チューダーのブラックベイ P01は知る人ぞ知る幻の軍用時計だった!
昨年、チュードル改めチューダーとして日本に再上陸。注目が高まるなか、今春とあるモデルが登場しました。かねてからのファンも、んん?チュードルサブ? でもなんか違う……、と目を見張るこちら。じつは半世紀を経て日の目を浴びる、幻の軍用時計なんです。
世に出なかったプロトタイプモデルを再現
兄貴分のロレックスと同じ、高い防水性を誇るオイスターケースを採用していたチューダー。その実力が認められ、’50年代から米国海軍にダイバーズウォッチを供給していました。
そして1967年、それまで提供していたチューダー オイスタープリンス サブマリーナーに代わるダイバーズウォッチの開発をスタート。米国政府によって取り決められた基準を満たす、過酷な環境下でも耐えうる腕時計の開発は、「コマンドー」というコードネームで進行しました。
そして4時位置のリューズや、ベゼル回転防止機能を持つエンドリンクシステムを開発、特許も出願し、完成しましたが製品化はされず。一説にはちょいテクニカルすぎたようで……。
その最初のプロトをベースにしたのが、今作。重厚なヒンジ付きエンドリンクにレザーとラバーを用いたベルトを使い、ブラックベイのなかでも、モノ好きをくすぐりますよね!
TUDOR[チューダー]
ブラックベイ P01(径42mm)
’60年代後半に開発されたプロトタイプをベースに、現代的なアップデートをプラス。搭載ムーブはマニファクチュールキャリバーMT5612。ベルトはラバーベースにレザーをあしらったハイブリッドストラップを使用。自動巻き。SSケース。(予価)38万7500円。※秋発売予定(日本ロレックス)
’50年代からアメリカ海軍に時計を供給したチューダー
’50年代に提供していたモデル
オイスターケース採用のチューダーは海軍用としても評価を受けた。1950年代からは米国をはじめ、各国の海軍に時計を供給していた。
’60年代に入り、新たなダイバーズウォッチを開発
写真上は当時のプロトタイプ。12時位置にある新開発のエンドリンクが特徴的。ケースとベルトの隙間をカバーしていた。プロジェクトのコードネームは「コマンドー」。挑戦的な計画だったが定番化はしなかった。
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。