履き心地もお財布にも優しい!! ムーンスター「gently」にモンキーブーツが登場

モンキーブーツの入門編としても、これはかなりのオススメです！

ムーンスター（MOONSTAR／1873年創業。旧・月星化成。本社：福岡県久留米市）のウォーキングシューズブランド、ワールドマーチ（WORLD MARCH／1987年誕生）より昨年（2021年）10月に立ち上がった「ジェントリー（gently）」ラインに、この9月下旬、モンキーブーツが登場しました。

「モンキーブーツとは？」については、同じムーンスターのオリジナルブランドであるシナリ（SHINARI）のブーツ「オリナガ（ORINAGA）」を紹介する記事（https://www.e-begin.jp/article/203159/）でも触れましたが、ここでも簡単に説明しますと、これは全国規模で電線架設を推進していた米国にて20世紀前半、ラインマン（架線技術者）向けに誕生したワークブーツが起源。なのでラインマンブーツの異名があります。

その特徴はトウキャップ近くまで伸びた外羽根。一般的な外羽根は配線や突起物などに引っ掛かりやすいのですが、これを長くすることで、そうしたトラブルが回避でき、同時に外部の衝撃からボールジョイント（足指の付け根）を守る役も果たします。しかもシューレースで前足部まで締め付けることができるため、シビアなフィッティングも可能になるわけです。ちなみにアウトソール＆ヒールがひと続きのフラットであるのも、ヒールリフトの引っ掛かりを防ぐための仕様です。

モンキーブーツはバブル経済さなかの’80年代末、英国の某ブランド製がインポートされ、それがセレクトショップのスタッフなど流行に敏感な人々の間で人気に。さらに’90年代半ばに再ブレイクしたことで、その存在が広く知られることとなったという歴史があります。

と、元来はトラディショナルなワークフットウェアであり、のちにお洒落にコダワる人々に愛されてきたモンキーブーツも、ゴム底靴の名門ムーンスターの手にかかれば、足元を軽快にする街顔ウォーキングブーツに早変わり！　たとえば、伝統的にはグッドイヤーウェルト製法であるところをココんちにふさわしく、本品ではカジュアルなセメンテッド製法に。アッパーはステア（生後3～6か月以内に去勢され、2年以上経ったオスの成牛革）製で、そこに特殊な撥水加工を施すことで透湿防水性が高められており、インソールはAg⁺抗菌防臭機能を備え、アウトソールは耐摩耗ラバーですり減りにくく……と、先端技術を搭載することで実用性の向上が図られているのです。

とはいえご覧のとおり、外観は見まごうことなき直球のモンキーブーツ！　それでいて履き心地はスニーカー足にもやさしくて、なのでデイリーで気おくれなくガシガシ履き倒せる……。と、これは「モンキーを履いてお洒落を気どりたいけど、硬くて重いのは嫌だなぁ」という人には、ことにジャストな1足です。

モンキーブーツの呼称は、高所で働くラインマンたちを猿にたとえたことにあるという見方が一般的だが、正面から見ると、そのデザインがサルの顔に似ているからこう呼ばれたとの説もある。ということで「ジェントリー モンキーブーツ　GE204」の真正面アングル（写真）。何となくだが、マントヒヒやマンドリルなど長顔の霊長類に似ている気も……？

「モンキーブーツタイプ」（GE204）にはダークブラウン（トップ写真）のほか、よりドレッシーな印象のブラックもあり。なお、伝統的なモンキーブーツはヒールリフトと一体のフラットなレザーソールだが、本品ではそう見せつつも、じつはストライプパターンが設けられたラバーソルが採用されている。

モンキータイプと同時発売された、コチラは「チャッカブーツタイプ」（GE104）。ジャケットからカジュアルスタイルまで幅広いコーディネートに対応するので、1足あるととても便利だ！　各仕様はモンキータイプに同じ。24.5cm～27.0cm（0.5cm刻み）、28.0cm。4E。ダークブラウンもあり。各1万2100円。

サイドゴアブーツ人気は今季も健在だが、「サイドゴアスリッポンタイプ」（GE205）ではスリッポンともブーツとも思える筒丈にすることで、足元にほどよいボリューム感をもたらしながらも着脱が容易な1足にしている。写真はブラックのシボ革製。他にバーガンディのスムースレザー製もあり。他の仕様はモンキー、チャッカと同様。24.5cm～27.0cm（0.5cm刻み）、28.0cm。4E。各1万2100円。

問い合わせ先／ムーンスター カスタマーセンター　☎ 0800-800-1792
https://www.moonstar.co.jp/worldmarch/gently/

※表示価格は税込

文/山田純貴