚光を浴びたのも、氏の英才教育ゆえだろう。

先代の魂を絶やさず継承する

ORVILLE TSINNIE オーヴィル・ツィニー バングル

ORVILLE TSINNIE[オーヴィル・ツィニー]
バングル

オーヴィルの名前と作品を、その魂とともにファミリーが引き継いだ。先代らしいヘビーゲージシルバーを使い、チゼルのみのスタンプをプラス。1900年代初頭を彷彿させる、オールドスタイルデザインだ。ともにビームスプラス別注。各5万円。(ビームス プラス 原宿)
 

オールドスタイルな深いチゼルワークも見所

チゼルワーク
 

2世アーティスト マーヴィン・ツィニー

マーヴィン・ツィニー
 

先代 オーヴィル・ツィニー

オーヴィル・ツィニー

長く愛用できる、厚く重いアクセ作りを信条とした、ナバホきってのヘビージュエラー。熟練のハンマーワークで打ち曲げたグラマラスなフォルム、美しく磨き上げた作品は男女ともに支持が厚かった。

ロングブランチ森田氏に聞く
まだまだ! 受け継がれるDNA

ロングブランチ森田氏

ビギンのネイティブアクセサリーのご意見番、森田さんによれば、「まだ流通数は少ないのですが、じつはこんな巨匠の2世作家たちもデビューしています」。こりゃ覚えとかないと!

ネイティブ好きが唸るビッグネームにも……!


先代 ペリー・ショーティー

まだまだ現役のペリー・ショーティーですが、後継者として、息子のクウェイドにジュエリー作りのイロハを教え込んできたそう。


先代 ジェイソン・タカラ

引退の噂も囁かれたホピの名匠ジェイソン・タカラ。森田さんの最新情報によると、幸いにも活動継続の意欲を見せているそう。そのタカラJr.も作品を手掛け始めているとのことで、将来性に注目。出会ったら狙い目かも!?

森田洋司さん

ロングブランチ 代表
森田洋司さん

東京・広尾のネイティブジュエリーショップ、「ロングブランチ」のオーナー。米国を足繁く訪れて買い付けを行うため、フレッシュな情報にも精通する。

 
※表示価格は税抜き


[ビギン2019年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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