着丈調整よりフォーマル⇔カジュアルを瞬時に可能にする“アジャ丈”のツイードジャケット
アウターで考える。いざ! 鎌倉トラッ道中
夕映えの砂浜や山のこみち、歴史ある寺社から瀟洒なショップまで。東京から1時間、一日でさまざまな観光がかなう鎌倉は気軽に旅を満喫できるグッドプレイス。身近な目的地だからこそ、古都に馴染むトラッドな装いに包まれて旅情に浸るのが吉と見た!
スマートに“アジャ丈”して山紫水明な冬の古都ぶらり
実はまだ拝んだことのなかった鎌倉の大仏。急に予定の空いた週末、師走の混雑前に観光がてら愛でてみようか。
聞けば寺仏では落ち着いた、フォーマルな服が是という暗黙のマナーがあるらしい。そうであれば倣った方が没頭できるはず。そうひとりごち、購入したばかりの膝丈コートへと手を伸ばす。
鎌倉は想像以上に近かった。時間には余裕があるのだから、トレイルを散策して大仏に降りるなんてオツかも。山と海に囲まれていた故に都に選ばれた鎌倉には、切通しと呼ばれる崖を切り拓いた古道が点在している。
短いながらいっぱしの山道だから、コートの裾を折り返し、脚さばき重視のショート丈にすることにした。喧騒を離れ、心地の良い冷気が頬を撫でていく……。
散策は足さばき重視の短丈
と、思わず古都の雰囲気に浸る妄想をしてしまうくらい、自然と寺社の両方をスマートにこなすのがアジャスト丈のこんなツイードコート。
よくあるデタッチャブルでなく、大仏様のおみ足よろしく折り畳んで“丈変”する仕様だから、長丈にしたときに継ぎ目がなくってフォーマル感が段違い。こんな逸品なら古都の旅にジャストでしょ。
仏の前ではフォーマルな長丈にチェンジ!
中に着たジョン スメドレーのニット4万9500円(リーミルズ エージェンシー) セラードアーのパンツ4万2900円(トゥモローランド) ビームス プラスの鞄2万7500円(ビームス プラス 原宿)
“アジャ丈”で、山から寺までぶっ通し。
blurhms[ブラームス]
ツイードハンティングジャケット
刺し子をイメージして、不揃いの白系糸が見え隠れするヘビーなツイードジャケット。裾を大きく折り返してジッパー等で留めることで、リラックスした短丈へと丈チェンできる。この仕様のため、長丈へと展開時も極めて流麗なルックだ。10万4500円(ワンダリズム)
“アジャ丈”とは一着で丈の長さを変えられる意匠を備えたアウターのこと!
内側に丸めてしまっておいて、ファスナーを下ろせばあっという間に長丈に‼
(左)大仏切通し
鎌倉七口の切通しのひとつ。アクセスは抜群で、江ノ電・長谷駅から徒歩15分、トンネル脇の階段を上れば幽玄なトレイルがすぐそこ。苔むした岩肌が悠久を感じさせ、「鎌倉殿の13人もここを通ったのか」などと思いを馳せる。
(右)高徳院大仏
いわゆる“鎌倉の大仏”で、正式名称は銅造阿弥陀如来坐像。750年以上前からこの地に鎮座し、仏像として鎌倉で唯一の国宝に指定されている。仏身高約11.39m、重量約121t。一般拝観料300円(胎内は別途50円)。長谷駅から徒歩7分。
※表示価格は税込み
[ビギン2025年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。