特集・連載
熟練職人の匠が惜しげもなく注入された「職人技がハンパないで賞」4作
本格革靴会議 「モノを大事に」なサステナ社会だし、物価高で「本当に永く使えるモノ」が欲しいし、「今こそ本格靴が必要!」と強く思うからこその珠玉の革靴100連発。おいそれと買える値段じゃないものも多いけど、だからこそ詳細解説したいワケです。ってことで、初心者もツウも納得する「一生靴」をここで見つけてください! この記事は特集・連載「本格革靴会議」#22です。
物物価高の今こそ気になる! 3万円台のよくデキ靴大賞[本格靴入門編]
「職人技がハンパないで賞」
熟練職人の匠が惜しげもなく注入された靴にフィーチャー。費用対効果の高さを求める現実主義派にもジャスト。
編集部員&革博士&スタイリストが認定!
スタイリスト
四方章敬さん
ドレス分野の超敏腕スタイリスト。靴単体の魅力を見抜く力はもちろん、服と合わせたときの未来図も想像できるプロ中のプロ。
ライター
山田純貴さん
ビギン歴約30年の超ベテラン。革やカバン、靴に関する深すぎる知識から、部員&スタッフ一同から神のごとく崇められている。
Entry No.1【ジャラン スリウァヤ】
3万9600円
Jalan Sriwijaya[ジャラン スリウァヤ]
98998 GARUDA
山田 改めてこの価格帯でハンドソーンというのは相当お得。すくい縫いを手で行う分、接着剤が少なくてすむから硬くならなくて返りもいい。
四方 サイドから眺めても絶妙なボリューム感で、アッパー、ソール、ラストの一体感がしっかりしている。オン・オフで使えそうなのも強みですね。
タケイ ビスポークくらいでしか体感できないハンドソーンの魅力をこの価格で堪能できるのは嬉しい。
(ジャラン スリウァヤ 日本橋髙島屋)
膨大な手間を要するハンドソーン・ウォルテッド製法
3万円台でビスポーク気分を味わえるなんて(タケイ)
Entry No.2【レイマー】
3万5000円
RAYMAR[レイマー]
Nico
山田 ホールカットは革の採り方も吊り込みも相当難易度が高い。アノネイ社のボカルーカーフを使っているのも高ポイント。
四方 ハンドソーンで縫い目を隠す効果のあるヒドゥンチャネル、半カラスでパティーヌ仕上げで……盛り込まれる技が多い。企業努力が伝わってきます。チゼルトウもグラデーションも美しくて、嗜好品的なポジションの良品だと思う。
タケイ アンティークっぽい雰囲気が通っぽく見せられそう♪
(サンレイ)
雲上の名靴にも採用されるヒドゥンチャネル
技が多すぎ! 企業努力の賜物ですね(四方さん)
Entry No.3【ポルペッタ】
3万800円
polpetta[ポルペッタ]
Brilla per il gusto 別注 PASSOスエードローファー
山田 中底を使わず、ライニングを筒状に縫い合わせて、マッケイ縫いで底付けするというのがボロネーゼ製法。軽くて柔軟性に優れ、靴下のような包まれる履き心地が味わえるので、素足履きにも◎。
四方 専門知識を必要とする製法で仕立てながら、3万円ちょっとという良心価格には敬服します。抜け感が絶妙なこともあって、実は普段撮影などでもよくお借りしています。
タケイ とにかく軽い♪ 革靴特有の硬さもまったく感じません。
(ビームスF)
柔らかい履き心地を味わえる製法
ボロネーゼ製法
柔らかいライニング(裏革)を袋仕立てに仕上げる製法。
素足でも心地いい仕立ては秀逸(山田さん)
Entry No.4【グイド】
3万8500円
GUIDO[グイド]
4910/ANI
山田 つま革=ヴァンプの縁にモカ革をのせて縫う“ヘビモカ”のおかげで、ほんのり無骨なアウトドア風味の外観に。モカステッチ脇のギャザーも味につながってます。
四方 アンラインド仕様だから足当たりが凄くソフト。モカシンだけどラギッドには見えなくて、ドレススタイルのハズシとして使えそう。
タケイ 味のある見た目も柔らかい履き心地も好み。スニーカーからの乗り換えとしてはこれ以上ない存在かも。
(ハイブリッジインターナショナル)
糸締めが生むギャザーもイイ味
ヘビモカ縫いで無骨さUP!(山田さん)
※表示価格は税込み
[ビギン2022年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。