絶滅危惧なネイティブアクセサリーの現在地を知る。Begin12月号は現在発売中
現在発売中のBegin最新号12月号は「絶滅危惧服」特集です!
遠い昔、はるか彼方の海のどこかで……(ってこれは某名SF大作のおなじみの始まり方ですが笑)、
銀河系ではなく地球上で、海から始まりあらゆる生命は繫栄と衰退を繰り返しながら命を繋いできました。残念ながら息絶えてしまったり、今もなお存続を懸け闘っているのが、「絶滅危惧種」。
じつは、服にも「絶滅危惧」なアイテムがあるのです!
本場の地で作れなくなってしまうもの、素材の確保が難しいもの、
作り手の高齢化で存続が危ういもの、そもそも数を多く生み出せないもの、
世界情勢が理由で突然買えなくなるもの、、、。
本特集は、そんな希少な服をカテゴリー別に紹介しています!
今回は、絶滅危惧なネイティブアクセサリーの現在地をちょい見せ!
「コロナ以降、とくにホピ族の作家は著しく減少傾向に……」
18世紀後半頃からスペイン人らとの交易品としてはじまり、今では希少なアクセサリーとして世界的な評価を得ている、ネイティブアメリカンが作るジュエリー。ただ近年は流通数が減っているとか……。
「そうですね、端的にいうとコロナ禍が大きく影響しました。コロナの影響はネイティブジュエリーの業界でも例外ではなく、買い付けの場が減り、ジュエリーの流通が減りました。作家にも生活があり、ジュエリー作りでは経済的に厳しいという人が増え、ジュエラーを辞める。もしくはジュエラーになろうという若者も減った。ナバホ、ズニ族はそれほどでもなかったようですが、顕著だったのがホピ族です」

ネイティブジュエリーといえばナバホ、ホピ、ズニの3つの民族によるものが有名ですが、ではなぜホピだったのでしょうか? 「ネイティブアメリカンがジュエリーを持ち込んで、販売してもらう、トレーディングポストというお店がニューメキシコ州のギャロップという街に多くあります。ここや米国ではナバホのジュエリーが人気なんです。またナバホ、ズニはギャロップに近いところに居住区があるんですが、ホピは遠くて車で3、4時間ほどかかる。コロナ禍以降の物価やガソリンの高騰が追い打ちをかけ、ジュエリーが売れにくいなかで、材料の調達やジュエリーを売るための、ギャロップへの往来が減ったんですね。こうして作家を辞めて他の職業に就く人が増えた。僕も最近、現地に行ったばかりですが、ホピはギャラリーの閉鎖なども目立って、流通するジュエリーも確実に減ってきていると実感しています」
教えてくれた人!

すると伝統的なオーバーレイの技法や、古い意匠のマンインザメイズといった、ホピならではのジュエリーは、より希少になっていくのでしょうか!?
「今はまだ大丈夫だと思いますが、ゆくゆくは希少になっていくかもしれません。というのもホピは作家の分母の数自体が少なく、高齢化も進んでいますから。例えばマンインザメイズの巨匠、ジェイソン・タカラは病気を患って、以前のようには数を作れなくなってきましたし、ウチではお馴染みだったゲイリー&エルシー・ヨヨキーの作品の入荷が以前より遅れるようになったり。ジュエラーになる若者も減っていて、技術の継承もままならない状況です。ネイティブジュエリー好きなら、ぜひ知っておいた方がいいかと」
な、なんとホピのジュエリーは、思わぬうちに絶滅危惧種に……。ナバホの力強い作風とはまた違った、神秘的な魅力をもつホピのジュエリー。惹かれる作品に出会ったら、そんな状況を意識した方がいいのかもしれません。
他にも日本製デニムやチマヨベストなど、職人減少で絶滅が危ういアイテムが登場します。気になる……!という方は、是非Begin12月号を手に取ってみてくださいね。
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ビギン編集部 アンドウ
アクセサリーはつけない派、と言いつつ本当はただ金がなくて買えないだけのえせヒッピー。ランダーブルーを埋め込んだアクセサリーがほしい!