まるでレッドウイングの茶芯!? ナイジェルの育てるコートは毎年表情が変わる
絶対に失敗したくない「価値あるアウター」
「価値あるアウター」てなによ? それはズバリ「自分の趣味趣向」に合っていて“使えるじゃん”と心の底から思える一着のこと。 10年後もずっと新鮮な気持ちでいたい!なら……
すぐに体に馴染んで通好みにエイジング!
デニムや革ジャンなんかの無骨な服を育てる楽しさを忘れちゃいないけど、硬かったり、重かったりする服を、イチから体に馴染ませていくのをだんだん億劫に感じて……。なーんて方々に最適な一着をナイジェルで発見しました。
昔のフィッシングコートを下敷きにしたコイツ、オイルド風の重厚な佇まいですが、着るとメチャ柔らかで軽い! じつはこの生地は独自開発したもの。先染めのダンガリー生地に、微細な色素粒子であるナノ顔料をプリントし、意図的に色ムラ加工を実施。
さらにアクリルコーティング、仕上げにチンツ(蝋引き)加工と、なんとも手間のかかる工程で作られてるんです。結果、見た目と裏腹に最初から体に馴染み、オイルドのようなベトつきも一切ナシ。
バッキバキの本格ミリタリーやワークが得意なココにしては意外とも言える着やすさですが、この生地が本当に美味しいのは、着込んでいったとき。なんとアタリのついたところから、まるでレッドウィングの茶芯のごとく、下地の先染めダンガリーが現れる!
この辺りはさすがヴィンテージに精通したナイジェル。最新ナノテクを駆使して、改めて服を育てる楽しさを教えてくれる一着なのです。
もともと茶色のレザーを黒くコーティングしたもの。レッドウィングに限らず昔の革ジャンやカバンなどにも見られる手法で、使ううち下の茶がぼんやり現れ、イイ雰囲気に。
Nigel Cabourn[ナイジェル・ケーボン]
フィッシングコート
時間の経過とともに、ますます深い味わいが布地の奥から現れるように設計したスペシャルファブリックを使用。ヴィンテージコートからサンプリングしたデザインも雰囲気たっぷりです。9万6800円(アウターリミッツ)
下地が表出するヴィンテージ“ナノ”加工
10 years later !?
時間経過とともに、深い味わいが現れる
「ヴィンテージ服の繊維組織まで、とことん研究した者でしか作り得ない特製生地です。」
デザイナー
ナイジェル・ケーボンさん
濃厚オイルドに見えても着心地は超ライト!
パープルマウンテンオブザーバトリーのベスト2万3100円(シップス 銀座店)キャプテンサン シャインのシャツ3万3000円(キャプテンサンシャイン)タンジェントのパンツ3万5200円(タンジェント)ダナー×アークネッツの靴5万600円(アークネッツ)
裾を折り返してボタンで留めると、ショート丈のジャケットに早変わり! 別売りのライニングも装着できるじつに機能的な作りだ。
10年後も新鮮に付き合える【育つ】アウター
コットンギャバジンが古い仏映画で見るような哀愁たっぷりに育つ!
SANYOCOAT[サンヨーコート]
100年コート Anniversary Model
青森県の凄腕コート工場が仕立てる「100年コート」10周年記念作。高級オーガニック綿の先染め糸による高密度生地と60年代の英国コートから着想を得たデザインにより、抜群にムードあるコート姿が築ける。19万8000円(SANYO SHOKAI カスタマーサポート)
ピーチ&タンブラー加工で綺麗に着込んだ風合いに
シャンブレーのボディが白い芯を覗かせながら奥行き豊かな色合いに育つ
ROCKY MOUNTAIN FEATHERBED
[ロッキーマウンテン フェザーベッド×ウエアハウス]
キャンバリーダウンベスト
ロッキーの定番ダウンベストのボディに、芯までインディゴで染めない、ウエアハウスお得意のロープ染めシャンブレーを用いたモデル。着込むほどシャンブレーの白い芯が覗き、微妙な濃淡のある味わいある色合いに育つ。6万9850円(ウエアハウス東京店)
ウエアハウス十八番のロープ染めシャンブレー
※表示価格は税込み
[ビギン2024年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。