進化する定番靴はこう作られる! 名店バイヤーが語る別注靴の舞台裏
【2025年の世界トレンドがわかる!? 靴&サンダル万国履く覧会】
日本では20年ぶりの開催となり、蓋を開けてみれば大賑わいの大阪万博。世界中から集結する最新の技術や文化に浮足立つのも結構ですが、文字通り足元がおろそかになってません?(笑)というわけで本パビリオンでは、ビギンが2025年の靴&サンダルの最新トレンドを徹底ガイド! 夏の主役を決める万国“履く”覧会、堂々開幕です!
名門が掴んで離さないスニーカー&サンダルは?
脈々(ミャクミャク)続く! 定番別注靴
今現在輝くだけでなく未来へと続くデザインは、名店 × 名門が国境を越えて脈々と受け継がれている“定番の別注”にあり。その魅力を探るべく、大好評別注の仕掛け人に直撃しました!
パリコレで海外の目利きも絶賛してくれました
ビームス プラス ディレクター
溝端秀基さん
若くして古着にハマり服飾の道へ。2016年より現職を務め、世界で戦えるブランドにするべく日夜奮闘する。各種カルチャー全般に精通。
「ビームスのスタッフ会議で『かつてスペリー社が軍に卸していたミリタリーモデルを元に別注したい』と盛り上がったことが企画の発端。いざ米国出張時にコンタクトをしてみたところ、面白がってもらって直接交渉がかない、クラシック顔の本別注が形になりました。
国内のファンからは「懐かしい」と手に取っていただいたりしますが、2023年のパリコレ出展時でも大きな反響をいただき、翌年から海外展開もスタートしています。
2024年末にはLAで新色ローンチパーティを行い、その甲斐もあってか、海外から「ウィメンズサイズはないの?」というお問い合わせも増加中。これからも僕らのモノ作りに共感いただけるように、たくさん仕掛けていきますよ!」
木型から製作した’40s米海軍仕様!
SPERRY TOP-SIDER × BEAMS PLUS[スペリートップサイダー × ビームス プラス]
MIL CVO
第二次大戦中に米軍へと納品していたシューズの木型を再現した一足。現行のCLOUD CVOよりも細身で、またサイドテープは太めに変更してクラシックな雰囲気に。今季は、過去に存在したナイロン地アッパーの仕様で展開。1万4300円(ビームス プラス 原宿)
軍の供給品!? たるコントラクターラベル的デザインもニクい
前作よりシュータンをゴム仕様にアレンジ、紐なしスリッポン履きも可
栃木内外で大好評! 地場産業として続けたい
アークネッツ チーフバイヤー
三浦優輔さん
ご存じ栃木発の名セレクトショップにて500超の全ブランドに目を光らせる辣腕バイヤー。アイランドスリッパはなんと約20足を所有。
「アイランドスリッパって基本的に革の持ち込みがNGなんですよ。でも、栃木の地場産業を盛り上げたいという想いに共鳴していただき本別注が実現しました。最初はそりゃ大変でしたよ。なんでもサンダル作りに最適な革の厚みがあるようで、ミリ単位の調整で栃木⇔ハワイの約1万3000kmを何往復もしましたから(笑)。
栃木レザーの魅力はとにかく頑丈な高品質の革! だからハードな使用にも耐え、人それぞれの足型に沈み込み、アブラが馴染んで育っていく。
日本のインポーターさんからも好評ですし、何よりウチの常連さんからの反響も大。「シンプルな定番顔を」「やっぱ黒がないと」とのフィードバックを受け、年々マイナーチェンジを重ねています。」
栃木レザーを採用した上品&頑丈仕様
ISLAND SLIPPER × ARKnets[アイランドスリッパ × アークネッツ]
PT202 TOCHIGI LEATHER THONG
栃木の名店アークネッツが地元・栃木レザーの極上皮革を採用した、レペゼン栃木の別注品。2025年の今季は昨年同様のクラシックな薄底ソールに、ショップの一番人気カラーである黒のヌメ革を合わせた。型押し仕様でかすれないロゴもポイント。3万2615円(アークネッツ)
スニーカーをイメージして開発したPTソールを採用
すこぶる丈夫な栃木レザーをサンダル用に製革
※表示価格は税込み
[ビギン2025年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。