特集・連載
人気はレアものから海外ブランドへ! 平成9〜11年に流行ったモノコト
平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP! 「平成」直前の1988年に創刊したビギンの歴史=「平成」のオトコのブツ欲史そのもの!と言っても過言じゃありません。間もなく「令和」スタートで、気分も新たに……のその前に、平成が生んだあんなヒットやこんなヒットを大総括。アラウンド40世代のサブカルレジェンド、漫画家の渋谷直角さんにも参戦してもらい、思わず“懐っ”な各時代のチャンプを勝手に決定(笑)いたします! この記事は特集・連載「平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP!」#04です。
人気はレアものから信頼の海外ブランドに
少年犯罪や警察の不祥事が社会問題となった平成9~11年。街ではルーズソックスを穿いて歩く女子高生やコギャルの進化系であるヤマンバギャルの姿をよく見かけるように。
平成11年には携帯電話とPHSの加入台数が5000万台を突破し、歩きながら通話をする人が珍しくなくなった。
ファッションでは、平成6~8年に盛り上がりを見せたドメブラのレアもの崇拝やヴィンテージ人気はいったん落ち着き、代わりに海外の有力ブランドが台頭。
ビギンのバックナンバーを見ると、ラベンハムのキルティングジャケットやイームズのチェア、パネライの時計、シルバノ・マッツァなど一世を風靡したブランドがずらり。
経済不況が続き、価格高騰と値落ちが激しいレアもの事情にも食傷ぎみ。そんな世相を反映してか、買い物はコンサバ志向に。間違いのない定番モノへの志向が高まった。
でもって、ノストラダムスの大予言はとりあえずハズレ。よかった、よかった。まだまだ平成は続く。
ビギンが選ぶ平成チャンプ!
アウター界の勝手にCHAMP!
ラベンハム キルティングジャケット(平成9年)
Begin 1997年2月号
オンオフ兼用アウターの元祖がこの年ブレイク
当時のビギン編集部員の証言によると、ビームスのパーティで10人に7人がこのアウターを着ていたとか! いや、当時の街を見てもたしかにそう(笑)。上品で暖かく、オンオフ使えて価格もお手頃とくれば、人気が出るのはトーゼン。今も昔もお洒落ビジネスマンのアイコンだ。
家具界の勝手にCHAMP!
イームズ(平成9年)
部屋イバリ最強の名作チェアが人気爆発
服だけでなく部屋もお洒落にしたいという気運が高まったこの時期、脚光を浴びたのがイームズのシェルチェア。ブランド力もさることながら、座り心地も快適で、アメリカンな部屋にも欧州的インテリアにもマッチ。服好きとインテリアをつなげた功績も大きい。
Begin 1997年12月号
腕時計界の勝手にCHAMP!
パネライのデカ厚(平成9〜10年)
Begin 1998年10月号
デカ厚時計ブームの先駆けとなった名門
この年1936年創業のイタリア海軍御用達のブランドはカルティエ率いるヴァンドームグループの傘下に入って復活、日本上陸を果たした。径44mmの大型ケースと無骨なリューズは定番に飽きていたファッション業界人にも大ウケ。後のデカ厚時計ブームのはしりとなった。
デザイナーズデニム界の勝手にCHAMP!
サンローランジーンズ(平成10年)
欧州的なデザイナーズデニムが旬に!
この時期、レプリカジーンズに代わって人気を博したのがデザイナーズデニム。数々のメゾンがジーンズラインを発表するなか、一番人気はサンローランジーンズ。ちょっぴりスリムなリジッドデニムは、レプリカジーンズとはひと味違った洗練と品を漂わせていた。
シューズ界の勝手にCHAMP!
シルバノ・マッツァ(平成11年)
現在隆盛を極めるレザースニーカーのご先祖様
ドレス靴ばりに上品で、履き心地はスニーカー並み。そんなシルバノ・マッツァのレザースニーカーがブレイク。スラックスにもデニムにも合うからオンオフ兼用という点もビジネスマンに大ウケ。約5万円にもかかわらず、ショップでは入荷即完売が続いたそうな。
Begin 1999年1月号
渋谷直角さんが選ぶ平成チャンプ!
渋谷直角さん
【平成前期は青春ど真ん中世代】
平成元年は、コロコロ少年を卒業したばかりの13~14歳だった現43歳。本誌の連載『リバイバー竜』でもお馴染みの渋谷直角さんも参戦。ファッション&カルチャーからオカルトまで、平成前期(主に’90年代)にどっぷり浸った、平成サブカル界のレジェンド漫画家だ。
ナナメ掛け界の勝手にCHAMP!
ポーター ウエストバッグ(平成9年)
他人とカブッてもポーターだけは恥ずかしくなかった
ドラマ『ラブ・ジェネレーション』で使われたことで一気にブレイク! 「ポーターはみんな背負ってたけど、腰に巻いてる人はいなかった。必ずナナメ掛け。ポーターだけは他人とカブっても恥ずかしいと思わないんです。そんくらい便利で軽くて使いやすかった」
デザートブーツ界の勝手にCHAMP!
エアウォーク リップルソール(平成9年)
エアウォークにこんなソールのブーツがあったとは!
エアウォークの隠れた名作、デザートブーツを世に知らしめたのは藤原ヒロシ氏。ギザギザのシャークソールがインパクト抜群だった。「HFは、みんな知らない情報や“今あえて”感をサラッと出すのがカッコよくて。このタイミングでエアウォーク!?とか」
ヴィンテージ ナナメ掛け界のデニム界の勝手にCHAMP!
リーバイス 505(平成9〜10年)
あの人のおかげでみ~んな505に注目。もっと安くなかった??
それまで501一辺倒だったが藤原ヒロシ氏が着目したことで一躍脚光を浴びたのがシャープな505。「あえて505が好きという、そのひねくれたとこもカッコよかったし、急激に505が高騰したのも記憶に残ってます。前までもう少し安かったよなあ?みたいな……」
今や定番のコチラもあのカリスマが’90年代半ばに紹介
コレも藤原ヒロシ氏起点のトレンド。レッド・ウィングの黒アイリッシュセッターを白ソールに張り替えるという試みで爆発的流行に。
裏原系界の勝手にCHAMP!
グッドイナフ(平成10年)
誰が作っているか、どこに売ってるかもわからない謎ブランド
裏原系の代表ブランド。長年デザイナーは公にされなかった。「最初はとにかく売ってない、どこに売ってるかもわからない謎ブランドで、着てる人が羨ましかった。 コラボという概念もあまりなかった時代にポーターとコラボしたのが衝撃的」。人気絶頂の1998年に活動休止、翌年再開。
単館系映画界の勝手にCHAMP!
バッファロー66(平成10年)
とにかくすげえカッコいい映画だぞって雰囲気だった
’90年代後半のカルチャースター、ヴィンセント・ギャロの映画。渋谷『シネクイント』で34週上映という異例のロングランに。「公開前からとにかくすげえカッコいい映画、カッコいいアーティストだぞって雰囲気。みんなチラシを部屋に貼ってましたね」。写真はサントラ盤CD。
大予言界の勝手にCHAMP!
ノストラダムス(平成11年)
日本中を錯覚させた五島 勉さんの文章スキルに感服
「1999年7の月に空から恐怖の大王が来るだろう」という人類滅亡の予言を本気で信じた当時の小中高生は意外と多かったはず。
「今読んでも五島 勉さんの筆致のレベルがスゴすぎる。日本におけるノストラダムスブームは五島さんの凄さによるものだったと言えます。内容はともかく(笑)」。実はこの本1973年発行のベストセラーで、’90年代再ブームに。
世の中の出来事
1997 平成9年
- 消費税率が5%に引き上げ
- サッカー日本代表ジョホールバルの歓喜
- 大阪ドームとナゴヤドームが誕生
- トヨタ自動車がプリウスを発売
- バンダイがデジタルモンスターを発売
- 「裏原」トレンドが全盛期に突入
- ハイパーヨーヨーがキッズの間で大ブーム
- 小説『失楽園』がヒット。流行語にも
コンセプトは“戦うたまごっち”だったらしい
CAN YOU CELEBRATE ?(安室奈美恵)
No.1ヒット映画
もののけ姫
1998 平成10年
- 横浜ベイスターズが38年ぶり日本一に
- 松坂大輔が甲子園決勝でノーヒットノーラン
- インスタントカメラ「チェキ」発売
撮るとその場で写真が出てくる「チェキ」。女子高生に大人気!
誘惑(GLAY)
No.1ヒット映画
タイタニック
1999 平成11年
NHK教育テレビ『おかあさんといっしょ』からヒット
- 2万円分の地域振興券を政府が支給
- 石原慎太郎氏が東京都知事に就任
- ソニーが犬型ロボットアイボを発売
- TV番組の影響で美容師がカリスマ化
だんご3兄弟(速水けんたろう、茂森あゆみ)
No.1ヒット映画
アルマゲドン
※このページに掲載されているアイテムは、過去のビギン掲載商品やスタッフ私物です。ほとんど現在購入できませんのでご了承ください。
[ビギン2019年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。