今どき軍パンはジャケットに合う“淡麗顔”のベイカーパンツが正解!

【ビギン10年保証服、7つのルール】
ごくベーシックな見た目なのに、着心地の良さからつい袖を通したくなり、どこか大人っぽい品もあるため、年を重ねても似合いそう……。10年先までMYスタンダードとして活躍するのは、そんな服。ここで紹介する7つのルールを知れば、アナタもきっと出会えます!
正しい服指数

正しい服を検出するには、やっぱりコストパフォーマンスは欠かせない! というワケで、アイテム毎の年間着用可能日数を算出し、10年着ると1日当たりいくらなのかを勝手に算出(笑)。いつもよりちょっと高いけど、どれも間違いのないアイテムなので、この指数をみながら買う言い訳にしてもらえればうれしいです♪
男のワードローブにゃやっぱり必要不可欠
【Rule5】ミリタリーとオトナの付き合いをするなら飽くなき淡麗軍パンだ!
汎用性的にもロマン的にも外せない軍モノですが、この先10年寄り添うとなるとその有り余る“コク”にうんざりしちゃうかも……。ならば、将来穿くためデッドストックを綺麗に蓄えてあるというとある先達に学び、“アク”なき淡麗顔を選べば飽きずに愛せるはず!
“ジャケットに合う”美しすぎるベイカー
国や年代で千差万別な軍パン界隈ですが、淡麗顔といえば「ベイカー」一択。てのもカーゴが戦闘用である一方、ベイカーは工場作業が主。止血用のドローコード、カーゴポケットやジッパーなど実戦向きの意匠が削がれてるからサッパリと穿けるってワケ。
とくに「ジャケットに合うミリタリーパンツ」をテーマに作られたコチラは、腰回りから掛かる緩やかなテーパードが特徴。効率重視の直線裁断が当たり前なガチの軍モノとは育ちが違うのです。
他にもセンタープレスやヒップのダーツなどドレス要素満載なうえ、極め付けはバックサテンを最後に毛焼きしてツヤ出しするというこだわりっぷり。←的な感じで、男前なキレイめスタイルにピッタリ♪

D.C.WHITE[D.C.ホワイト]
ファティーグ ワイドパンツ
2016年、「アイビースタイルを現代的に表現する」をテーマに誕生したジャパンブランドによる一品。長年穿き込めるよう、通常のバックサテンよりも厚めの生地を採用している。1万9800円(D.C.ホワイト デスク)

主張が抑えられた同色のオリーブボタン

×ジャケットで男前なキレイめコーデ

へリルのジャケット11万円(にしのや)、アンフィーロのニット7990円(オンワード樫山)、クロケット&ジョーンズの靴10万4000円(フレーム 青山)
正しい服指数
今さら聞けない
ベイカーパンツのいろは
ベイカーパンツはどのように生まれた?

1940年代にアメリカ軍で誕生。作業用(=ファティーグ)パンツではあるが、入隊後の訓練や熱帯戦で用いられることもあった。正式名称は“OG-107 コットンサテン ユーティリティ トラウザーズ”であるが、パン職人のパンツとデザインが酷似していた、フロントのパッチポケットが食パンに見えるなどの理由で“ベイカー”の愛称が付いたとされる。
定番のディテールは?
サイドアジャスター

現行品の多くが両サイドに取り付けているが、実際は1960年代中頃に入ると省略されていた。
外付けポケット

上から別布を縫い付けるだけの簡単な仕様。大量生産に向いており修理も容易だった。
オリーブのプラボタン(左)・茶色の尿素ボタン(右)

当初はフラットな茶色の尿素ボタンだったが、1960年代中期以降はオリーブのプラボタンに。
アメリカとイギリスの違いは?

寸胴な骨太ストレートをウリとする米国モノに比べ、英国モノは主張を抑えた細やかな縫製や、わずかに細身でテーパードが掛かったシルエットが特徴。そのため淡麗基準で見比べると必然的に英国に軍配が上がる。
※表示価格は税込み
[ビギン2025年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。
