特集・連載
ギネスブックにも認定。テニスシューズこそ世界一売れたスニーカーだ!
大人が知るべきスニーカー列伝 定番に歴史あり。どんなアイテムも生まれたときは定番ではありません。名作定番が多いスニーカーも、その歴史を紐解くと流行のスポーツや愛用した偉人の存在があったのです! 今ではブームが過熱し、ウン万円もするプレミアムスニーカーも注目されていますが、大人たるもの基本の名品こそをしっかり押さえておきましょう。 この記事は特集・連載「大人が知るべきスニーカー列伝」#03です。
テニスもスニーカーの欠かせないルーツだ。アッパーとゴム底をボンドで接着したプリムソール生みの親、ダンロップは伝説のウィンブルドン3連覇の足元に。ケッズはプリムソールを改良してテニスシューズを開発した。
ギネスが認めた世界唯一のスニーカー
ゴム加工の発展は、動きやすさとグリップ力を要するテニスシューズにも活かされていました。テニスはもともと上流階級の嗜み。身だしなみにも品格が求められます。
もっとも権威あるウィンブルドン選手権では全身白の着用が規則。自ずとクリーンなモデルとなり、これがファッションや日常の足元にも重宝されるようになります。
とくに1971年に発売したアディダスのスタンスミスは有名。’90年代当時で2000万足以上、世界でもっとも売れたスニーカーとギネスブックに認定されました。
実際の世界一はオー……かと思いますが(笑)、とにかくどんなスタイルもレシーブするテニス顔で、今では老若男女が愛用。ギネスがベストセラーと認めるのも納得の名品です。
ギネスブックは毎年発行、世界一の記録を収集する書籍。もともとはビール会社のギネスの出版物。代表と友人が世界一速く飛ぶ鳥の議論になり、世界一の事柄を集めた本を作ることに。
adidas Originals STAN SMITH
アディダス オリジナルス スタンスミス
一度現行から姿を消すも、多大なリクエストにより復活。ウィンブルドン対応の品のある白のアッパーに、スリーストライプスをパンチングにして通気性を高めたのが画期的だった。1万4000円(アディダスグループお客様窓口)
’60~’70年代にかけて活躍した米国のテニス選手。4大大会で5度優勝。アディダスのシグネチャーモデルも世界的な人気モデルに。8歳のときの息子に、「パパはなんで靴と同じ名前なの?」と聞かれたエピソードが残っている。
スタンスミスの原型はハイレット
’50~’60年代に活躍したフランスのテニス選手、ロジャー・ハイレット。アディダスは’60年代にシグネチャーモデルのハイレットを発売。これをスタン・スミスも愛用していて、のちにハイレットをリネームしてスタンスミスモデルとなった。