ベドウィン&ザ・ハートブレイカーズ 渡辺真史さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #090
「電子とは思えないリアルな見た目と打感にKOされました」
ベドウィン&ザ・ハートブレイカーズ デザイナー 渡辺真史さん
柔術やキックボクシングで汗を流すのがもう何年もの間の習慣になっていたんだけど、コロナで一度ジムが閉まっちゃったとき、「何か一人でできて打ち込めるものは……」と辿り着いたのがドラムでした。
高校時代にパンクバンドで少しだけ叩いたりはしていたけど、そのときはほとんど三日坊主のような感じで。でも、格闘技で打撃に寝技にと、コツコツと打ち込むことに親しんだ今なら続きそうな気がしたんです。
とはいえドラムはとにかく置き場所に困るし音も大きい。それが電子ドラムならスペースもそれほど食わないし、音もヘッドホンで自分だけ聴けるからちょうどいいなと。
これまでの教訓として、最初に高価すぎるものから入ると眺めて終わるから(笑)、小さめで手頃でいいものをと探してこのローランドのVドラムに決めました。
14インチ、打点や強弱を感知し分けるスネアとか、シンバルの揺れとか、見た目にも叩き心地にも本物のドラム感がちゃんとあることと、ビートメイクのための機材も作っているローランド製というところが決め手でしたね。
始めて1年ちょっとが経ち、単純に面白いし、今では一番身近な気晴らしになりました。クエストラブのジャジーなドラムは格好いいな……なんてことを思いながらあまり高い志は持たず、向こう10年くらいをかけてゆっくり上達できたらいいなと思っています。
Roland[ローランド]
電子ドラムセット
同社の最上位機種の流れを汲んだ音源モジュールを採用し、優れた音の表現力を実現。打つ場所や強さを変えることで、より自然なサウンドを奏でられる。「TD-27KV」実勢価格36万5200円前後(ローランド製品サポート)
ベドウィン&ザ・ハートブレイカーズ デザイナー
渡辺真史(わたなべまさふみ)
1971年生まれ。渡英を経て服作りに携わった後、ベドウィン&ザ・ハートブレイカーズを設立。現在は渋谷・宮下公園内でセレクトショップ「デイズ」を展開し、新たなカルチャーを発信している。
[ビギン2022年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。