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「ジャンボジェット」浮!ラグビー日本代表、ワールドカップ本番に向けて6月から本格準備へ

9月8日のラグビーワールドカップ2023フランス大会開幕まで5カ月余りとなった。2019年の日本大会で初のベスト8入りを果たし全国にラグビー旋風を巻き起こした日本代表は、現在リーグワンの各チームで各選手たちが戦いを繰り広げている。

代表候補選手は現時点では発表されていないが、決勝が5月20日に行われるリーグワンのシーズン終了後、休養期間を経て6月9日に招集され、長期間の合宿に入る。ワールドカップ本番に先立ち、7月からは強豪チームを日本国内に迎えて試合を行うことになっており、入念な準備と実戦を重ねてチームとしての強化、成長を図る方針だ。

リーグワンの公式戦や各チームを直接視察するなど、選手のチェックを進めている日本代表のジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、記者会見でこれから本格的な準備に入る日本代表を、またその合宿を「ジャンボジェット」と表現した。

ワールドカップ2大会連続で日本代表を率いるジェイミー・ジョセフHC
ワールドカップ2大会連続で日本代表を率いるジェイミー・ジョセフHC

「合宿はジャンボジェットに例えている。6月から7月にかけてその機体を少しずつ上昇させていきたい」

“ジャンボ”と形容した一方で、その「定員」は絞る方針も示した。昨年は50~60選手という広いスコッドを組み大所帯で合宿を行ったが、今回は2チーム組める程度の人数で合宿に臨む。

「(これまでと)違ったチャレンジが必要で、効率よくしていくことが重要です。45~46人の選手を集め、最終的に23人が(試合に)出る。小規模の方が選手は試合をたくさんできる」(ジョセフHC)

そのような構想の合宿を経て、7月から8月にかけて組まれている試合は下記の通りだ。

■7月8日(土) 秩父宮ラグビー場(東京)
リポビタンDチャレンジカップ2023
JAPAN XV vs All Blacks XV

■7月15日(土) えがお健康スタジアム(熊本)
リポビタンDチャレンジカップ2023
日本代表 vs All Blacks XV

■7月22日(土) 札幌ドーム(北海道)
リポビタン D チャレンジカップ2023パシフィック・ネーションズシリーズ
日本代表 vs サモア代表

■7月29日(土) 東大阪市花園ラグビー場(大阪)
リポビタンDチャレンジカップ2023 パシフィック・ネーションズシリーズ
日本代表 vs トンガ代表

■8月 5日(土) 会場未定(日本国内)
リポビタンDチャレンジカップ2023 パシフィック・ネーションズシリーズ
日本代表 vs フィジー代表

■8月26日(土) 会場未定(イタリア)
日本代表 vsイタリア代表

7月前半に対戦するAll Blacks XV(オールブラックス・フィフティーン)は、ワールドカップの優勝候補の一角であるニュージーランド代表「オールブラックス」の選考から惜しくも漏れた選手たちによって構成されるチームだ。いわば代表の2軍に相当するが、現在開催中のスーパーラグビー パシフィックで鍛え上げられた名手たちが集うこととなるのは間違いなく、その実力は折り紙付きだ。日本との2連戦のパフォーマンス次第では代表に昇格する可能性もあり、モチベーションが高い状態で来日することになるだろう。

7月下旬から8月上旬にかけての3連戦は、これまでも「パシフィック・ネーションズ(カップ)」の名称で環太平洋諸国間で行われてきた大会で、フィジカル面でワールドクラスの強さを誇るサモア、トンガ、フィジーを日本に招く形で行われる。特に注目すべきは7月22日(土)のサモア代表戦だろう。ワールドカップでは日本代表と同じプールDに入っており、9月28日(火。現地時間)にトゥールーズで対戦することが決まっている。その2カ月前の前哨戦でどこまで手の内を明かすのか、明かさないのか、必見の一戦となる。

8月26日(土)のイタリア戦はワールドカップ本番前最後のテストマッチとなる。年々実力を蓄えてきたイタリアだけに、ワールドカップに向けて準備してきた日本代表にとっては最高の腕試しの相手と言えるだろう。

昨年からチームのまとめ役という大役を任されている日本代表HO坂手淳史キャプテン
昨年からチームのまとめ役という大役を任されている日本代表HO坂手淳史キャプテン

気になる日本代表候補のメンバーだが、昨秋までコンスタントに出場し活躍してきた選手が軸となるだろう。キャプテンのHO坂手淳史はもちろん、2015年、2019年と2大会連続でキャプテンを務め5月には世界選抜の一員となる予定のFL/NO8リーチマイケル、すでに世界を股にかけて活躍しているFL/NO8姫野和樹やWTB松島幸太朗といったプレイヤーは不可欠な存在だ。

成功裏に終わった前回大会を経験した坂手キャプテンをはじめとする選手も、そしてコーチ陣も「準備の大切さ」を強調している。6月からの3カ月に渡る大事な準備期間を経て、日本代表はワールドカップでどのような結果を残すのか。期待を込めて見守りたい。

編集者兼ライター
齋藤龍太郎

《ワールドワイドにラグビーを取材中》
編集者として『ラグビー魂』をはじめとするムックや書籍を企画。2015年にフリーの編集者兼ライターとなり、トップリーグをはじめ日本代表の国内外のテストマッチ、ラグビーワールドカップを現地取材。フォトグラファーとしても活動。著書に『オールブラックス・プライド』(東邦出版)。

文・撮影/齋藤龍太郎(楕円銀河)

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