【涼を支える民藝品】「銀座たくみ」が太鼓判を押す個性派ガラス器たち

食卓に涼風を吹き込む銀座たくみの個性派ガラス

日本には昔から、目で、手で、音で涼を取り入れる知恵がありました。どれも暮らしの中にすっと入り込み、夏を心地よくしてくれるものばかり。そうした日用品の中に美を見出してきたのが「民藝」です。職人が丹精込めて作った日常の道具たちは、暑い季節の食卓や部屋の景色を涼やかに整えてくれるんです。

食卓に涼風を吹き込む銀座たくみの個性派ガラス

夏の器といえば、なんといってもガラスの器。味わいのある色み、心地いい手触り、そして使い勝手のよさ。銀座たくみが太鼓判を押す、三拍子揃った3つの銘柄をご紹介。

手仕事ならではの味わいが夏の景色を彩る

夏になるとガラスの器に目がいく。けれど野﨑さんはその魅力を「涼しげだから」という一言では片づけません。

「光を受けたときの表情や影、水を注いだときのきらめき、料理を盛ったときに生まれる景色まで含めて、食卓の中にいきいきと涼が立ち上がる。これがガラスの器の醍醐味です」

その視点で銀座たくみの野崎さんが推薦するのが、石川硝子工藝舎、奥原硝子製造所、ニジノハの品々です。

「倉敷ガラスの流れをくむ石川硝子工藝舎の器の魅力はガラスでありながら、どこか温かみがあること。黄みがかったガラスの色合いやわずかな気泡が食卓の上でたしかな存在感を放ちます」

沖縄の奥原硝子製造所はかの地の再生ガラス文化を今に伝える存在です。

「名物のペリカンピッチャーはなめらかな曲線美もさることながら、ライトラムネと呼ばれる青みがかった色味もじつに涼しげ。夏はこれにティーバッグを入れて冷たいお茶を作ります」

そんな琉球ガラスの名門で修業した平岩愛子さんが主宰する、東京都青梅市にある工房がニジノハです。

「彼女の作品の魅力は繊細な色合いと使いやすさ。たとえばワインカップの造形は美しさだけでなく、くぼみに指をかけて持つと安定するように考えられています。デザインと雰囲気、実用性がきちんとひとつになっています」

どの工房の作品にも共通するのは、手仕事ならではの揺らぎや個体差がそのまま“味”になっていること。

「だから光や水、料理を受け止めながら、涼やかな景色をつくり出せる。まさに使って生きる民藝のガラスです」

野﨑 潤さん

「涼しさとあたたかみが同居する黄色がかったガラスが魅力」(野﨑さん)

石川硝子工藝舎 五寸皿と網目コップ

石川硝子工藝舎
五寸皿と網目コップ

五寸皿も同工房の実力を物語る逸品だ。吹きガラスで皿のような平らな形にするには、遠心力を利用して溶けたガラスを広げる高度な技術が必要となる。コップ表面に施された網目は、豊かな表情を生み出すだけでなく、手馴染みがよくなり持ちやすさにもつながる工夫だ。五寸皿3630円、網目コップ(大)4840円(以上、銀座たくみ)

石川硝子工藝舎 面取り鉢

石川硝子工藝舎
面取り鉢

わずかな気泡や色の揺れを含んだガラスは独特のやわらかな表情を見せる。その味わいを特に感じられる人気商品が面取り鉢。熱く溶けたガラスの表面を削り、平面を作ることでガラスの器に陰影を作り出す。光の反射によってガラスの涼やかな表情が強調される。面取鉢(大)6600円、(中)3630円、(小)3080円(以上、銀座たくみ)

Profile
石川昌浩さん

石川硝子工藝舎

石川昌浩さん

1975年東京都生まれ。倉敷芸術科学大学で学び、倉敷ガラスの名工・小谷眞三に師事。2003年に独立し、岡山を拠点に吹きガラスを手がける。黄みを帯びたガラスは温かみのある佇まいと暮らしになじむ実用性を兼ね備える。

野﨑 潤さん

「突き出した注ぎ口は民藝の機能美を体現するデザインです」

奥原硝子製造所 ペリカンピッチャー ライトラムネ

奥原硝子製造所
ペリカンピッチャー ライトラムネ

ペリカンのくちばしのように前へ突き出した注ぎ口はイタリアの伝統的なピッチャーがルーツ。口がすぼまっているため、水切れがよく、中の氷やフルーツがこぼれにくい。かすかに青みを帯びたガラスは、清涼飲料水の瓶を再利用したもの。1万450円(銀座たくみ)

琉球ガラス工房 奥原硝子製造所

 
「琉球ガラス工房 奥原硝子製造所」
1952年創業の琉球ガラス工房として知られる老舗。那覇を拠点に戦後の沖縄で育まれた再生ガラス文化を受け継ぎ、板ガラスの廃材などを生かした器づくりを続けてきた。青や緑を帯びた色味と厚みのある素朴な質感が持ち味。

野﨑 潤さん

「浅葱と呼ばれる青みを帯びた緑色に涼を感じます」(野﨑さん)

ニジノハ ワインカップ、ヒッチーグラス、フリーボウル

ニジノハ
ワインカップ、ヒッチーグラス、フリーボウル

再生ガラスの感覚を受け継ぎながら、やわらかく穏やかな表情に仕上げるのが平岩さんの作風だ。器のサイズ感や指がかかりやすい表面の凹凸など実用性にも配慮する。ボウルの浅葱(あさぎ)と呼ばれる色合いも同工房のオススメ。ワインカップ2970円、ヒッチーグラス(中)2640円、フリーボウル(中)2970円(以上、銀座たくみ)

Profile
平岩愛子さん

再生ガラス工芸家

平岩愛子さん

1974年東京都生まれ。武蔵野美術大学を卒業後、沖縄の奥原硝子製造所に入門し、名工・桃原正男のもとで技術を学ぶ。その後、2009年に地元である東京都青梅市に工房を設立。再生ガラスを用いた器を制作している。

 
※掲載商品はすべて数に限りがあります
※表示価格は税込み


[ビギン2026年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

Begin 2026年7月号の表紙

Begin 2026年7月号

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定価820円(税込)

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