特集・連載
最低マイナス150℃、最高150℃!! 命を守る宇宙服のハイテク素材
宇宙からきた凄いモノ ZOZO創業者の前澤氏が宇宙へ行ったり、JAXAが宇宙飛行士を一般募集したり、近頃お空のムコウ側がアツイ! また通信インフラを支えるなど、今や宇宙は我々の生活に欠かせない存在。ってことで、さまざまな宇宙の“凄い”を集めてみました。 この記事は特集・連載「宇宙からきた凄いモノ」#01です。
宇宙って暑いの? 寒いの? どっち? 答えはどちらもイエスだ。例えば宇宙にコインがあったとして、太陽があたる表面は150℃でも、太陽があたらない裏面は−150℃! そんな過酷な空間で作業をする宇宙飛行士の服は、温度調節が肝になる。アウトラストはその最たる例で、人が快適に感じる33℃前後に保ってくれるのだ。
寝返りしやすい独自のパターンでさらに快適
GUNZE[グンゼ]
カイミンナビ アウトラスト メッシュパジャマ
アウトラストを使用したメッシュ素材で仕立てたパジャマは、通気性・吸湿性に優れる。また背中や肩、腕を動きやすくし、少ない筋量で寝返りしやすいよう、アームホールを広げた独自のドロップショルダーを採用。1万3200円(グンゼお客様相談室)
(Outlast®/アウトラスト)
NASAが開発した温度調整生地。2~3ミクロンの小さなマイクロカプセルが、暑いときは余分な熱を吸収し寒いときは熱を放出。そのため、夏は涼しく、冬は暖かく着られる。
寝苦しい夏の夜も気持ちいいがずっと続く
THE ICE27[ザ・アイス27]
クールコントロール 肌掛けふとん
アウトラストをコーティングしたテンセルニットの柔らかい肌触りを生かすため、群馬の老舗寝具工場へ製造を依頼。中綿には抗菌防臭効果の高い帝人の「フィルケア」を採用。耐久性にも優れ、自宅洗い可能だ。W140×H200cm。4万4000円(ディーブレス)
ムスコを温めすぎない理想の下着
ANAPAU UNDER GARMENTS[アナパウアンダーガーメンツ]
ボクサーパンツ
今では希少な国内の肌着専門工場で、日本人の体型に合わせて作られるアナパウのアンダーウェア。立体裁断によるシームレスな設計で、包み込むような優しいフィット感だ。素材にアウトラストを使用しており、不快なムレも皆無。各3850円(ビギンマーケット)
嵩張らないからアウトドアでも大活躍
OROS JAPAN[オロス ジャパン]
EXフーディー
ランニングやハイキングなどに重宝する防風性と保温性を備えた薄手のフーディ。断熱素材「ソーラーコア」を、肩から胸下あたりの部分的に採用することで効率的に保温性を確保し、軽量化を実現。4wayストレッチで着心地も快適だ。2万9800円(ユナイテッド)
SOLARCORE(ソーラーコア)
エアロゲルの上にチョコを置いて火にかけても溶けない
宇宙服に使われる「エアロゲル」は、地球で最も軽く断熱性が高い。保温に必要な厚みがダウン30mmに対し、エアロゲルを加工した「ソーラーコア」は2mm、と抜群の保温力を誇る。
[宇宙の凄いウラ話]
ロケット内はオレンジ色、宇宙空間は白
ロケットは宇宙に着くまでの間に一部が解体され、海に落ちます。だから落下部は目立つオレンジ色。宇宙飛行士も同じ理由で、緊急時に発見しやすいオレンジ色の宇宙服で向かい、宇宙では太陽光を反射する白の服に着替えます(中島さん)
一着あたり約10億円!!
Photo by History in HD on Unsplash
「ウラ話」を教えてくれた人
宇宙開発エンジニア ナカシマサイクルファクトリ店主
中島義之さん
宇宙開発関連企業に23年間勤務。19年に退社後、自転車専門店やJAXAの宇宙機器開発実験を支援する会社を経営。サイクルウェアも企画、近々宇宙由来のケブラーを用いた世界初の下着を販売予定だ。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。