ぜ～んぶ1万円台！ シップスのベテランから新人に受け継がれる1,2,3名品

名店の店頭に立つ懐の厳しい新人へ、ベテランの先輩が授ける服。それ即ち、安くてイイ服のお手本なんでない!?　この道を行くには、どんな服が必要になるか。シップスのTOP3を聞くぞ！　ダ～ッ！

「新人よ、迷わずいけよ、買えばわかるさ……」

左／坂本峻也さん「先輩の接客術を真似ぶキッカケにもなった私的“三種の神器”です」
右／高橋省吾さん「新人時代に店長のゴリ押し？で全身一式買ったっけなぁ（笑）」

坂本　意外だったんですけど、新人にコレを買え！みたいな指導ってないですよね。買うか迷ったら、自ら先輩に聞きに行くことが多い気がします。

高橋　それがシップスの伝統かもね。俺の新人時代もそうだった。何着て店頭に立てばいいかわからなかったから、店長に聞いてニットとシャツとパンツを一式買った記憶がある。今思い返すといいお客さんだったなぁ（苦笑）。

坂本　でも制服なの!?ってくらいみんなが着てるもんだから、無言の圧を感じて買ったものもありますよ（笑）。

高橋　わかった。このシャギードッグニットとチノのことじゃない？

［1］シップス バイ ハーレー オブ・スコットランドのウールシャギードッグニット

坂本　ご名答です（笑）。このニットは本当に愛用してるスタッフが多くて、自分もすぐ買おうと思ったんですけど、どの色にするか迷った結果、ある先輩に相談してピンクにトライしよう！と。

高橋　それはまた結構思い切ったね。

坂本　自分じゃ絶対選ばない色なんですけど、インナー使いしたら差し色効果も期待できるよ！とか、トークが凄く巧みで、攻め気にさせられたんです。結果はもう大満足。接客術も学ばせてもらった教科書的存在ですね。

高橋　ウチの定番ニットで愛用者も多いし、勧めるときに自然と熱が入るんだろうね。本場スコットランドの老舗が伝統製法で作ってて……みたいな背景だけじゃなく、実際のコーディネート提案もしやすいし。俺も3色持ってるけど、多分20年後も着てるから自信を持って勧められるんだよね。

坂本　そういう意味で言うとこのチノも鉄板ですよね。愛用者がかなり多い。

［2］シップスのカラー テーパード チノパンツ

高橋　仕様変更を重ねながらもう10年以上展開されてる看板チノだからね。細身だけどストレッチが利いてて、俺みたいなオジさんにも優しい（笑）。

坂本　今はワイド全盛だけど、旬を追ってないから逆に長く穿けるのもイイ。

高橋　普通に穿くだけでシップスっぽくというか、品よく見せられるから、たしかに新人は一本持っとくと助かる存在かも。

坂本　実は意外かもしれないんですけど、グロウン＆ソーンのヘンリーネックＴも、新人時代に勧められて買って、かなり助けられたアイテムなんです。チノのイメージが強いブランドですけど、個人的にはこれも相当な名作。

［3］グロウン＆ソーンのヘンリーネック

高橋　ごく普通のヘンリーなんだけど、着こなしの振り幅が広いんだよね。

坂本　そうなんです！　アウター力も高いしレイヤードもしやすいから、費用対効果はかなり高い。ヘビロテしすぎて超日焼けしちゃいました（苦笑）。諸先輩方が推してくれた服は全部間違いなかったから、僕も後輩にバトンを引き継いでいくとします！

［1］シップス バイ ハーレー オブ・スコットランド
ウールシャギードッグニット

1929年に創業した老舗との名物別注。伝統製法で仕立てられたニットはアメトラ濃度特濃。写真の私物は今季のピンクとは色が異なるので、気になる方は店頭で。1万9910円。

［2］シップス
カラー テーパード チノパンツ

10年以上も継続展開され、累計販売数も10万本以上！というモンスターチノ。抗菌加工を施した国産ストレッチ生地のおかげで、細身でも穿き心地はイージー♪　1万3970円。

［3］グロウン＆ソーン
ヘンリーネック

チノ専業ブランドとして著名だが、実はこんな隠れ名品も。代名詞のチノと同じく、生地も副資材も縫製も米国製にこだわった力作は、スタッフの間でも信者多数。1万1000円。

 
※表示価格は税込み

［ビギン2022年12月号の記事を再構成］スタッフクレジットは本誌をご覧ください。