“焼き”の奥義をマスターすべし。 おうち焼肉の10大事項 #7,8,9
肉好きはこの特集を熟読すべし。今や自宅でも高級焼肉店に負けない激ウマッ!! な焼肉が食べられるんです。しかもリーズナブル、かつスマートに。ここでは“おうち焼肉”を賢く楽しむための重大な10大事項を発表します!
上司に怒られない!? 焼肉奉行への第一歩
“焼き”の奥義をマスターすべし
どんないい肉を買っても、ひとつ焼き方を間違えればすべて台無し。ここでは、焼肉番長・松浦達也さんが見出した“焼き”の極意を肉別に解説。ホームパーティはもちろん、上司や取引先との焼肉会食でも役立ちます!
07.厚切り肉の焼き方
ミディアムレアになるよう狙いを定める
牛脂を引いて煙が上がったら肉を置くタイミング。強火で焦がさないよう5回返しつつ、表裏に焼き目がついたら引き上げ時。さらに1分ほど余熱で中までじんわり火を通したら食べ頃。目指すは中心部がほんのり赤いミディアムレア。厚切り肉を最大限生かす焼き加減です。
まず脂身は筋ごとカット
脂身は火が通りづらい。赤身に注力するなら、脂身はあらかじめ筋ごとカットを。見た目も味もグンとよくなる。
決して同じ場所にひっくり返さないこと
5回返しが鉄則!
厚切り肉は表面だけ焦げて中は生焼けになりやすいので少しずつ焼く。5回返しで片面を3回ずつ焼くくらいがベストだ。肉を置いた箇所は鉄板の温度が下がるので、鉄板を一周するようにひっくり返しながら焼くと無駄がない。
端っこ持ちで華麗に焼き上げろ
肉は端を持って返せば、短時間で均一に焼けて合理的。生肉は念のため直箸は避け、トングで持つようにしよう。
余熱でじんわりフィニッシュ!
肉を引き上げたら1分ほど休ませること。内側にじんわり余熱を伝えることで、最高の状態に仕上げるのだ。
やりがちだけど、これはNG
6面焼き
全面焼くとカッチカチやぞ! 基本は表裏2面焼きでOK。サイド面の赤みを見て、中心の焼け具合をジャッジしよう。
タレ放置プレイ
冷たいタレに浸しっぱなしにすれば、熱々お肉も冷え冷えに……。まずくなるだけでなく、肉への冒瀆に他ならない。
08.薄切り肉の焼き方
返しは1度が原則。ベストタイミングを見極めろ!
薄切り肉は焼きすぎると硬くなるため、ひっくり返すのは原則1回。強火で両面に焼き目をつけたら、直ちに引き上げる。薄切り肉を休ませるのはNG。余熱でパサパサにならないうちに、美味しいところをパクッといこう。焼き時間は片面6割、もう片面を4割程度を目安に焼くとちょうどいい塩梅に。
ひっくり返すのはちゃんと“焼き目”を確認してから!
薄切り肉は何度もイジっているとボロボロに……。美味しそうな焼き目がついたか確認してからひっくり返そう。
09.ホルモンの焼き方
正しく焼けばホルモンの奥深き世界が待っている!
ホルモンは鮮度が命なので、まずはフレッシュなホルモンを選ぶことが大事。皮目は8割目安でじっくり焼けば、いかにも臓物っぽいクチュクチュ感がなくなり、パリッと香ばしく焼き上がる。タレのホルモンは焦げ付きやすいので、他のタレものとまとめて焼こう。そのほうがプレートも汚れにくい。
弱火でじ〜っくり焼き上げること
ホルモンが焦げる問題は、弱火でじっくり焼けばノープロブレム。焼く前にタレをよく切ることもポイントだ。
教えてくれた方
食卓を牛耳る!? 焼肉番長
松浦達也さん(フードジャーナリスト)
これまでに訪れた焼肉店は1000軒以上。おうち焼肉にも精通する焼肉番長。著書に『大人の肉ドリル』(マガジンハウス刊)など多数。
[ビギン2018年4月号の記事を再構成]
写真/北生康介 藤沢徳彦 文/間中美希子 スタイリング/佐々木 誠 イラスト/TOMOYA