道楽者たちの道具FILE
写真好きなファッション業界人が好んで使うレトロデジカメの魅力
【業界人のイキ(粋!?)すぎな趣味をめぐる】
スタイルを誇示する服飾業界には、ファッションだけではなくあらゆるカルチャーに精通している風流人も多く存在します。その趣味性がイキすぎたあまり粋を極めたさまざまな道楽者たちが、趣味にまつわる道具を熱意たっぷりに紹介します。
写道楽
じっくりカメラを構え、恐る恐るシャッターを切る。スマホを出せば1秒で写真を撮って見られる時代だからこその、尊い趣味をここに見つけたり!
不便さにココロがくすぐられる、味を増していくデジカメ
Leica[ライカ]
ライカM10
2017年発売のM型ライカ。デジタルカメラではあるが、操作はマニュアルなうえ、レンズマウントもフィルム時代のものと同じため往年のレンズも楽しめる。生産終了。同モデルの中古価格が67万〜82万円 (編集部調べ)
ビームス シニアクリエイティブディレクター/ディレクターズバンク室長
土井地 博さん
15年以上のプレス職を経て、現在はビームス執行役員や社内唯一のコミュニケーションディレクターとして活躍。
白洲次郎さんと正子さんの長女で、85歳になる牧山桂子さんが親しくしてくださっているのですが、ある日年齢を聞かれて40いくつですと答えたら、「まだ午前中だな」と笑われて。それで、趣味で写真を始めることにしました。これは4年前に購入したライカ。デジタルカメラですが、ピント合わせも露出も全部マニュアル、ケースは真鍮の削り出しで重い。でも、使うほどに味を増す──。不便が喜びに変わる唯一無二のカメラだと思ってます。
フィルムの味わいを再現したレトロ回帰を感じさせる一台
FUJIFILM[富士フイルム]
フジフイルム・エックスプロ3 ブラック
レンジファインダーカメラに則ったレトロなミラーレス。小型だが、グリップ付きなので持ちやすい。アナログのメモホルダーを模したサブモニター付き。生産終了。同モデルの中古価格が23万〜31万円 (編集部調べ)
ニート デザイナー
西野大士さん
教員、販売員、プレスを経てパンツブランド・ニートを設立。7年ほど前からSNS用に自身で写真を撮り始めた。
高精細の写真だけが正義じゃない、と教えてくれたのがこのカメラ。ウチのパンツを置いてくれているお店の方の着用写真を見たら、なんだか味が全っ然違ったんですよ。この「富士フイルム」はフィルム事業から始まったメーカー。もちろんキレイな写真も撮れるんですが、フィルム特有の味を再現した「フィルムシミュレーション」を設定できるのが最大の持ち味です。その設定は17通りもあって、何気ない写真の雰囲気がどれもバツグン!
※表示価格は税込み
[ビギン2025年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。