31年オールデンを追ってきたけど、まだこんなラストあったのカプリ

木型の系譜が、家系図のように詳細に語られる希有なブランド、オールデン。ビギンがその片棒を担いできた自負と矜持がないわけでもありませんが（苦笑）、そんなビギンも初めて紹介するのが、下のローファーに用いられている「カプリ」ラストです！

ALDEN／オールデンのN7202

その丸みを帯びたトウフォルムはじつに米国的で、定番ローファー木型である「バン」に似たもの。でも、甲の高さがやや低めなうえ、アッパーのモカ部がやや内寄りなのもあってか、最細「アバディーン」ラストのそれのように、シュッとした印象もある。

この王道木型を足して２で割ったような、見たことあるようで、ない、新鮮味こそ、本作の真骨頂といえましょう。

ちなみにこの木型、本国では定番人気を誇るも不思議と日本と縁がなく、別注では少～しあった程度でほぼ日本初展開。まだこんな伏兵がいたとは本誌も驚きです！　さておき、微差こそ大差なこの世界。今一番イバれるベーシック靴は、間違いなくコチラです!!

名作ローファーラスト“バン”とも“アバディーン”ともちと違う

オールデンのローファーに用いられるラストといえば、モカシン専用木型として開発された丸っこいフォルムの「バン」と、スマートなノーズの上品系ラストとして知られ、タッセルローファーが人気の「アバディーン」が定番的だ。「カプリ」ラストのフォルムは前者に近いが、しかしどこか後者に通ずるシャープな趣も滲ませる。

オールデンのN7202

まさしく隠れ定番と呼ぶに相応しい「カプリ」ラストを用いたローファーだ。アッパーには、柔らかさとマットなシボ感を特徴とする、レジーナグレインレザーを使用。足馴染みのよさも魅力である。9万7000円。（ラコタ）

ALDEN／オールデン

1884年、米・マサチューセッツ州ミドルボロウにてカスタムメイド靴メーカーとして設立。矯正靴用のモディファイドラストをはじめ魅力的な木型を多数持ち、ビギンも長らくしつこく（!?）紹介してきた。ザ・ビギンブランド。

※表示価格は税抜き

［ビギン2018年11月号の記事を再構成］スタッフクレジットは本誌をご覧ください。