定番化した“Y2Kスニーカー”の実態を徹底解剖!今履くべき4ブランドとは?

【BESTスニーカー会議 2026】
多様化が叫ばれるこのご時世、スニーカートレンドも例外にあらず。かつてのような一強トレンドは鳴りを潜め、ジャンルをまたいで多種多様なトレンドが乱立する、いわば“スニーカー大洪水時代”を迎えています。そこで今回のビギンは「BESTスニーカー会議2026」と題して、各界からスニーカー有識者を召喚。スニーカー愛あふれるアツい会議を通じて、間違いのないBESTスニーカーを導き出します!
ピークアウト!? いやいや定番化した
Y2Kスニーカー 実態報告
ここ数年ファッション界全体で盛り上がっている「Y2K」。ぶっちゃけ実態が捉えづらかったこのワードを、Y2K史を更新しうる名機たちを教材代わりに、2人の知識人に紐解いてもらいました。
スニーカー界のレジェンドと博識ライターが紐解きます!

ミタスニーカーズ ディレクター 国井栄之さん(写真右)
ご存知、日本が世界に誇るスニーカーペディア。明文化するのが難しいジャンルも的確に言語化してくれる、AIも真っ青のご意見番。
ライター 黒澤正人さん(写真左)
脳の処理速度と一緒でスニーカーの好みもローテク。最近家族に省スペースを迫られ、某フリマアプリで約50足を泣く泣く出品(涙)。
当時のハイテク感が令和の装いとシンクロ
黒澤 ブームは少し落ち着いたけど、Y2Kはこのまま定番ジャンルとして残りそうな気もします。
国井 話題性って面では2023年頃がピークですけど、まだ各社からリリースされてますし。
黒澤 でも正直言うと今だに定義がはっきりわかってません(苦笑)。
国井 軽量性や耐久性を考慮して合皮を多用したり、通気性を念頭に大判メッシュを使ったり、機能性重視の意匠をデザインに繋げているのが特徴だと思います。
黒澤 さすが! それがデコラティブな造形の源なんですね。
国井 それにメタリックな色彩も含めたのが、この時代に共通するデザインランゲージかなと。あと今蘇っている製品は当時の旗艦モデルだったというのも共通点かも。
「メタリックでデコラティブ。2000年代の技術が凝縮されたデザインランゲージです」

黒澤 たしかにこの「ゲルカヤノ 14」なんて最たる例ですよね。
国井 ベースは2008年にランナーズワールド誌の「エディターズチョイス」賞を獲った世界的傑作です。
黒澤 当時は完全にパフォーマンス用だったのに、今は完全にファッションとして成立してる。
国井 それも当時の機能と構造を受け継ぎつつ、アッパー素材やフィット感を現代のライフスタイル向きに改良してるからこそ。今のY2K人気の先駆け的な存在です。
黒澤 名機にインスパイアされてるって意味では、ニューバランスの「アブゾーブ 2000」も同じかもしれません。00年代のデザイン様式に着想を得て、ニューバランスのいろいろな名作の特徴を融合させて、現代から見たY2K感をうまく表現してる。
国井 たしかに、ソールユニットのデザインプロセスでも3Dツールを活用してますし。今の技術で作った、応用編Y2Kですね。
黒澤 うわこれすご! “アブゾーブ”クッションと“アブゾーブSBS”ポッドがソール全体に配置されてて、衝撃吸収性も反発弾性も本格ランシューと遜色ない。なんなら走れちゃうY2Kなんて、ニューバランス節全開じゃないですか。おっ、でもミズノの「ウエーブ プロフェシー LS」もデザインランゲージは同じはずなのに、ひと際オリジナリティがありますね。
国井 シューズだけでなくスポーツ用具全般のメーカーという背景を活かしてますよね。アディダスが2015年に「ウルトラブースト」を開発して以来、各メーカーはクッション性などを向上させるためにソールの“フォーム”開発に乗り出したんですが、ミズノはソールの“構造”で課題を解決しようとしてる。今作でソールを跳び箱の踏み切り板のような構造にしてるのもその好例です。
黒澤 だから中空構造になってるんですね! 超ミズノらしい!
国井 ただ“LS”とある通り、デザインも機能もあくまで今のライフスタイルに即した形にしっかりチューニングしてる。
黒澤 なるほど。ただ現代へのチューニングぶりでいうと、サッカニーの「プログリッド V2」も相当うまいですよ。オリジンは2011年に発売されたリアルガチなパフォーマンスシューズでしたけど、この復刻版はY2K特有の近未来的デザインに昇華してる。
国井 たしかにメタリックカラーや大胆なメッシュ使い、光沢感のあるオーバーレイと、ザ・Y2Kな意匠が凝縮されてます。
黒澤 履くだけで全身のトレン度を上げてくれるのは嬉しいですね。

ASICS[アシックス]
ゲルカヤノ14
シリーズの生みの親・榧野俊一(かやのとしかず)氏に代わって山下秀則氏がはじめて設計した名作トレシュー。衝撃緩衝材機能を持つGELテクノロジーを搭載。2万2000円(アシックスジャパン カスタマーサポート部)
名機を象徴するホワイト × ピュアゴールドの美色 ※参考商品
ランナーズワールド誌のエディターズチョイス賞を受賞
今のY2K人気をリバイバルさせた立役者的モデル

MIZUNO[ミズノ]
ウエーブ プロフェシー LS
ミズノが誇る最先端ソールユニット“インフィニティ ウェーブ”を搭載したフラッグシップシリーズの街履き仕様。機能を独創的なルックスに繋げるデザインワークはミズノの得意分野。2万7500円(ミタスニーカーズ)
メタリックなカラーリングもY2K的
踏み切り板を想わせるソール形状
ハイテク一辺倒でなくライフスタイル向きにチューニングしてます

New Balance[ニューバランス]
アブゾーブ 2000
アーチ部の捻れや伸びを制御する“スタビリティ ウェブ”シャンクを備えた分割型ソールユニットも、安定感のある履き心地とテック感のあるルックスに繋がっている。2万4200円(ニューバランスジャパンお客様相談室)
独自テクノロジー「アブゾーブ」
その気になれば走れちゃうくらいのガチスペック

saucony[サッカニー]
プログリッド V2
2011年に開発された同名のパフォーマンスシューズをアップデートさせた意欲作。ホワイト × シルバーのカラーコンビもレトロテックな雰囲気を加速させている。2万6400円(サッカニー/丸紅コンシューマーブランズ)
大胆なメッシュアッパーは通気性◎
光沢あるオーバーレイもY2K味を増すポイント
近未来チックなルックスは存在感むんむん
※表示価格は税込み
[ビギン2026年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。
