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May-30-2025

【ヒット商品を発掘!?】バイヤー気分で見てきた香港ギフト&プレミアムフェア2025

4月27日から30日までの4日間、アジアを代表する国際都市・香港で、日用品、文房具、おもちゃなど幅広いライフスタイル製品を網羅した7つのイベントが開催されました。日本未上陸の雑貨ブランドやプロダクトをいち早くチェック&発掘できる注目のイベント。そんなイベントの様子をBeginスタッフのウラヤマが「もしバイヤーだったら何を買う?」そんな気分で現地レポートします!

まるでドン・〇ホーテ?のような展示構成
「一歩先」の新作も!

同時開催した7つのイベントのうち、参加したのは、雑貨や日用品がギュッと詰まった「香港ギフト&プレミアムフェア」を中心に、インテリアアイテムが集う「ホーム・インスタイル」とアニメやキャラクタービジネスを後押しする「香港国際ライセンシングショー」の3か所。いずれも出展企業にバイヤーや関係者との商談や新作発表の場を提供するアジア最大級の展示会です。
今年は、高齢化が進む香港の未来を見据えた「シルバーゾーン」を追加し、過去最多とな30の国と地域から6000の企業が集結しました。

香港で開催される大型展示会では、会場入り口にミニスカートでドレスアップした“香港美女”がお出迎えするのが恒例のようです。

会場となる香港コンベンション&エキシビション・センター(HKCEC)は、1、3、5の奇数階が展示エリアになっており、香港ギフト&プレミアムフェアは1階フロアすべてを使って開催。同時開催のファッション・インスタイルは3階、ホーム・インスタイル、香港国際ライセンシングショーは5階フロアで開催されました。「この雰囲気、どこかで感じたことがあるような……」そう、雑貨からファッション、インテリア、キャラクターグッズ……多種多様な商品が一面に陳列したドン・〇ホーテ! 大人気商品から新商品まで、物欲が掻き立てられ、見てるだけでも面白いあの空間。大きく異なるのは、イベント会場には未発売のアイテムが多く展示されていること。

NEXTヒット商品が見つかる!?
日本未上陸の香港ブランドが勢ぞろい

香港ギフト&プレミアムフェアでは、香港を中心に、中国本土、欧州などのメーカーや工場が製品サンプルを展示し、バイヤーとトレードをします。学生時代(20ウン年以上前)、日本で香港雑貨ブームをけん引してきた「文化屋雑貨店」でおこずかいを散財してきたウラヤマにとって、可愛さと懐かしさで胸キュンが止まりません(笑)。(会場では購入できないのが残念すぎた……)。


CAMEL(=駱駝牌)の定番ガラス製魔法瓶。450mlサイズで280HKD(約5600円)。レトロカラーの配色がアイコニック。キャラクターや企業コラボも増えているそう。

今回のイベントで、最も注目したのが「CAMEL(キャメル)」。1940年創業以来、香港製造を続けるガラス製魔法瓶ブランド。香港人は昔から温かい飲み物が好き。白湯やお茶、漢方、お粥を入れて保温するのに、香港では欠かせない魔法瓶として今も愛用されているそう。1Lサイズなら8~10時間の保温性があり、内側がガラスだから、臭いがつかないのが特徴です。ステンレス製に比べて重さはあるものの、キッチンやアウトドアでテーブルや車に置くだけでお洒落♪ 香港らしいレトロな雰囲気は、日本のシーンにもハマると思いませんか?日本のバイヤーさん、どなたか展開してくれませんか~!?

創業76年の「RED A(レッドエー)」は、香港の家庭飲食店で使われるプラスティック用品を製造するメーカーが展開するブランド。新柄のタッパーは大サイズ70HKD(約1400円)、小サイズ40HKD(800円)。屋台や市場で使われる業務用ランプシェードやスツールもあります。

2018年にローンチした香港のバッグブランド「MORAL BAGS(モラルバッグ)」。オーストラリア人デザイナーが手掛け、環境に配慮した製造やリサイクル素材を使っています。香港市内にある直営店に加え、最近は百貨店での販売も。キャセイパシフィック航空の機内販売もスタート。ミニマルで機能的なリュックは、香港のビジネスマンにも注目を集めています。1399HKD(約28000円)

ちなみに、バイヤーは“卸値”で購入することになるのですが、多くのメーカーが売値の50~60%で卸していました。数も1000単位の大量ロットもあれば、交渉次第では小ロットでの購入ができる場合も。日本で販売するには日本の規格や法規に合わせた仕様変更が必要な場合もありますが、未上陸の商品をいち早く販売すれば、大ヒットする可能性も秘めています。販売だけでなく、商品を仕入れて売れば輸入販売業者になれるし、メーカーや工場に自社で企画した商品を設計・製造してもらってメーカーになることも。香港は関税がないので、スタートアップ企業が多いのも特徴。今回、会場では日本人バイヤーと思われる参加者も見受けられました。今後、日本にお目見えする商品があるかも!?

「超高齢化」に直面する香港らしい取組みも

3階のホーム・インスタイルでは、高齢者の QOL 向上に焦点を当てた「ジェロンテック・リビング・パビリオン」が開催されました。香港では急速な高齢化の進行に伴い、高齢者やその介護者をサポートする高齢者用品のマーケットが急拡大。香港企業による革新的な製品やデザインコンセプトを紹介しています。特に一人暮らしの高齢者が増えていることから、自立した生活を容易にするための製品が求められているそうです。

香港のNECが販売したホームロボット「家家(ガガ)」。顔認証機能で家主を認知し、生存確認や投薬時間を伝えてくれる。アプリと連動すれば、離れた家族との会話や、ストレッチ動画、認知予防のクイズも出してくれる。

ゲーム感覚で運動ができる「T-SHOTS」。センサー付きの画面に向かって2人1組で身体を動かし、点数を獲得する。今年販売開始したばかりで、高齢者施設への設置を目指しているそう。

“立てる車椅子”「WHEELCHAIR88」。姿勢を変えることで身体の負担を軽減するほか、着替えや食事の介護もサポート。こちらも香港企業で日本にも代理店がある。

日本からは青森県、鳥取県が出展


工芸家の作品をはじめ、陶磁器・因州和紙・刃物など商品が並ぶ鳥取県ブース。取材時は中東のバイヤーが商談をしていました。


南部裂織は江戸時代に着古した着物や布を再生する機織りの織物。そのカラフルな色移りと複雑な機上げが特徴で現在ではポーチやアクセサリーにして販売している。

日本からは青森県、鳥取県が世界にマーケットを求めて出展し、地元クリエイターによる工芸品などを展示。因州和紙、陶器、籐細工、郷土玩具などが含まれ、日本のクラフトマンシップの魅力を世界に発信しました。「昨年は香港の美術館から南部裂織を使ったアクセサリーに引き合いがあり販売が決まりました」と青森県庁の担当者。

やっぱり、日本のキャラクターは強い!

世界中の600以上のブランドやIPが集結した「香港国際ライセンシングショー」。日本からは十数社がブースを出展していましたが、やはり集客力の高さは他のブースを圧倒します。ここでは、各国の製造メーカーやブランドが商談し、グッズ製作やイベント、POPUPのライセンス契約をします。中華圏、東南アジアで特に人気が高いちびまる子ちゃんやコジコジ、世界名作劇場などのアニメーション制作、ライセンスをもつ日本アニメーションも参加。日本のキャラクター人気は相変わらずですが、各国も負けずと新しいキャラクタービジネスが急速に生まれているのも事実。「これまではアニメ→IPビジネスが基本でしたが、いまはIPからアニメが作られることも増えています」と日本アニメーションの担当者。新しいキャラクター作り、発信のあり方を見据えていました。

自腹で買った香港ギフトはこれ!

ちなみにこれは帰国時に香港空港の保安検査場を通過後に購入。たしか7000円くらいでした。

最後に、自腹で買った香港土産を紹介します。そう、CAMELの魔法瓶です。ガラス魔法瓶ゆえの重さのため、自宅で使うことを前提に容量1.1Lのハンドル付きに。休みの日は毎朝これに白湯かお茶を入れてチビチビ飲みます。夕方には若干ぬるくなっている程度で保温力も確認済みです。なにより、グレー×パープルの配色がツボ♡ これから夏に向け暑くなったら冷たいアイスコーヒーでも入れたいと思ってます。

香港ギフト&プレミアムフェアを中心とした今回のイベントは、日本の出展社、バイヤーは多くはないようです。しかし掘り出し物をいち早く見つけて販売すれば、企業だけでなく個人でも輸入販売ビジネスをスタートすることも可能です。バイヤー視点で見るとなかなか興味深い展示会でした!

香港ギフト&プレミアムフェアへの出展、バイイングに関するお問い合わせ先/
香港貿易発展局 東京事務所 ☎03-5210-5850、大阪事務所 ☎06-4705-7030

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