万双がついにホーウィンコードバンと初邂逅!! 想像超えの傑作が完成

エラスティックシューズがヒントの革新的ポケットにもご注目！

品質の高さは世界トップクラスと誉れ高い、鞄や革小物、革ベルトの万双（1995年創業。本店：東京・アメ横、支店＆工房：兵庫県神戸市）は、これまでブライドルレザーやオリジナルレザーなどとともに、国産コードバンを使った製品を手がけてきました。が、「ホーウィンコードバンの革小物も欲しいっ」てな顧客からの要望を受け、このほど、ついにブランド初のシェルコードバン（米・ホーウィン社のコ―ドバンのことです）製品を展開する運びとなりました。

その「ダブルホーウィン」シリーズでは、特別なツヤ出し仕上げを施したシェルコードバンを表版に用いつつ、ホーウィンのもうひとつの著名レザー革であるオイルアップレザー「クロムエクセル」を内造り素材に採用。使って愛でるほどに色＆ツヤを深める、これら超傑作エイジングレザーをダブル主役（！）にすることで、ほかでは見ることのできないスペシャルな革小物に仕上がっております。

6アイテムで構成される、このシリーズ。そのなかでBeginが注目したのが、写真上の「センターカバー二つ折り財布」です。というのも、ホーウィンの2大エイジングレザーを使いながら、デザインにおいては革鞄や革靴から発想を得たディテールが取り入れられているからなんです。たとえば随所に見られるなだらかな流線は、万双の代表作であるダレスバッグのスロープドショルダー（なで肩ライン）がモチーフなのです。

また、2つ折りの背部分をより強固にするべく、そこに縫合された補強パーツは革靴のバックステイがヒントであり、本品を大変ユニークなものにしている、カード段前身頃に仕込まれたゴムバンド（カードの出し入れをスムーズにし、収納枚数を増やす役を担う）は英国伝統のエラスティックスシューズにインスパイアされたもの。と、革靴由来の工夫も凝らされております。ちなみに「革鞄はともかく、なぜ万双が革靴？」とも思うワケですが、じつは企画・開発者のひとり、北山雅人さんは有名な某高級靴ブランドの元スタッフ。靴に精通する北山さんが関与したからこそ、生まれた画期的アイデアなんです。

さらにホーウィン・ファンにとってウレシすぎるのが、コイン室前身頃の「FAMOUS LEATHERS Horween」×「SHELLCORDOVAN & CHROMEXCEL」の刻印でしょう。シェルコードバンとクロムエクセルの両方が主役であることを証す、このロゴの使用はおそらく世界初！　ホーウィン社が万双のすこぶる高い技術力を認めたがゆえに、この超スペシャルな刻印が実現したと推察します。

と、語るべきウンチクがてんこ盛りの、この「ダブルホーウィン センターカバー二つ折り財布」。より詳しいことは下記で解説してますので、興味をそそられた人はそちらもご覧あれ。ってことで、世の革好きやホーウィン・ファンにとって垂涎のコチラは現在、予約受け付け中。ですが、予約だけで次回生産まで完売状態になってしまう可能性がありますから、「なる早で我がモノにしたいっ」てな人には早めのオーダーが正解かと思う次第です。

表版のシェルコードバンと内造りのクロムエクセル（写真）は、万双独自の菱縫いで縫い合わされているのだが、前者は繊維が緻密ゆえに針入れが難しく、後者では強いコシが得られる4mm厚の材料革（通常は2mm厚程度）を剥（す）き込んで使用しているため、やはり縫合の難度が高いものとなる。そのうえ、両レザーともにオイル含有量が多いとあって、貼り合わせても縫製時にズレや浮きが生じやすいという問題も。このことから、縫製職人はこれらの作業において高い技術とともに、たえず強い緊張感を求められるという。

革靴に多く見られるバックステイ（back stay／ヒールカップにて縦状の縫い割りを隠し、耐久性を高める小パーツの総称）を参考に、2つ折りの背部分にコードバン製の補強革を縫合。これが、折り曲げの繰り返しで負うダメージを軽減する役を果たすのだ。しかも、この補強革と表版の切り替えに、万双を象徴する「ブライドル 二つマチダレス」などに見られるスロープドショルダーの優美な流線を取り入れて、コンパクトながらダレスバッグのごとき重厚なたたずまいも表現した。

ダレスバッグのたおやかなシルエットは背部分（上記参照）にとどまらず、コイン室フラップやカード段にもうかがえる。また、そのカード段の1室では、英国の伝統的意匠であるエラスティックシューズ（履き口周りの一部にゴムが織り込まれた生地が縫い付けられた靴の総称）をヒントに、前身頃のセンターシームに伸縮性のあるバンドを仕込むことでカードの出し入れをスムーズなものにし、同時にカード4枚程度の収納を可能に。結果、他のカードポケットと合わせて、本品では約10枚が収納できるのだ。

コイン室前段に施された「FAMOUS LEATHERS Horween」×「SHELLCORDOVAN & CHROMEXCEL」のロゴ刻印。ホーウィン社には刻印に関する厳格な規定があり、シェルコードバンには「SHELLCORDOVAN」の、クロムエクセルには「CHROMEXCEL」の刻印しか押されることはない。が、「両方の革が主役であることの証明にしたい」との万双の情熱により、今回、この超スペシャルな刻印が実現した。

「ダブルホーウィン」シリーズのスナップボタンは全て、独・プリム（PRYM）社製だ。ベルギー国境のほど近くに位置し、16世紀から真鍮製造の一大生産地だったシュトルベルクにて1530年（日本では戦国時代真っただ中！　この年、上杉謙信が生まれている）に創業し、いまなお、その地に本社を構える同社のスナップボタンは見た目に大変美しいというのみならず、しっかりと閉じることができ、耐久性と信頼性にも富むとあって最高品質と評されている。

まだある（！）「ダブルホーウィン」シリーズの要チェック革小物

シェルコードバンとクロムエクセルがダブル主役の「ダブルホーウィン」シリーズには、「センターカバー二つ折り財布」のほかにも魅力的な5つのアイテムがラインナップされています。そこで以下では、簡単ながらそれらもご紹介。いずれも万双が自慢の超絶仕立て＆仕上げが堪能できる絶品ばかりです！　※「ダブルホーウィン」シリーズは全製品がブラック、ダークバーガンディ（No.8）の2色展開となります。
 

「ダブルホーウィン 被せ型財布」

ミニ財布ながら計7枚のカード収納が可能。フラップを開いた際の胴面に2室を配置。ここに使用頻度の高いカードを入れておくと便利だ。また、コイン室裏のカード室では段差をつけて取り出しやすくする工夫も。そのコイン室は薄いながら口開き良く、札室もあおり構造で紙幣の出し入れ楽勝。W10×H8.8×D2.3cm。4万2900円
 

「ダブルホーウィン 二つ折り財布 小銭入付き」

従来の2つ折り財布に比して縦サイズを少し短縮し、横長形状にすることで欧州ブランドの財布っぽい雰囲気に。カード段は4室構成だが、その裏のマルチポケットに2、3枚が、コイン室内のフリースペースにも約5枚が収まるなど、カード収納が強化されている。札室1室併載。W12×H9.8×D2.2cm。4万9500円
 

「ダブルホーウィン ラウンド長財布」

クラッチバッグ代わりにもできる豊富な容量＆高汎用性が魅力で、札室に紙幣が20枚以上収まり、カード室は計12室という充実ぶり。革靴のバックステイ＆ダレスバッグのスロープショルダーを由来をとする背部分の補強パーツは、クラッチング時の安定感にも寄与する。YKKの最高級金属ジッパー「エクセラ」採用。コイン室1室、マルチポケット2室併載。W19.7×H10.2×D2.4cm。8万5800円
 

「ダブルホーウィン 長財布 小銭入付き」

胸ポケ入れしてもジャケットのシルエットに響かぬよう、強度を犠牲にせずに可能なかぎり薄く仕立てられた、高度な職人技が実感できる逸品。札室に紙幣約15枚が、カード室にカード約10枚が収まる。コイン室1室、マルチポケット1室併載。W19×H9×D1.8cm。7万4800円
 

「ダブルホーウィン 名刺入れ」

カード室3室を連結させた構造が収納力を各段に高め、かつジャバラのようにフレキシブルに開閉するとあって、名刺などの出し入れを超スムーズに！　また、たたんで、被せのスナップボタンで留めることで厚みを抑えることができるのもアリガタイ。W10.5×H7.2×D2.3cm。3万800円

問い合わせ先／万双 東京店　☎ 03-3832-6461　万双 神戸店　☎ 078-331-6661
https://www.mansaw.net

※表示価格は税込み

文／山田純貴