シップスの重鎮、雨宮教夫さんが考える「エポックメイキングな傑作」とは?
1995年、インポートショップなどと形容されていたセンスのいいショップ群に、「セレクトショップ」なる呼称が定着(一説にはビギンが呼び始めたとの説も!?)。オーセンティックな傑作モノから話題のニューブランドまでが網羅した品揃えで名を挙げた、御三家の一つ「シップス」の重鎮が考える、エポックメイキングな傑作を伺いました!
「ビギンさんの誌面作りには通じ合う何かを感じているんです(笑)」
シップス 銀座店 雨宮教夫さん
1954年生まれ。アメ横の「三浦商店」時代から店頭に立ち、シップスの前身ミウラ&サンズ渋谷1号店から現在の勤務先である銀座店まで、接客を生業に50年弱という業界の大先輩。シップス内での社員番号はなんと2番!
シップスの原点は“アメリカの今を映し出す”ということ。創業当時から紺ブレ、チノパン、ローファーなどのトラッドなモノを扱っていました。
それらはすべて時代の変遷による“取捨選択”を経て残ったモノ=傑作。ゆえに王道の着こなしはもちろん、違うテイストで合わせてもまた映える。
正統もいいけど、ずっと同じでは旧態依然に陥ります。ビギンさんの誌面作りのように、軸はブレず、常に違うテイストを盛り込み続ける姿勢は大切にしていきたいですね。
現在も続く主要セレクトショップの中では最古参で、1975年に前身となるミウラ&サンズをオープン。1977年には銀座シップスという名称で、トラッドなスタイルを中心に歩みを始める。
[1]VALDITARO ヴァルディターロのネイビーブレザー
「ブランド創業から置いてある弊社の“軸”となるようなブランド」
「シップス創業当時はアメカジから欧州モノへの過渡期であり、その中で見つけたイタリアのブランドです。ファクトリーブランドだからか、イタリアものには珍しく時代に左右されないクラシックでエレガントな趣があり、現にこのブレザーも35年ほど愛用中。未だスーツにこだわるシップスとしては外せない一着です。」
[2]POST O’ALLS ポストオーバーオールズのオーバーオール
「ルーツが実用服だからいつまでもカッコよく着られる」
「93年のブランド開始時、本格的なアメリカンワークを掲げたブランドがなく、ヴィンテージに頼るほかなかった。そこに本物のディテールを再現した姿勢が「これだ!」と琴線に触れ、ドハマりして買い漁ってました(笑)。」
[3]J.M. WESTON ジェイエムウェストンのローファー
「サイズダウンしたギュウギュウ履きがお約束」
「何を隠そう日本で初めて取り扱ったのがシップスです。80年代のフレンチアイビーブーム時に、その象徴として。先方から「リペア職人も用意しろ」と言われ、お抱えの修理職人さんには仏修業に行ってもらいましたっけ。」
※表示価格は税込み
[ビギン2022年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。