ビームス 代表 設楽 洋さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #099
「半世紀前の母の言いつけを守ってようやく手に入れた“バイク”です」
ビームス 代表 設楽 洋さん
50年以上もの間ずっと抱いてきたコンプレックスがあります。バイクの免許がなく、自転車以外では風を切って走ったことがないんです。
高校時代から母親に「ほかは何をしたって構わないけど、バイクにだけは危ないから乗らないでくれ」と強く言われていて。いろいろ反抗はしましたが、その言いつけだけは守り続けてきました。ただ、半世紀を経た現在でも憧れは止みません。
そうしたときに出会ったのが、フロウの電動アシスト付き自転車でした。バイクのような佇まいに、コレだ!と胸がトキメいた。
すぐに直営店へ向かい、いたるところをオプションパーツに組み替えて、よりいっそうバイク然とした風貌にカスタマイズしました。見た目だけでも長年の夢を叶えるために、手を尽くせる限り徹底的に。
昔からアメリカが大好きですし、映画『イージー・ライダー』世代だから、やっぱり理想はハーレーダビッドソンのチョッパー。それもあって、スピードではなく風に憧れてきました。
まだ納車されたばかりなので近所しか走れていませんが、今度の休みにでも葉山の別荘に持って行くつもりでいます。風を感じながら、海辺をゆっくり“転がす”のが楽しみです。
けど、こんなのに跨っていたら、天国のお袋に叱られるかも。でも「バイクみたいだけど自転車だよ。ちゃんと今でも約束は守っているから心配するなよ」ってね。
FLOW[フロウ]
電動アシスト ミリタリー 自転車
日本の新興e-バイク。走行距離はフル充電で約60km。サスやディスクブレーキ、ファットタイヤを標準装備し、街乗りから悪路まで◎。オプションパーツも充実し、幅広いカスタムが可能。ノーマル車両33万円(FLOW)
ビームス 代表
設楽 洋(したらよう)
1951年生まれ。ファッションを中心にハッピーライフを創造するビームスのボス。バイク以外にもクルマやギター、恋の記憶が蘇る葉山の海の風景など、青春時代の憧憬を年齢を重ねてから一つ一つ叶えている。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。