黄金バランスを生み出す「膝裏ダーツ」という仕掛け。
日本人の体格を分析した魅惑のシルエット
コレクション全体の約3割をパンツが占めるというノンネイティブ。なかでも看板モデルとして位置づけられるのが、ヴィンテージの5ポケットをベースに現代的にアレンジしたという「ドゥエラー」です。
「このモデルは、身長170cmちょっとの平均的な体格の日本人がなるべく裾上げせずに穿けるよう設計しています。さらに、裾をカットしてもなるべく膝下のバランスが崩れないようにデザインしているんです」というのはノンネイティブ デザイナーの藤井さん。
そのシルエットを可能にするのが、膝裏に施されたダーツだったんです。
「この位置にダーツを設けることで、股下からテーパーしてきた内腿のラインを膝位置で切り替え、膝下からストンとほぼ真っ直ぐに落としているんです。これにより、腿回りから膝下にかけて、脚型に沿った自然なフィットが生まれるんです」
この“膝裏ダーツ”の効果によって、ドゥエラー5Pジーンズは、細身にもかかわらず、穿いてみると意外なほどピタピタすることなく、見た目にもナチュラルで美しいシルエットに。まさに日本人にとっての黄金バランスを実現した、現代の傑作5ポケットといえるでしょう。
モデル着用/キャプテン サンシャインのジャケット2万5000円(クリップ クロップ) グッドパリスのカットソー5500円(カプリス) ヴァンズヴォルトのスニーカー9500円(ブルーウッドバイ ハンドイントゥリーPR)
ドゥエラー5Pジーンズ
ユージュアルフィット
ブランドの顔というべきモデル。オーバーダイ加工が施されているのはヴィンテージ感の演出に加え、洗濯の縮みによりシルエットのバランスが崩れないようにするため。素材は日本製のコードレーン。2万7000円(ベンダー)
オーバーダイ加工なので洗濯の縮みでバランスが崩れない
ダーツが生む“膝下ストン”効果で脚のラインにフィット
NONNATIVE(ノンネイティブ)
デザイナー 藤井隆行さん
普通なのに普通じゃない服作り
有名セレクトショップを経て、2001年にノンネイティブのデザイナーに。ミリタリー、アウトドア、ワークといった機能美を重視した服作りを行う。パンツがコレクション全体の3割を占める。
※表示価格は税抜き
[ビギン2018年7月号の記事を再構成]
写真/大嶽恵一、穂苅麻衣(BOIL) 上野 敦、船元愛美(プルミエジュアン) 小尾淳介 文/いくら直幸 秦 大輔 黒澤正人 桐田政隆 トロピカル松村 押条良太(押条事務所) 今野 壘 宮嶋将良 吉田 巌(十万馬力) 礒村真介 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/TOYO(Bello) イラスト/TOMOYA daisketch