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バラクータ BARACUTA

G9をはじめとしたスイングトップの御本尊としてあまりに有名な、バラクータ。でも元々はコートをメインに生産していたってご存じ? 短丈から長丈まで、結構いろいろあったんです。

BARACUTA バラクータ
(BARACUTA/バラクータ)

[タータンチェックのルーツはスコットランドの名家]
 

バラクータ タータンチェック

 
バラクータの象徴ともいえる裏地のフレイザータータンチェック。元々これは第二次世界大戦で活躍した英雄、サイモン・クリストファー・ジョセフ・フレイザー准将(ラヴァト卿)の一族が用いる柄だ。G9に強力なアイコンを求めるミラー兄弟は趣味のゴルフを通じて彼に接触し、特別に使用許可を得たのだ。
 

フレイザー准将
フレイザー准将

[1937年]
じつは、コートの生産から始まった!

バラクータ・ファクトリー

英国マンチェスター近郊にて1912年より小さな衣料品工場を経営していたミラー家。雨の多い土地柄からレインコートを得意とし、いわずと知れた老舗英国ブランドにも供給していたという歴史が。37年には同家のジョンとアイザック兄弟が会社名を「バラクータ・ファクトリー」に改名し、以後飛躍的にブランド力を高めていった。

[1937年]
ブランド創設時にG9の原型も誕生

バラクータ BARACUTA G9

バラクータ・ブランドが産声を上げた37年には、ゴルフに適した全天候型ウェアとしてG9の原型は誕生していた模様。デザインは英国陸軍ジャンパーを参考にしていた。なお名称はゴルフの「G」、コースをなす9ホールの「9」に由来。

[1966年]G10
W杯優勝を記念して作られたミドル丈コート

バラクータ BARACUTA G10

66年、英国のサッカーW杯優勝を祝うべく、バラクータは創業時のシングルブレストレインコートを復刻してチーム全選手に贈った。「G10」はその市販版として作られたものだ。写真は現行モデルで、生地裏のラミネート加工により高い撥水性を叶える。参考商品。

W杯の選手団
コートを着用するW杯の選手団

[1970s]G18
G9の袖と裾のリブを排したドライビング向け

バラクータ BARACUTA G18

[1980s]G5 G7 G8
ロング丈コートを続々展開

バラクータ BARACUTA G5 G7 G8
左から/G5、G7、G8

[1990s]G4
シュッと着られるドライビングジャケット

バラクータ BARACUTA G4

G9をドライビング用にアレンジしたモデルとして70年代に生まれたG18。G4はそれをやや短丈にした後継モデルで、90年代にデビューした。以来G9の陰に隠れた存在だったが、そのワイドかつシュッとしたシルエットが今っぽくて人気。5万2800円。

[1990s]G2
コートにアレンジされたドライビング向け

バラクータ BARACUTA G2

[1990s]ユーゲン×ユナイテッドアローズ別注 G3
スッキリ着られる工夫が盛り沢山!

バラクータ BARACUTA ユーゲン×ユナイテッドアローズ別注 G3

G2をショート丈に切り詰めた幻のドライビングジャケット、G3。そのアーカイブをベースに型から新たに作製したのが上の写真のもの。高めのラグランラインや、コンパクトなドッグイヤーカラーなど、スッキリと見せる工夫が随所に光る。写真は参考商品。今季はスエード生地採用タイプを展開。

[2000s]G9 レギュラー
ややスリムver.を開発、大ヒット!

バラクータ BARACUTA G9 レギュラー

誕生以来幾度もシルエット変更が行われたG9。現行のレギュラーフィットは近年のG9人気の起爆剤となったシルエットで、身幅や袖幅が細めのためモダンな雰囲気で着用できる。現行品はボディ素材に吸水速乾に優れたクールマックスを使用し、撥水性も備える。5万2800円。

[2000s]G9 オーセンティック
原型をイメージしたゆったりシルエット

バラクータ BARACUTA G9 オーセンティック

オーセンティックフィットは、身幅、袖幅ともゆったりしたG9の原型に近いサイズ設定。生地をブラウジングさせて着る、昔ながらのG9のバランスで着用したいならコレだ。ボディ素材はポリエステル100%。5万7200円。

[2000s]G9 ビームス プラス別注クラシックモデル
“マックイーンカラー”を復活

バラクータ BARACUTA G9 ビームス プラス別注クラシックモデル

表地を往年のG9と同じ綿100%に。型紙も完全別注で、オーセンティックとは一味異なるゆったりフィットが楽しめる。そして何より、名優スティーブ・マックイーン着用の「ストーン色」を復活しているのが◎。5万5000円(ビームス プラス 原宿)

名優スティーブ・マックイーン
名優スティーブ・マックイーン着用の幻の「ストーン色」

[“健さん”はバラクータを自ら購入していた!?]
G9着用スターといえばマックイーンが有名だが、名優・高倉 健も映画やドラマで頻繁に着用。あれは本人の希望だったようだ。
 
東京・三軒茶屋の名店「セプティズ」店主の玉木さんも次のように証言。
 
「昔、私が上野アメ横の『る〜ふ』というお店に勤めていたとき、ふらりと健さんが来店され、黒のG9を注文。その後もお付きの人がたびたび訪れ、いつも何着もG9を買っていった。あれは健さん自身が着る分と誰かへのプレゼント用でしょう。それだけG9を気に入っていたんですね」

東京・三軒茶屋 セプティズ 店主 玉木 朗さん

東京・三軒茶屋 セプティズ 店主
玉木 朗さん

長年バラクータ製品の販売に関わり、その歴史を熟知。自身これまでに100着以上のG9を所有してきた世界屈指のバラクータ研究家。

[2022]G12
原点に立ち返ったクラシカルロング丈コート

バラクータ BARACUTA G12

美しいAライン、後ろの衿腰が高くて前が低いステンカラーなど、英国の伝統コートスタイルを踏襲した新作。アンブレラヨークをはじめバラクータらしいディテールもしっかり装備する。生地は撥水性の高い高密度なバラクータクロスで、裏地のタータンはクールマックス製。9万200円。

[創業から現在まで、メイド in UKを貫いている]
 

 
マンチェスターの工場から生み出された製品は国内外から高い評価を受け、第二次世界大戦末期には英国軍にも多くのレインコートも提供。結果40〜50年代にかけて会社は著しい成長を遂げた。現在もバラクータは英国生産を貫き、高い品質を維持し続けている。

 
※表示価格は税込み


[ビギン2022年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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