特集・連載
最高級素材の最安値!?を勝手に探訪！ 良ブランド×希少素材のお値打ち品5選
安くてイイ冬服 そろそろ冬風の準備をしないとな、な時季。冬も想定した服を買い足すとなるとどうしたって値が張るじゃない？ ってことで、今回はお財布にもやさしい春まで使える超コスパ服を中心に、情熱実況しちゃいま～す♪ この記事は特集・連載「安くてイイ冬服」#12です。
冬に本領を発揮する最高のニットと出会うべく、上質な素材をかっこよく＆割安で楽しめるビギン的ハイコスパな一着を独断と偏見でリサーチ！ 世界各地にいる四本足のお友達から紡がれる傑作選。ようこそ、モフモフの底なし沼へ♡
①ジム×メリノ種ヒツジ
落ち着いたツヤ感のある羊毛の中でも最高級の極細繊維！
￥19,800
gim［ジム］
スーパー140’s 30G クルーネックニット
1965年創業の老舗ニットメーカー、ジムが展開しているのが、この30ゲージのウールニット。閑散期の工場へ編み立てを依頼することで、高品質&低価格が実現できているというワケ。
使用しているのは「ウルトラスーパーファインウール」とされる、高級なスーツでお馴染みのスーパー140’sの極細繊維。それを贅沢にも、国内に数台しかない、天竺専用の編み機で生産され、素肌にも心地よい抜群の肌触りの良さに仕上がっています。（ジム）
メリノ種ヒツジ／MERINO SHEEP
スペイン原産で、繊細で上質な繊維が採れるよう人工的に交配・改良された品種。かつてはヨーロッパの王室向けに生産されていた。
②シップス×フタコブラクダ
寒暖差の激しい環境下で育ったラクダの産毛だけを紡績！
￥23,980
SHIPS［シップス］
5GG 2PLY ベビーキャメル クルーネック ニット
通常、ベビーキャメルとされるのはおおよそ生後2年以内。しかしこのニットでは生後5か月までの個体の原毛だけを使用したよりハイグレードなものなので、さらに上質&希少！
シップスでは長年取引のあるミャンマーのニット工場に生産を依頼することで、中国製などに比べてコストは抑えながら、高いクオリティを保つことができるという仕組み。バイヤーが数年の歳月をかけて構想し、悲願が実ったプロジェクトなのだ。（シップス 渋谷店）
脱毛期の採取で、動物にも優しい。でも、採れるのは一生に一度きり！
フタコブラクダ／BACTRIAN CAMEL
野生では中国北西部やモンゴルに分布する草食動物。背中のこぶの中身は脂肪で、長い期間、食事なしでも生き延びることが可能。
③ザ イノウエブラザーズ×アルパカ
心地よさと暖かさ、そして丈夫さと三拍子揃った珠玉のアルパカ製！
￥39,600
THE INOUE BROTHERS［ザ イノウエブラザーズ］
ベビーアルパカクルー
2004年の創設時から高い社会意識を示して物作りを続けてきたブランドらしく、このニットも仲介者を一切介さないダイレクトトレードで、ペルー先住民のアルパカ農家と直接やり取りして生産しているそう。
素材の質や身幅広めの贅沢シルエット、レザーによる補強などもさることながら、生産者から着る人まで、関わるすべての人が幸せになれる、本物のラグジュアリーさが粋です！（ザイノウエブラザーズジャパン）
ベビーアルパカの中でも、使うのは生まれて最初にカットしたものだけ！
アルパカ／ALPACA
ラクダやリャマの仲間。南米、アンデス山脈の湿潤高原地帯が主な生息地域で、温厚だが怒るとツバを吐きかけてくることがある。
④サイドスロープ×ヤク
アレルゲンが少なく敏感体質でも堪能できる極上の肌触りをヤク束
￥46,200
SIDE SLOPE［サイドスロープ］
モンゴリアン ヤク 100％ クルーネック
原毛の希少さゆえ、ニットの中でも圧倒的に珍しいとされる約ならぬ、ヤク100%の一着。遊牧民が育てたモンゴルのヤクの原毛を現地の工場で一貫生産して物流コストやマージンを最小限に留め、かつ担当者が現地に駐在していたことで品質向上とコスト削減の両立が叶ったそう。
シワや毛玉になりにくく、保温性も高いヤクの毛は日本でも歴史が古く戦国の世にはかの徳川家康公も愛用したんだとか。（ヘムトPR）
高価なヤクの毛を使った兜は戦国の世でもシンボル！
ヤク／YAK
標高3000m以上の山岳地帯に生息するウシの仲間で、長毛・大型の動物。生息場所が高所であるほど、繊維が上質になると言われる。
⑤ボーディ×カシミヤゴート
モンゴル産のホワイトカシミヤは染めの発色・質感ともに頂上レベル！
￥55,000
ボーディ［BODHI］
プレーン カシミヤセーター
エクリュに近い原毛のトーンからその名がついたホワイトカシミヤは、そもそも高級原料のカシミヤの中でも、正真正銘のトップグレード！ そんな至高の素材を贅沢に100％使うことで存分に活かし、日本人デザイナー・水谷氏が目指したのは、いつの時代でも色褪せることのないベーシックな一品。
昔ながらの編みの製法を踏襲しつつ、目の詰まった12ゲージで厚みもしっかり伴った豪華なセーターだ。色のりの美しさも、この素材ならでは。（ボーディ）
カシミヤゴート／CASHMERE GOAT
インド・パキスタン北部にある山岳地帯の名に由来する品種で、厳しい気候から身を守るための産毛が毛糸として使用される。
最高級素材のおせっかい解説
スーパー140’s
仕立ての際に聞くこともあるこの単位は、「原料の繊維の細さ」を表すもので、数値が高いほど細いとされる。ちなみに、「繊維の集合した糸の細さ」は番手。
フタコブラクダ
ラクダは大きく「ヒトコブラクダ」と「フタコブラクダ」に分かれるが、素材には後者が殆ど。ヒトコブラクダの毛は太く短いため、繊維には不向きとされる。
徳川家康公
④のヤクの毛を使った兜の写真は別の兜だが、戦国時代には輸入国の名前をとって「唐の頭（からのかしら）」と呼ばれ、鎖国中も清を経由して極秘で輸入されていたという説も。
ベビーアルパカ
アルパカの上質なラインとして、ストールなどに使われる「ロイヤルアルパカ」もあるが、耐久性に優れていることから、衣類にはベビーアルパカが重宝される。
モンゴル
モンゴルには「内と外」があるのをご存じだろうか。中国領土内、北側に位置するのが「内モンゴル自治区（南モンゴル）」で、カシミヤの宝庫とされている。
※表示価格は税込み
［ビギン2022年12月号の記事を再構成］スタッフクレジットは本誌をご覧ください。
