【ジーンズ基礎知識5選】名前の由来、なぜブルーなのか、いいジーンズの見分け方など!
誰もが知っているあの「定番」にまつわる常識からウンチクまで、分かりやすくサクッとお勉強! 今回のテーマは、ファッション史上最大の発明品「ジーンズ」です。

服飾史市場最大の発明が生まれるまでと基本を知る
作業着として生まれ、世界中の老若男女に愛される存在になったジーンズ。それゆえにピンからキリまで存在するが、まずは歴史と基本を知れば正しいジーンズ選びができるはず。
Q.ジーンズの名前の由来は?
A.現在世界中で使われている“ジーンズ”という名前は、もともと「ジーン」という生地で作られたパンツを指す言葉だった。ジーンとは、イタリアのジェノヴァ港から輸出される交織地(異なる繊維を織り合わせた生地)のことである「ジーン・ファスティアン」という言葉が簡略化されたもの。
そんなジーンズという名前を初めて公式に使ったのはラングラー社で、1947年のこと。本家のリーバイスは自社製品を長年「オーバーオールズ」と呼んでおり、初めてジーンズと名乗ったのは1955年以降だ。

ちなみに“デニム”という生地の名前は、南フランスのニーム産サージ生地を意味する「セルジュ・ドゥ・ニーム」が語源とされている。ジーンとセルジュ・ドゥ・ニームはもともと別の生地だが、ともに丈夫な交織地で作業着に用いられていたことから、一方はパンツの俗称、一方は生地名として定着。いまでこそアメリカ的な言葉だが、双方とも由来は欧州だったというわけだ。
Q.裾のチェーンステッチにこだわる人が多い理由は?
A.チェーンステッチで裾上げするには専用のミシンが必要で、それはどこにでもあるものではない。しかし、だからといってチェーンステッチそのものが偉いわけではない。チェーンステッチで裾上げしたほうが、穿き込んだ際ヴィンテージジーンズに見られるような味のあるアタリが現れるから偉いのだ。
では、なんでそういうアタリが出るのかというと、本縫いに比べ洗った際の縮みとねじれが大きいというのがその理由。こだわる人は立体的に浮かび上がる、あのらせん状の波紋を求めているのだ!

Q.ジーンズはなぜブルーなの?
A.じつは明確な理由はわからない。だが、汚れが目立ちにくい色だからというのが有力な説。ワークウェアにとって汚れが目立たないことは、丈夫さに次いで重要なポイント。そこで泥や油、ホコリといった、さまざまな汚れが目立ちにくかったブルーに落ち着いたとされている。昔まことしやかにささやかれた、ガラガラヘビが嫌がる色だからという話は……、まぁ迷信でしょう。

ちなみに50年代後半登場のホワイトジーンズは一風変わった理由を持つ。その頃すでに若者の間ではファッションとなっていたブルージーンズだが、東部の名門校を中心に「神聖な学校に労働着で来るなんて」という風潮が根強く残っていた。そこでメーカーが打ち出した戦略が“ブルーじゃない”ジーンズ。白ならカタブツな先生たちをごまかせる!? という理屈だった。
Q.どうして色落ちするの?
A.独特の色落ち! ジーンズが世界的な人気となった最大の理由だ。これは縦糸を染めるのに用いられる「ロープ染色」の特性によるもの。この方法で染められた糸は通称“中白”と呼ばれ、糸の中心まで染まりきらない。その結果、表生地の凸部分が擦れるにつれ、糸の中心の白場が露出し、それがあのくっきりとした色落ちにつながるというわけだ。
ちなみに、いい色落ちの代名詞とされる“タテ落ち”とは、下のような、縦方向に雨が降るように現れる色落ちのことで、織り糸の太さが均一でなかった時代の凹凸の多い生地から生まれた偶然の産物。

Q.いいジーンズの見分け方を教えて
A.新品時のジーンズって、一見どれも同じように見えるもの。でも、実際値段は全然違ったりする。多くのベーシックなジーンズの場合、これは素材や縫製にどれだけ手間がかかっているかの差。そして、その違いは表からは見えない裏側をのぞいてみると、よ~くわかるのだ。
たとえば縫い糸ひとつとっても、同じ太さの糸ではなく「ここは破れやすいから太い糸にしよう」という具合に、わざわざ箇所によって糸の番手(太さ)を替えて縫製してある。異なる番手の糸を使うことで、ジーンズの表情が魅力あるものになったり、味のあるアタリが出るのだ。

さらに、ヴィンテージ調ジーンズの目印ともいうべきセルビッジ。これは単に昔のジーンズと同じ仕様だからエライのではない。ジーンズの耳は、味のある色落ちの決め手となる、旧式力織機で織った生地の証。つまり、ジーンズの耳はそのジーンズがいい色落ちをするかどうかのわかりやすい目印になるのだ。
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[ビギン2026年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。
