奥深~いミリタリー由来定番コートのディテールや歴史を学んでみよう
コートも例外ではなく、ミリタリー由来の定番アウターがあります。ディテールや歴史を学べば、定番を見る目も鍛えられます!
トレンチコートのベルトはハンガーラックだった!?
手榴弾を提げるためのDカン付き。短刀やナイフを装着。
第一次大戦中に英国軍が開発したトレンチコート。特徴はなんといってもウエストのベルトです。ただいわゆる“ベルト”ではなく、軍服ならではのハンガーラックといえます。
というのは、ベルトに短刀や手榴弾などの武器を提げていたから。Dカンがあるのもそのためで、トレンチのハードボイルドな雰囲気はこうしたディテールがあるからなんですね。
細部にミリタリー機能たっぷり
①ライフル銃撃の衝撃を和らげるガンパッチ/②風の侵入を防ぐスロートタブ
1914年頃誕生
TRENCH COAT
防水性に優れたギャバジンを使い、寒冷で泥水のたまった
ピーコートは13スターボタンこそ海軍が誇る一等星
マボロシ~の名品として知られる、米海軍の尊厳が宿る1910~’30年代のピーコート。目印は13の星が刻まれた13スターボタン! そう、13の星は米国独立時の州の数を表す国章から。
さらに鎖が絡んだファウルアンカーのデザイン、サイズも大ぶりで存在感も抜群です。当時は10ボタン仕様でしたが、後に簡素化がすすんで8ボタンが主流となりました。
サーティーンスターとも呼ばれる名作
13スターボタン時は10個のボタンを装着
17世紀頃誕生
PEA COAT
オランダの漁師が着ていたコートが起源といわれる。米海軍では18世紀初頭から採用されていたとか。1940年代から簡素化され、軽量なメルトンに。13スターボタンも廃止された。
北欧の漁師お墨付きに軍もまんまと釣られた!?
ダッフルコートはもともと、北欧の漁師が愛用していたもの。防寒性が高く、水を弾く厚手のウールメルトンが理に適っていたんですね。するとこれを気に入った英国海軍が、大戦時にガッツリ発注。
でも大戦が終わって余剰在庫を抱えると、これが一般に放出。さらに米国や日本など海外にも渡り、我々もダッフルコートを愛用できるようになったんです。
英国海軍が惚れ込み一般にも流出
手袋をしたままでも着脱しやすいトグルボタン
17世紀初頭誕生
DUFFEL COAT
もとは北欧の漁師たちの作業着。19世紀の南極大陸探検で英海軍共用の装備品として好評に。モンゴメリー将軍も愛用し、愛称モンティがグローバーオールのモデル名となった。
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。