美シルエットの秘密はナチュラルにクセを消す「4cm深タック」

シルエットのヌケ感を演出する秘密の手法

ファッション業界人の間でも愛用者が多いスティル バイ ハンドのチノパンツ。その人気の理由は、他のブランドとは一線を画する独自のシルエットにあります。

「フィットだけではなく、シルエットが今の気分や好みにフィットしていることも大切。シルエットはゆったりめで、サイドは真っすぐ落ちる直線に。そしてヒップにもゆとりがある。完璧よりもどこかヌケ感のあるシルエットを意識しています」という柳さんのパンツ美学を実現するために欠かせないのが、約４㎝もある「ディープタック」なんだとか。

「ワイドなパンツをキレイに見せるために、あえてタックを深くとっているんです。これによってフロントのもたつきも大幅に軽減できる。また深いタックはワタリから膝下まで干渉するので、脚の形のクセを自然に消してすっきりスマートに見せる効果があるんです。またサイドの広がりを最小限に抑えるため、内側に畳むインタックを採用しています」。

深いタックには、スティル バイハンドの理想とするヌケ感のあるシルエットを実現しつつ、脚のラインを美しく見せる、という深～い理由が隠されていたのです。

モデル着用／　マニュアル アルファベットのシャツ1万2500円（エムケースクエア）　バブアーのカットソー9000円（バブアー 渋谷店）　シーピー エイチの帽子5700円（シー ピー エイチ）　ソロヴィエールの靴4万5000円（アーバンリサーチ 表参道ヒルズ店）

美しいワイドシルエットの秘密は深いタックにあり

2本のダーツで立体感を出し、後ろ姿も美しく

深くとったインタックのおかげでフロントもサイドの見え方もすっきり

スティル バイ ハンドのインタックトラウザーズ

名物ディテールというべきディープタックが駆使された定番モデル。太腿部分にゆとりをもたせつつ、後ろ股上をやや深めに設定するなど現代の空気感を反映したシルエットが持ち味。1万6000円（スタイルデパートメント）

STILL BY HAND（スティル バイ ハンド）
デザイナー　柳 優介さん

雰囲気のあるベーシック服

1976年東京生まれ。2000年にスティル バイ ハンドを設立。余分な装飾性を排除した着心地のいいベーシックウェアが人気の同ブランド。なかでもパンツは圧倒的なリピート率を誇る人気アイテムだ。

※表示価格は税抜き

［ビギン2018年7月号の記事を再構成］
写真／大嶽恵一、穂苅麻衣（BOIL）　上野 敦、船元愛美（プルミエジュアン）　小尾淳介　文／いくら直幸　秦 大輔 　黒澤正人　桐田政隆　トロピカル松村　押条良太（押条事務所）　今野 壘　宮嶋将良　吉田 巌（十万馬力）　礒村真介　スタイリング／武内雅英（CODE）　ヘアメイク／TOYO（Bello）　イラスト／TOMOYA　daisketch