’80年代傑作アナデジ「サーモセンサー」が復刻。各社の別注モデルも出揃う
ベースモデルは世界初の温度検知機能付きウォッチとして一世風靡
ファッションには、時代とともに「流行→反動→忘却→復活」という流れをたどるケースが多々あります。この数年、’70年代＆’80年代のレトロフューチャーなデザインが注目されていますが、これもそうした例のひとつといえるかもしれません。シチズンが’80年代に展開してヒットさせた、エポックなアナデジウォッチ「サーモセンサー」のデザイン復刻がリリースされることとなり、もっか話題となっております。
1982年に誕生した「サーモセンサー」は、世界で初めて温度計測機能を搭載した多モーター式のコンビネーションウォッチでした。1対のアナログ表示や1対のデジタル表示、指針式のモード表示、温度センサー部などで構成されるフェイスがコックピットの計器パネルを想起させる、そんな大胆でメカニカルなデザインと画期的な多機能が超斬新とあって、国内はもとより海外でも一世を風靡したものです。ちなみに、この初代モデルは2021年にスタートしたシチズンコレクション「レコードレーベル（RECORD LABEL）」において「アナデジテンプ（ANA-DIGI TEMP）」の名で復活し、現在も定番で展開されております（https://citizen.jp/collection/record_label.html）。
ここにご紹介するのは、その「アナデジテンプ」と同じく、シチズンコレクション「レコードレーベル」にカテゴライズされる新作（今年10月6日発売予定。先行予約受け付け中）で、往年の「サーモセンサー」の名を復活させたモデルとなります。そしてコレの‟元ネタ”となったのは、「サーモセンサー」誕生の1982年に発売された別体ベゼル採用バージョン。すなわち、それはケースと別体となったベゼルが4点ビスでケースに止められたデザインを特徴とするものでした。
コチラが今回の復刻モデルのベースとなった、1982年発売の別体ベゼル採用バージョン。ケースと色を異にするベゼル、その4か所に止められたビス、バンドの各駒両端に配された飾りネジなどが印象的で、これに直線的なシルエットが相まって、インダストリアルデザインにおける当時のトレンドをうかがうことができる。
4点ビスがイイ味出してる往年のデザインをモダン顔に
別体ベゼルと4点ビスによって、どこか懐かしいレトロ感を醸し出していた‟元ネタ”モデル。そのデザインの味わいある表情はそのままに、そこに現代風味をほどよく添加したのが今回の復刻モデルとなります。
と、ここで「複雑顔だけど、なにがどうなってるの？」と疑問に思ったりしますよね？ この時計は通常の「時・分・秒」表示に加えてデュアルタイムや1/1000秒クロノグラフの機能も搭載しており、さらにはアラームや時報が設定でき、照明や電池切れ予告機能なども備えた多機能自慢。ユーザーは4つのプッシュボタンを操作することで、これらの機能を自在に駆使できるのです。
ちなみにフェイス上段のアナログダイヤルは、向かって左が「時・分」表示。その右は「秒」を示すもので、しかしストップウォッチ作動時には経過タイムの「時」を表示します。また、デジタル表示は上が「日・曜」で、これはデュアルタイムモードにおいてローカルタイムを表示するなどの役も担います。で、その下が温度表示で、これはストップウォッチ作動時に経過タイムの「時・分」を表示するなどします。そして中段左が温度を検知するセンサー部であり、その下にはモード表示、およびアラームや時報のON/OFF表示が配されております。
スタンダードモデル
温度センサーとモード表示の位置が入れ替わっているなどの若干の変更はあるものの、オリジナルに限りなく忠実なデザインで復刻されているのが嬉しい。クォーツ。5気圧防水。ケース幅33.4mm。SSケース&バンド。左／ベースとなったオリジナルと同じカラーリングの「Ref.JG2126-69E」3万4100円。右／別体ベゼルをケースやバンドとマッチングカラーにした白文字盤タイプ「Ref.JG2120-65A」3万3000円（シチズンお客様時計相談室 ☎0120-78-4807）
ショップ別注バージョンの6タイプもお洒落です！
このたびの復刻「サーモセンサー」にはスタンダードモデル（上記）に加え、ビームス、ビューティ＆ユース、ジャーナルスタンダード、オンタイム・ムーヴ、TiCTACの計5ショップの別注による計6色のコラボモデルも展開されます。もちろんサイズやスペックなどはスタンダードモデルと同じで、今年10月上旬発売予定＆先行予約受け付け中であるのも同様。お問い合わせや予約は各ショップまで！
「BEAMS」モデル
別体ベゼルの構造を活かした、対となる逆配色の2モデル。シルバーとブラックを基調とし、ケースカラーと透け感のある文字盤がアクセントとなっている。左／「Ref.JG2129-61H」3万5200円。右／「Ref.JG2128-63E」3万4100円（ビームス 原宿 ☎03-3470-3947）
「BEAUTY & YOUTH」モデル
ビューティ＆ユースらしい都会的で洗練された印象の、ちょっぴりセクシーなオールブラックタイプ。レトロな雰囲気とクールさが共存するモデルに仕上がっている。「Ref.JG2125-61E」3万5200円（http://faq.united-arrows.co.jp/?site_domain=ols）
「JOURNAL STANDARD」モデル
シルバーケースにブラックの別体ベゼルを合わせたうえで、文字盤に抜け感のあるグレーカラーを取り入れてファッショナブル、かつ軽やかな印象に仕上げた1本。「Ref.JG2127-66H」3万4100円（https://www.baycrews.co.jp/contactlist/）
「オンタイム・ムーヴ」モデル
シンプル＆クールなオールシルバー・タイプ。別体ベゼルをミラー仕上げとし、メタル感ある文字盤を取り入れたことで、ワンカラーながらメリハリある表情に。「Ref.JG2120-65H」3万3000円（オンタイム渋谷ロフト店 ☎03-5458-3076）
「TiCTAC」モデル
ケース、別体ベゼル、バンドをシンプルなシルバーで統一しつつ、そこに透け感のあるグリーンカラーの文字盤を組み合わせて個性を主張するポップ顔タイプ。レッド×ホワイトの秒針も小粋だ。「Ref.JG2120-65W」3万3000円（https://www.tictac-web.com/shoplist/）
※ショップ別注モデルは、いずれも各ショップのみの販売となります。お問い合わせは各ショップまで。
※表示価格は税込
文/山田純貴
