特集・連載
レアアイテムが注目された平成3〜5年をプレイバック!
平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP! 「平成」直前の1988年に創刊したビギンの歴史=「平成」のオトコのブツ欲史そのもの!と言っても過言じゃありません。間もなく「令和」スタートで、気分も新たに……のその前に、平成が生んだあんなヒットやこんなヒットを大総括。アラウンド40世代のサブカルレジェンド、漫画家の渋谷直角さんにも参戦してもらい、思わず“懐っ”な各時代のチャンプを勝手に決定(笑)いたします! この記事は特集・連載「平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP!」#02です。
人と差がつくレアなアイテムへの注目度UP
失われた10年の始まりといわれ、バブル景気が終焉を迎えた平成3年。4~5年にかけて徐々にバブル崩壊が一般の家計にも影響を及ぼしつつあったものの、世相は「なんとかなるっしょ!」とまだまだ楽観ムードだったような……。SMAPのCDデビューやジュリアナ東京の全盛期もこの頃でした。
ストリートでは不良文化としての渋カジが終焉を迎えつつあり、ヴィンテージのジーンズやスニーカーといったヲタク的アメカジ=レアモノGETが中高生の至上命題に。
1993年には突如、原宿を中心にエビアンを首からぶら下げた少年少女が大繁殖しましたよね。エビアンホルダーは今どこに(笑)。
ビギンでもスウォッチや10万円で買えるロレックス、エルベ・シャプリエなどを盛んにフィーチャーしていることからもわかるとおり、バブル全盛期の「とにかく高いモノが欲しい」風潮は沈静化。他人と“差がつく”希少なアイテムへの注目度が高まり、店の前に行列ができ始めたのもこの時期でした。
ビギンが選ぶ平成チャンプ!
腕時計界の勝手にCHAMP!
スウォッチ クロノ(平成3年)
イバリの利くレアモデルの争奪戦白熱!
リーズナブルなプライスと信頼のスイス製、そして膨大なバリエを持つスウォッチのブームが本格化。有名デザイナーとのコラボや期間限定モデルがコレクション欲をビンビン刺激した。なかでもビギンの表紙を飾ったカラフルなクロノグラフは即完売! 幻の一本となった。
10万円台ロレックスやエクスプローラーもヒット!
カジュアル・ロレックスと銘打ち、10万円以内で買えるヴィンテージのオイスター・デイトをスクープ。うーん、今見てもビックリネタ!
Begin 1991年9月号
エクスプローラーⅠのリニューアルモデルを紹介。上陸直後から人気爆発。定価では買えず、プレミア価格が。
Begin 1991年7月号
バッグ界の勝手にCHAMP!
エルベ・シャプリエ(平成4年)
フランス生まれのツウなバッグが一躍大定番に!
アニエスb.を代表とするフレンチカジュアルブームを追い風に、エルベ・シャプリエの人気が急上昇。丈夫なナイロンに着こなしのアクセントになるカラー、でもってフレンドリープライスが服好きにバカウケ。ビギンはいち早くその魅力を徹底解剖。ブームのきっかけを作った。
ハイテクスニーカー界の勝手にCHAMP!
ナイキ エアジョーダンⅦ オリンピックモデル(平成4年)
ジョーダンシリーズ中屈指の人気と希少性を誇る
ジョーダンがNBA連覇時に履いたⅦは、ベーシックなデザインと素足感覚を生むハラチシステムが特徴。通常モデルの人気も高かったが、とりわけ入手が困難だったのがこの年のバルセロナ五輪で着用したオリンピックバージョン。登場するやいなや人気爆発、価格がさらに高騰した。
アウトドアウェア界の勝手にCHAMP!
パタゴニア ペットボトルリサイクル シンチラフリース(平成5年)
フリースをファッションに昇華させた傑作
エコへの関心とアウトドアアイテムの人気が高まったこの時期、満を持して人気が急上昇したのがパタゴニアのフリース。ペットボトルをリサイクルし、売り上げの一部を環境保護団体に寄付するという志に世の服好きも共感。フリースがファッションアイテムに。
渋谷直角さんが選ぶ平成チャンプ!
渋谷直角さん
【平成前期は青春ど真ん中世代】
平成元年は、コロコロ少年を卒業したばかりの13~14歳だった現43歳。本誌の連載『リバイバー竜』でもお馴染みの渋谷直角さんも参戦。ファッション&カルチャーからオカルトまで、平成前期(主に’90年代)にどっぷり浸った、平成サブカル界のレジェンド漫画家だ。
ヴィンテージ界の勝手にCHAMP!
リーバイス 66モデル(平成3年)
学生でもギリギリ買える“赤耳”の“タテ落ち”がコレ!
世は空前のヴィンテージブームに。お尻の赤タブが“LEVI’S”か“Levi’s”かなどのディテールが大問題に。「501XXは高いからみんな66モデルを狙っていました。僕は親父からもらった66モデルを穿いてたけど(笑)。スモール“e”だったので多分66後期かと」
レコードバッグ界の勝手にCHAMP!
レディステディゴー!(平成4年)
俺音楽好きなのよ〜って感じを出してイキってました(笑)
UKブランドを扱う伝説的ショップ(現在はオンラインショップで活動中)のオリジナル。空前のレコードブームの必須アイテムに。「30×30cmのLPレコードがすっぽり入るサイズ。俺音楽好きなのよ~って感じを出してイキってました」。写真は連載『リバイバー竜』用にリサイズしたもの。
レコード店の袋をそのまま持つのもお洒落でした
ブーツ界の勝手にCHAMP!
ドクターマーチン(平成4年)
マーチンを履くことは「音楽を愛してます」の表明でした
名だたるバンドやミュージシャンが履いたドクターマーチンの8ホールブーツ。昨今再ブレイク中ですが、ブームの源流は平成前期。「UKミュージックに傾倒した時代、音楽好きなら絶対マーチン」。当時はトウの部分の丸みが強い、英国のホワイト社製が人気だったんだとか。
ポケT界の勝手にCHAMP!
ギャップ(平成4年)
当時一番イケてたポケTはコレ。USA製なのもいい!
スーパーモデルのナオミ・キャンベルがCMで着てるぞ!ってことで一番イケてたポケTはなにしろGAP。「当時日本ではほとんど売ってなかったし高かったので、表参道の教会で開催されてたバザーに朝の5 時から並んで買った思い出が」。GAPの本格上陸は1995年。
ワークウェア界の勝手にCHAMP!
カーハートとキャタピラ(平成5年)
アメリカの作業服はなんでこんなにカッコいいんだ!!
当時のファッションカリスマ=ダウンタウンの浜ちゃんが「ガキ使」などでよく着用していたのが米国ワークもの。「特にキャタピラの帽子が印象的。日本の作業服はどうもオジサン臭かったけど、アメリカの作業用の服はなんでこんなカッコいいんだ?と衝撃でした」
革小物界の勝手にCHAMP!
エビアンホルダー(平成5年)
「水を買うこと」がとてつもなくオシャレなことだった
1993年春頃に突然大ブレイク。「まずエビアン自体がとてつもなく“オシャレなもの”だったわけです。水を買う、しかもフランスの水だぜ!っていうのが。ソレを持ち歩くっていうのがカッコいいってトコもありましたね。日本では」。誰が流行らせたかは諸説あり。
世の中の出来事
1991 平成3年
- 若貴の活躍による大相撲ブーム
- お立ち台ディスコジュリアナ東京開店
- 猿の次郎の反省ポーズが一世風靡
反省だけならサルでもできる。チオビタドリンク
ラブ・ストーリーは突然に(小田和正)
No.1ヒット映画
ターミネーター2
1992 平成4年
- 日本人宇宙飛行士毛利 衛氏が宇宙へ
- 「就職氷河期」という言葉が生まれる
- ストリートファイターⅡがスーファミに登場
- 東海道新幹線でのぞみが運転を開始
- ソニーのミニディスク(MD)がヒット
- インスタントラーメン日清ラ王が大ヒット
- 任天堂がスーパーマリオカートを発売
- 甲子園で松井秀喜が5打席連続敬遠される
- 14歳の岩崎恭子がバルセロナ五輪競泳平泳ぎで金メダル獲得
- 貴花田と宮沢りえが婚約会見(翌年破局)
- チェッカーズが紅白出場を最後に解散
対戦型格闘ゲームの原点“ストⅡ”に熱中する人続出!
君がいるだけで(米米CLUB)
No.1ヒット映画
紅の豚
1993 平成5年
- サッカー日本代表“ドーハの悲劇”
- コギャルブーム。ブルセラが社会問題に
- 日本初のプロサッカーリーグ・Jリーグ開幕
サッカー少年の憧れはヴェルディ川崎の10番ラモス瑠偉選手
YAH YAH YAH(CHAGE & ASKA)
No.1ヒット映画
ジュラシック・パーク
※このページに掲載されているアイテムは、過去のビギン掲載商品やスタッフ私物です。ほとんど現在購入できませんのでご了承ください。
[ビギン2019年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。