2500円で巨匠の作品が!?ってマジかよ~!
コスパ遺産との出会いは
思わぬところにある
瓢箪から駒が出るなんて諺がありますが、人生を変えるコスパ遺産(=後世に残すべきコスパな傑作たち)も意外なところで見つかるもので。
たとえば下の「御朱印帳」2500円。独特の画風からピン! ときた人もいるでしょうが、表紙画はかの巨匠・横尾忠則氏の作品でして、これを買える場所は世界でただ1か所。お洒落な雑貨店でもなければ美術館でもない、埼玉は川口にある神社なんです!!
世にも珍しい、このサイケで和洋折衷な御朱印帳が誕生した経緯はまず、件の鎮守 氷川神社の宮司を務める鈴木邦房氏が、対談でご縁のあった横尾氏に神社を題材にポスターを制作してもらったのが発端。
表紙画はそのポスターが原画で、太陽の顔は宮司をモデルにしているとか。ちなみに、これだけ緻密な画を西陣織で表現しているのも特筆点。裏糸が透けないよう通常よりかなり密に糸を打ち込んだそれは、モノとしての存在感も凄い。となれば、信心どうこうなしに欲しくなるのも当然です。バチあたり?
いえいえ、八百よろずに神が宿るのが日本古来からの神道思想。モノから始まるご縁もまた素晴らしいとは、当の鈴木宮司のお考え。たまの休日、お気に入りの御朱印帳を手に、神社やお寺巡りをしてみる。な〜んか人生、今より豊かに変わりそうじゃない?
鎮守 氷川神社の横尾忠則 画 御朱印帳
プリントじゃなく西陣織で画を表現
毎月15日、当地にて100冊限定で頒布されます
横尾忠則氏のポスターを原画とする御朱印帳。特殊な織機を用い、通常の1.5倍近くの密度で織られる京都西陣織表紙のそれは、月産100冊が限界。現状では毎月15日の朝8時30分時点で整理券100冊分を配りきってしまうほどとか。幸運を! 初穂料2500円(御朱印代含む)。
糸の密な打ち込みは圧巻!
一筆一筆 手書きでいただける
参拝の証にいただくのが御朱印。手書きの筆字にも味がある。同社では四季ごとにご神影の判の色を変える。写真の紫は冬限定。
横尾デザインは
それだけでインテリアになる
鎮守 氷川神社
埼玉県川口市青木5-18-48
川口オートレース場至近にある室町時代初期から700年近くの歴史を持つ神社。スサノオノミコトとクシナダヒメノミコトの夫婦神を祭ることから、縁結びの神社としても親しまれる。
[ビギン2018年3月号の記事を再構成]
写真/上野 敦(プルミエジュアン) 竹内一将(STUH) 齊藤遼子 文/秦 大輔 礒村真介 押条良太(押条事務所) 桐田政隆 黒澤正人 今野 壘 間中美希子 井上健太郎 宮嶋将良(POW-DER)イラスト/田中 斉 TOMOYA 撮影協力/ BESS