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隠れ傑作COME BACK!!!

シチズンのツノクロノ カスタムが今、“頭角”を現すワケ

シチズンがこれまで開発し、そのレシピを記録(レコード)してきた個性派モデルたちを現代へと蘇らせる「レコードレーベル」。1973年に誕生して2021年に復活した「クロノグラフ チャレンジタイマー」、通称“ツノクロノ”が同コレクションから復刻された際は、それはそれは服好きの間で大バズりしました。

……が、なんと! ツノクロノのカスタムモデルとして1970年代に発売された幻の八角系タイプをベースとした「ツノクロノ カスタム」が数量限定で新登場。時計界とファッション界双方の有力ショップがすぐさま別注を敢行するなど、期待値はすでに特大! ってことで、今作を見初めた各店の別注担当者たちを招集し、その魅力を思い思いに語り尽くしていただきました。

青谷克也さん/1980年生まれ。2003年に入社。2008年から現在まで、なんと16年もの長期政権を継続する名物バイヤー。サーファーとしても著名だが、実は近年テニスにもどハマり中とか。 中島広人さん/1990年生まれ。2013年に入社。店舗スタッフから店長、マネージャー職を経て、2023年から現職に。店舗経験が長く、ユーザーから直に吸い上げた声を生かした別注品も多数企画。 竹内脩太さん/1982年生まれ。20歳の頃から同社でバイトし、社員→店長→西日本エリアマネージャーへとステップアップした後、2016年から現職に。スマートウオッチと腕時計の二刀流。 野崎亮佑さん/1991年生まれ。2014年に入社し、都内の複数の店舗で販売員を務めた後、2021年から現職に。ストリートカルチャーをこよなく愛し、シルバーとゴールドのアクセも欠かさない。

【頭角を現すワケ①】
レトロフューチャーな趣きが
今の気分にマッチするから

竹内さん(以下、敬称略)いや〜、まさか八角形タイプのツノクロノが復活するなんて驚きましたよね。

中島さん(以下、省略) 古くからの時計好きは感涙してると思いますよ。73年にツノクロノが登場し、後に現れたと言われてる幻のモデルですからね。

野崎さん(以下、省略) へ〜、そうなんですね。

青谷さん(以下、省略) さすが時計のスペシャリストたち。勉強になります。

中島 しかも“カスタム”の名を冠してリボーンしてるところも通には響くポイントなんですよ。当時のシチズンは人気モデルをベースに、ケース形状などをアレンジした“カスタム”シリーズを展開しているんですけど、個人的には今作もその系譜を受け継いでいるというメッセージが込められているのかなって。

竹内 八角形ケースは決して色物じゃなくて、しっかり背景があるってことを知ると、定番物好きも嬉しいですよね。

野崎 そう言われると、たしかに今作もレコードレーベルが打ち出している“レトロフューチャー”ってコンセプトを色濃く感じます。12時方向にプッシュボタンを配した、アイコニックな“ツノ”っぽい顔つきを、エッジの利いた八角形ケースがよりレトロな雰囲気にまとめてる。

青谷 ただレトロだけど古くは見えないんですよね。むしろ存在感が増していて、時計=装飾品という意味合いが強くなった今の気分にもすごくマッチしてます。

竹内 ダイヤル外周にレイアウトされているタキメーターなんかも、正直なかなか使用機会はないけど(苦笑)、その“レトロだけど新鮮”なデザインにひと役買ってる気がします。

中島 クロノグラフ(ストップウオッチ機能)も同じように、リアルに使う機能というよりは、やっぱりメカニカルなビジュアルに惹かれる部分は大きいですからね。よく見たら5時位置に備えられたデイト表示もいいアクセントになってるなぁ。

竹内 あと細かい部分ですけど、滑らかに湾曲したケース下面の形状と、薄くてピッチの細かいメタルバンドも、趣深いデザインと実用性の両得に繋がってると思います。体格を問わずどんな人の腕にもしっかり沿ってくれて、めちゃくちゃ装着感がいい♪

野崎 たしかにゴツめのSSバンドにありがちな不快感は一切ありませんね。

中島 それと個人的には38㎜という適度に小ぶりなケース径もポイントが高い。視認性の高さとクラシックな雰囲気の最大公約数的なサイズ感だと思います。

青谷 たしかにこれだけメカニカルな顔つきであまりデカすぎると、悪目立ちする可能性もありますからね。嫌味なく主張してくれる絶妙な大きさですね。

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中島 ちょっと褒めすぎかもしれませんが、機能と見映えを調和させるために細か〜い部分にも神経を張り巡らせてる力作だと思います。だからこそ別注にも気合い入りまくりました(笑)。TiCTACでは、このレトロフューチャーなデザインを生かすために、ブラックのSSケース&バンドに衣替え。これは70年代にシチズンがリリースしていた“ブラッキー”というケースデザインに着想を得たもの。それにゴールドを組み合わせて、どこにもないスペシャル感を出しました。

青谷 なんか一気にラグジュアリーな雰囲気に変わりますね。

中島 まだバイヤーになる前に店頭で接客をしていた頃、ブラック×ゴールドの配色の時計がすごく人気だったんですよね。ケースに飾っていても目を引いて、試着率も高かった。「ツノクロノ カスタム」にこの鉄板カラーを採用したら、絶対に喜んでくれる時計好きが多いだろうなと。

野崎 渋くていい配色ですね。

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竹内 うちも今回の別注は色にとことんこだわっています。シチズンサイドにお願いして、濃度の異なるブルーとネイビーを何色も見せていただいたんです。実際にサンプルを仕上げた後も変更するなど、とにかくワガママを言って実現してもらった(苦笑)ライトネイビーダイヤルが特徴です。

中島 めちゃくちゃ爽やかですね。女子ウケもすごくよさそう。

竹内 さすがお目が高い! お察しの通り今回はチーム内の女性スタッフの意見も取り入れつつ、TPOを選ばず使いやすいかどうかなども加味して導き出した、ベストなカラーリングなんです。

青谷 TiCTAC別注と同じようにゴールドをアクセント使いしてますけど、印象はかなり違いますね。こっちもすごくセンスを感じます。

野崎 色を変えるだけでまったく表情が異なって見えるのは、「ツノクロノ カスタム」自体が個性的だからこそ。ホント今っぽいし、これを70年代にリリースしてたなんて、シチズンのデザイン力の高さには驚かされますね。

【頭角を現すワケ②】
着こなしに程よいエッジを
プラスしてくれるから

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青谷 「ツノクロノ カスタム」はギア=時計として実用的なだけじゃなく、ファッションアクセとしても、かなり使い勝手がいい。やっぱり八角形ケースはドレスにもカジュアルにも馴染みがいいんですよね、ビジカジ兼用派ならベーシックなラウンドより登板率が高いかも。ビューティー&ユースの“トラッド”や“キレイめ”、“爽やか”といったコンセプトにもすごくハマる。だから今回の別注はそれを突き詰めてテニスカラーにしてみました。

野崎 腕時計としてはかなり珍しいカラーコンビですよね。でもスポーティに見えすぎないところに、八角形ケースの底力を感じます。

中島 針の色がすごく特徴的ですね。

コーディネート製品は全て本人私物。

青谷 実は最初は、ありそうでなくて、視認性もよくて、キャッチーで……みたいな発想から針だけをネオンイエローにして、あとはシルバーのままにしようかと思ってたんです。でも自分が1年半前くらいからテニスにどハマりしてたこともあって、“あれ? ダイヤルの外周だけグリーンにすればテニスカラーじゃん!”って(笑)。サンプルが上がったらこれが想像以上に清涼感があって、個性的な「ツノクロノ カスタム」にも相性がよかったなって。

竹内 カジュアルな服装にもすごく映えてます。

青谷 今日のコーディネートも、実はテニスする時の服装なんです。このカラーリングなら自分も普段使いしやすい……なんて言うと完全に公私混同ですけど、想像以上にトラッ度も高くて、キレイめのハズしにも使えそうだし、大満足してます。

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野崎 実は僕もちょっと公私混同ってわけじゃないですけど(苦笑)、今回の別注には自分の好みを反映させました。というのも実は大のアクセ好きで、シルバーとゴールドを合わせると多分20〜30個くらいは持っていて。独創的なフォルムの「ツノクロノ カスタム」も、配色次第ではよりアクセ感覚で合わせやすくなるんじゃないかと思い、シルバーとゴールドを絶妙な配分で組み合わせました。

中島 たしかに今日のスタイリングにもすんなり溶け込んでますね。

コーディネート製品は全て本人私物。

野崎 いつもシルバーとゴールドのアクセを重ね付けする際、自分なりに整合性の取れたアイテム同士を組み合わせます。今回の別注品も、そういう日頃の経験を活かして、“アクセとして使った時にどう見えるか”を意識してオーダーしました。

竹内 メッシュバンドにしているのも個性的ですよね。

野崎 ありがとうございます。他にも3つのインダイヤルの背景を、それぞれ異なるパターンにしていたり、各色ともケースの仕上げを要所で変更していたり、細かいところまでわがままを聞いていただきました(笑)。

青谷 ストリートの香りがするのも野崎さんぽいというか、ビームスっぽいというか、全然違う「ツノクロノ カスタム」に仕上がってますね。

【プロダクト買い説】
インラインから別注まで!
ラインナップを総ざらい!!!

シチズン レコードレーベルの ツノクロノ カスタム

70年代に存在した八角形タイプのツノクロノをモダナイズ復刻。“ツノ”に見える象徴的なプッシュボタンや、伝統的なダイヤルデザイン、独創的な八角形ケースなど、レトロな意匠をきっちり踏襲している。左/「AN3700-62A」。右/「AN3700-54E」。各2万8600円。クォーツ。径38㎜。SSケース。5気圧防水。各世界限定1600本。

渾身別注5アイテム

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定番ツノクロノも要チェックです

1973年に“ツノクロノ”の愛称で親しまれたシチズン初の本格クロノ、「クロノグラフ チャレンジタイマー」をベースに、デザインや機能をモダナイズして21年に登場した定番モデル。レトロフューチャーなデザインは、ヴィンテージの空気感を重用する今の気分にもドンピシャ。左/「AN3660-81E」。右/「AN3660-81A」。各2万6400円。クォーツ。径38㎜。SSケース。5気圧防水。

問い合わせ先/シチズンお客様時計相談室 TEL 0120-78-4807
シチズンレコードレーベルサイト
シチズン公式Instagram ※表示価格は税込み


写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人

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